テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 残り期日三十八日
ラタトスク『…話が長くなったがそういうことだ。
お前達生命は零から一を作り出して生まれたんだ。
魔術だってそれと同じだろ?
共鳴ってのはその用法の中間に属する術だ。
無から有に移行させる段階でまたそれを無に近付ける。
イメージとしては
ウインドラ「手加減か………。
難しいな。
呪文を唱えるだけでもマナを術に吸い上げられる感覚がするのにそれを手加減………。」
タレス「マナをできるだけ少なくしようとすると今度は術自体が発動しませんもんね。」
ミシガン「昔は魔術は発動できてこそって習ってきたからずっとマナを込められるだけ込めて術の威力を上げることだけを考えさせられてきたのにね………。
ちょっと直ぐには無理かも………。」
ラタトスク『そう焦ってできようとしなくてもいいだろ。
お前達は今までこういう力の使い方があることすら知らなかったんだ。
一朝一夕で修得することなんてまずできない。』
ウインドラ「それはそうだろうな。」
ラタトスク『…だがこの技術は魔術を使える奴なら例外なく修得はできる。
そこには魔力の強弱は関係しない。
バルツィエの奴等はただこの技術を偶然発見しただけでその後の子孫たちにも受け継がせてきただけの話だ。』
ミシガン「共鳴って誰でもできるものなの?」
タレス「誰にでも修得可能ならラタトスクはアインワルドの人達には修得させなかったんですか?
ずっと昔から一緒にいたのに。」
ラタトスク『こういうことは無暗に大勢には教えちゃいけないんだよ。
アインワルドが皆して共鳴を使い始めたら他の部族達も共鳴を教えろとせがんでくる。
少し前までは他部族とは同盟を組んでいたんだ。
そういう要求はしてくるだろ。
技術を手にしてそれが磨かれれば当然そいつらは強くなる。
強くなればそれにともなって“野心”まで育ってきちまう。
野心ってのを持った奴等に会うと面倒なことになるぞ?
バルツィエのように敵であることが明確な相手ならともかく名義上味方にそんな奴がいてそいつらが力をつければそいつらの発言力が高まる。
だからアインワルドに俺が共鳴を教えるわけにはいかなかった。
アインワルドが目立つようなことになって世界樹のあるこのアルターに他の部族が押し寄せてくることにでもなれば世界樹の存在が露見してまた古代のカーラーン大戦に逆戻りだ。
そうならないように俺は共鳴を教えるとしたら俺の器になる巫女とお前達のような世界樹のことを知っても利用しなさそうな奴を見定めることにしてるんだよ。』
ウインドラ「そうか………、
では俺達はお前のそのお眼鏡にかなったからそんな話をしてくれたんだな………。
確かに権力や武力がつけばそういう話もマテオで出てくる。
不用意に人に力をつけさせるべきではないのかもな。
急激に力をつけた者のその後は人柄までも変わってしまうこともよく聞く………。」
タレス「力を持って成功が続けばその分自信がつきますからね。
自信というのは簡単に上下しますから思い上がりで身を滅ぼすことに繋がったりもします。」
ミシガン「私は強くはなりたいけど力でどうにかなりたいなんて思ってない。
私は私の身近な人達と平和に暮らせる世界になれたらそれだけで十分………。
強さってそういうことじゃないの?」
ラタトスク『………やっぱりお前達になら共鳴を教えてやってもよさそうだな。
特別にお前達の仕事が止まっている間俺とクララがお前達三人に講師してやってもいいぜ。』
ウインドラ「本当か!
それは助かる!」
タレス「では早速ですがさっきの技をもう一度見せてもらえませんか?
あんなふうにマナを制御するところを見られれば何かヒントを掴めそうな気がするんです。
きっと共鳴も直ぐに…」『あぁちょいと待ちな。』
ラタトスク『講師してやるとは言ったがそれは六時間ぐらい後からにしてくれ。』
ミシガン「え?
どうして?」
ラタトスク『クララを休ませるためだ。
この前クララが倒れそうになったの見ただろ?
こいつは一回何か術を発動させると暫くは休息を挟まないといけないんだよ。
今俺がクララにバトンタッチすると途端にクララの意識が墜ちる。
だからこれから俺はクララのこの体を休ませてやりたいんだよ。』
タレス「言われてみればそんなこと言ってましたね。
精霊が体に憑依してると負担が大きいとか………。」
ラタトスク『おう、
そういう訳でお前達の指導は次にクララが起きてからだ。
それまでは自分達で修業しといてくれ。
理論は伝えたんだ。
そっから使い物になるかはお前達の努力次第だ。
精々頑張ってこの世界を救ってみな。』ザッザッザッ…、
ウインドラ「………共鳴の他にも意外な史実を知ってしまったな。」
タレス「最古の大惑星とかいう星のことですか?」
ミシガン「空の星ってその最古の大惑星が砕かれて宇宙を漂ってたんだねぇ………。」
ウインドラ「いや………それもそうなんだが俺が言ってるのはマクスウェルのことだ。
あれがこの星の誕生よりも前から存在していてこの星を超える大きさの星を砕いていたことだ。
そんなことをやってのけられるなら俺達がどう足掻いても太刀打ちできない相手だったことを再認識させられた………。
そしてそれと同時にマクスウェルを付け狙う奴はその最古の大惑星が破壊される前のその星に住んでいた人物であることが立証されたんじゃないか?」
タレス・ミシガン「「!?」」
ウインドラ「だってそうだろう?
星の破壊なんてそう何度も起これば他の星にも少なからず影響が出るはずだ。
天文学は詳しくはないが太陽系の星々が誕生したのは今から
その間に何かしらあったかもしれんが何もなかった場合はマクスウェルの力が放たれたのは大惑星を破壊したその一回きりだ。
その大惑星の破壊以外にはマクスウェルの存在を確認するすべなど俺には見当がつかん。
………それならその大惑星が破壊された当時にその力を目撃できた最古の大惑星の住人がマクスウェルの力を狙っているということになる。」
ミシガン「信じられない………。
アローネさんみたいに一時的に長期的な眠りについて時代を越えたりするくらいの術ならできそうなものだけどその人ってつまり四十六億年も前からマクスウェルを追いかけてるの………?」
タレス「それだけ長く生きていることにもですが何より途中で
ウインドラ「そいつには既に寿命というものが無いんだろうな。
何らかの方法を使ってそいつは自分の寿命を取り払ったんだ。
寿命が無くなれば精霊のように価値観も変わるだろう。
………と言うかそいつはこの前ラタトスクが言っていた人霊というやつかもしれん。」
ミシガン「マクスウェルを追ってる人が人霊!?
ってことはイフリートかシルフってこと!?」
ウインドラ「その二体の精霊を取り込んだ奴かもしれんし他のウンディーネやノーム、セルシウス、ヴォルトということだって可能性は捨てきれない。
ただ言えることはマクスウェルを狙っているのが人霊だったとしたら無限に生き続けていく中でそいつは自分が持っている精霊よりも更に上の存在のマクスウェルを手に入れようとしているのではないかと俺は思った。
生死というものから解き放たれた者がその後はどんな生活を送るか想像するとそれまでの生活と同じように過ごすかそれか………、
宇宙の全てを支配できる力を求めるかだな………。」