テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター クララ邸 残り期日三十八日
翌日カオス達はクララの家へと赴いた。目的はクララにカオス、アローネ、カーヤの三人でトレント討伐作業を中断している期間中にトレント達を手早く駆除するための誘導作業の許可を得ることだ。
クララ「………ではアンセスターセンチュリオンとトレントの討伐は行わずにトレント達の誘導だけをすると言うことでしょうか?」
カオス「はい。」
クララ「………………………………………………………、
………この
ザザザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
今日になって雨は昨日よりもまた激しくなった。昨日までは垂直に降っていた雨も今日は強風に煽られて斜めに降り注いでいる。とても空を飛べるような天気ではなかった。
クララ「…この雨も風も強い中ではトレントから襲われる心配はなくとも空を飛ぶのは大変危ない行為なのではありませんか?」
カオス達の申告には当然そういう反論が返される。雨の降る日は鳥ですら飛ぶのを避けるかどこか空の荒れていない地へと移動するだろう。そんな中を飛ぼうと言うのだからクララからは疑りの目を向けられてしまう。
アローネ「そのことは重々承知しております。
ですが私達はこの地であまり長く時間を使えない事情があるのです。
私達のことを気遣っての作業の中断をご判断下さったことには感謝いたしますがそれでも私達は十日もの間ここで立ち止まってはいられないのです。」
ウインドラ「これは俺達全員の総意だ。
せめてこれだけはどうしても譲ることができない訳がある。
…無理を通してここまで言っておいて悪いがその訳についてはできれば訊かないでほしい。
このことだけはなるべく多くの者には広めたくはないんだ。」
クララ「………何か時間に追われる理由があるのですね………。
そしてそれを私達には黙っていると?
そんな話で………、
『俺達が納得すると思ってるのか?』」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ・カーヤ「「「「「!!?」」」」」ビリビリ…
ラタトスク『お前達は俺達に差し障りの無い話はするが肝心の俺の質問にはまだ答えてもらっちゃいねぇよな?
…なぁ
そのお前の中のそいつは何がしたくてマナを集めているんだ?
それだけあれば大陸どころかこのデリス=カーラーンすら消し飛ばしかねない力を発揮する量のマナがあるよなぁ………?
………つまり………、
そういうことなのかな?』
カオス「………ッ………。」
ラタトスクのその問いには答えることは許されない。ここで真実を告げてしまえばカオス達が今まで築き上げてきたダレイオスの勢力が全て反旗を翻しカオス達を敵と認定することだろう。カオスの中の精霊マクスウェルは
しかしここまで問い詰めてくるということはラタトスクはカオス達が答えずとも察しているのだろう。そのことをラタトスクからクララ、アインワルド、その他の部族に触れ回られては結果は同じだ。ここはなんとかごまかすべきか素直に白状してしまうかの二択しかないのだが………、
クララ「………カオス様方がお急ぎになられる原因は大体分かりました。
何やら大変な場面になっておられるようですね。」
カオス「え、えぇまぁ………。」
クララ「……それを黙秘していてそれでヴェノムの主討伐に挑んでいるということはそれが達成されればその抱えておられる問題は解決するのですか?」
ウインドラ「…一応はそういうことで話はついている………。
俺達が定められたタイムリミットまでにダレイオスのヴェノムの数を減らしたことが認められればサイアクノ事態だけは回避できるんだ。
だから俺達はどうしてもここでの作業を急ぎたい。」
ラタトスク『はぁ~ん?
道理でお前達が休む間もなくトレントを狩りに出かけるわけだ。
マテオのバルツィエ達もここまではとくに攻め込んでは来ないから何を焦っているのかと思えば………。』
クララ「そのタイムリミットとやらには間に合うのですか?
もし間に合わなければその時は………?」
ミシガン「今のところはここでかけている時間が本当にギリギリなの。
他のヴェノムの主達は結構早いペースで倒してきたからそれで大分余裕はあったんだけどここのトレントとアンセスターセンチュリオンが凄くヤバくて………。」
タレス「最後のレッドドラゴンは多分遭遇さえしてしまえばその日の内に倒せると思います。
ヴェノムの主のカイメラが複数のギガントモンスターの形態に変身する怪物でその変身の手札の中にレッドドラゴンがいました。
だからレッドドラゴンが主であればどうにか倒せるんです。」
カオス「ここが………、
ここのトレント達とアンセスターセンチュリオンが今俺達が早くに倒せるかどうかでその期限が間に合うかの瀬戸際なんです………。
………俺達は………、
絶対にここで時間をかけすぎちゃいけないんです………。
そうしないと世界中の皆が………。」
クララ「………分かりました………。」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「!!」」」」」
クララ「…本当はこんな荒れた天気の中人を送り出したくはないのですが時は一刻を争うようですね………。
………いいでしょう。
このことは私とラタトスクだけの話にしておきます。
ミーア族の遣いの者から伝えられなかったということは他の誰にも貴殿方が背負っている責務については話をしていないのですね?」
アローネ「は、はい………、
このようなことは迂闊に人には話せないので………。」
クララ「それもそうでしょうね。
誰だって世界が想像だにしない危機が迫っていたとなればどのような混乱が起こるかは目に見えています。
自棄になって暴徒と化す者さえ出てくるでしょう………。
そうなってしまえば貴殿方が果たそうとしているダレイオス復興やその世界の窮地すらも守れなくなるやもしれません。
特別に許可しましょう。
貴殿方の外出を特例として認めます。」