テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 残り期日三十九日
アローネ「………」ギュッ…
カオス・タレス・ミシガン・ウインドラ・カーヤ「「「「「………」」」」」ゴクリ…
これからアローネは一人でレアバードを操縦しようとしている。先程まではカーヤの後ろに乗せてもらっていた形だったが今度はサポートなしで乗ってみるようだ。こんな短時間で操縦が上達できるとはカオス達も思えなかった。一歩間違えば大惨事だがそれでもアローネは強硬姿勢を崩さなかった。どうあってもレアバードを操縦して見せると豪語してきた。そのやる気なアローネをどう説得したものかと悩んだが最後はアローネの意思に根負けし試運転をすることとなった。
そして、
フィィィィィィィィィ…………!
アローネ「…!」ガクンッ…
カオス「(!
アローネ………。)」
アローネを乗せるレアバードは少しずつ地から浮き上がり空へと上がっていく。カーヤのように素早く上昇はしないがそれでも不安定ながらもゆっくりと上へ上へと昇っていく。
やがて………、
フイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィンッ!!!
アローネ「…ッ!?」グオンッ!
カオス「アローネ!!?」
アローネの目線の高さがツリーハウスの木のてっぺんを越えたところで前進でもしようとしたのかレアバードは急加速する。アローネの顔はそれにともなって驚きの表情へと変わっていくのが見えた。恐らく加減が分からずに前進させてみて思った以上の速度が出てびっくりしているのだ。
あれでは直ぐに事故が起こるだろう。案の定ブレーキをどうかければ分からないアローネは咄嗟にレアバードのハンドルを勢いよく右にきってしまう。それによって発生した遠心力に握力が足りずアローネはレアバードから振り落とされてしまうのだった。
カーヤ「……!」バッ!
アローネが振り落とされる直前にアローネが飛んでいくであろう場所を予測してそこにカーヤが飛んでいく。
アローネ「キャッ…!?」
カーヤ「…」パシッ
空中でカーヤは自分のレアバードに乗ってアローネを上手くキャッチした。大事は起こらなかったようだ。
ウインドラ「……無事のようだな。
怪我がなくてなによりだが………。」
ミシガン「あれじゃもう一回するのは危ないんじゃない………?」
タレス「上に飛ぶのだけはできるようですが前に進むのはもっと長く練習しないと振り落とされてしまいますね。
あの様子だと………慣れるのには時間がかかりそうです………。」
地上から見ていた三人の感想は“直ぐにレアバードを乗りこなすのは無理”というものだった。それほど今のアローネの操縦技術が端から見て「失敗するとしたらそうなるだろうな」というものだったからだろう。
暫くしてカーヤは飛んでいったもう一機のレアバードを回収して戻ってきた。
アローネ「………」
カオス「………まぁ仕方ないよ。
失敗なんて誰でもすることだし初心者ならこうなってもおかしくは「やはり………」」
アローネ「………やはり私はウルゴスの時代にレアバードに乗って空を飛んだことがあるのかもしれません………。
あの飛行感覚を私の記憶が覚えていなくとも体が覚えているようなそんな感覚がしてなりません………。」
初飛行に失敗して落ち込んでいるのかと思いきやアローネは搭乗直前に話していたことを再度口にした。
ウインドラ「…お前が仮に乗ったことがあったとしてもそれは誰かと二人乗りでの経験なんじゃないか?
自分で操縦したことがあったとすればそんな経験覚えていない筈がないだろう?
空を飛ぶ経験なんてどこにいってもそう経験できることじゃない。
普通だったら覚えていることだと思うが………。」
タレス「マテオとかでも一部の貴族とかが物好きにもモンスターを飼い慣らしてその背に乗ったりとかもありますからね。
空を飛ぶとなると………………
ミシガン「え!?
飛竜に乗る人なんているの!?」
タレス「えぇいましたよ。
ボクがマテオで奴隷として働いていた時に貴族の家を転々としていた時にそういう人達がいました。
手懐けてないと噛まれたりするみたいですけどね。」
ミシガン「ほえぇぇ………、
世の中には凄い人達がいるんだねぇ………。」
ウインドラ「お前が経験したことがあるとすればそういう世界の何かと記憶が混濁しているのかもな。
アローネもウルゴスでは貴族だったようだしその手の世界では乗ろうと思えば乗れたんじゃないか?
乗馬も手慣れていたし。」
アローネ「………いいえ、
確かに私はウルゴスでレアバードに………。」
アローネが忘れてしまった記憶を必死に思いだそうとする。だが結局忘れ他記憶を思い出すことは出来ずに、
アローネ「………もう一度………、
もう一度お乗りしたら私はウルゴスの記憶を何か思い出せそうな………。」
カオス「まだやるの?」
たった今大事故を起こしそうになったというのにアローネは練習を続行すると言い出す。
ウインドラ「やる気がみなぎっているのは構わんがあんな醜態を見せ付けられてはとてもお前が思い付いた策に賛成することはできんぞ。
何かもっとより安全な策を考案した方がいいんじゃないか?」
ミシガン「そうだよアローネさん。
どうせカーヤちゃん以外は皆レアバードの操縦は無理っぽいし他の手を考えた方がいいよ。」
アローネ「…いいえ、
そういう訳にはいきません。
私は絶対にこのレアバードを乗りこなして見せます。
それは世界の存続もそうですが何よりも
カオス・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「………」」」」
カーヤ「いいよ………、
じゃあカーヤ………、
アローネ………さんのこと手伝う………。」
アローネ「!
カーヤさん………。」
カーヤ「カーヤの他にこのレアバードに乗れる人がいるのは………カーヤも嬉しいから………。」
アローネ「……有り難うございます。」
カオス「……そうだね。
この程度で諦めてたらせっかくアローネが世界のために考えてくれた作戦が無駄になっちゃうもんね。」
タレス「トレント達の討伐もアローネさんが立案しましたしボク達が他にいい方法を思い付かないならアローネさんの考えた作戦が今のところ最善なのは間違いないですしね。」
ミシガン「怪我するのは心配だけど失敗もし続けてたらいつかは成功に繋がるもんね。」
ウインドラ「そこまで言うのなら責任持って乗りこなせるようになれ。
全力でも俺達もサポートはするさ。」
アローネ「………私のために皆………。」
カオス「さ?
早く練習の続きしようよ?
それでアローネの作戦を成功させよう!」
アローネ「………………、
はい!!」
その後練習の甲斐あってアローネはどうにか普通にレアバードを飛ばすことができるようになった。それでもアローネが何かウルゴスの記憶を思い出すことはなかったがこれでまた一つ今の状況から進む切っ掛けは作れたと思う。
後はクララ達にそれを認めさせることだけなのだが………。