テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カストルにてクエストの報酬を貰った三人は別の冒険者に絡まれてしまう。
がここまでの経緯で力をつけた三人はその冒険者をそれぞれの力で追い払った。
オリュンポス山 麓
「また山でヴェノム退治かぁ…。」
「トーディア山脈程ではないですけど大きな山ですねぇ。」
「この山は元マテオ一高い山として有名だったようですよ?」
「元マテオ一?」
「今はトーディアの方が高いですが昔ヴェノムが繁殖した時にバルツィエが討伐に向かいその際の戦闘で山が崩れてここまで低くなったようです。」
「え!?」
「バルツィエとの戦闘で山が?」
「その時の高さは頂上からマテオを一望出来るほどだったらしいですが今では精々王国が見えるぐらいだとか。」
「山を削る戦闘ってどうなんだ…。」
「それくらい激しい戦いだったのか。
それともバルツィエの戦闘力が高すぎたのか。
詳しくはボクもよく知りません。」
「人の力でそこまでのことが出来るものなのでしょうか?」
「バルツィエは人にあって人にあらず…。
力の強大さも、人としての人格も…。」
「……」
「カオスさんはバルツィエとは別ですよ?」
「そうですよ、カオスはちゃんと人の心を持っています。」
「………有り難う。
けど俺もその血が流れてるって思うと…。」
「カオスさんはバルツィエのように暴走したりしません。
力の使い方を分かっている人ですから。」
「強い力は人の為に使われるべきなのです。
カオスは誰かの為に力を使える善の心の持ち主ですから。」
「………そう言ってもらえると助かるよ。」
オリュンポス山 中腹部
「ここまでヴェノムを倒してきてまだ半分なのかぁ。」
「後もう半分ですね。
今回のクエストは長くなりそうです。」
「そうなんだけど流石に三人で倒し回るのは大変じゃないかなぁ?」
「と言われましてもボク達以外ではカストルには今クエストを請けられる人はいませんから。」
「この山って反対側にもう一つ街ないのかなぁ。
その街の人達と協力してやれば短縮出来そうなもんだけど。」
「ボク達以外でこのクエストを請けられるのは騎士団の人達だけですよ?
そうしますと騎士団と協力することに。」
「騎士団は………不味いよねぇ。」
「本来は騎士団がワクチンを駆使して討伐するクエストですからね。
私達が協力するにしても私達の能力のことを話さなければなりません。」
「街はありますがいつ討伐に向かってくれるかはあちら次第です。」
「そっかぁ………今日は一日コース………」
キィィィィィィィィンッ!!!
「「「!!?」」」
「今のは!?」
「膨大なマナ!?」
「奥の方から感じましたね!」
「行ってみよう!!」
「「はい!!」」
オリュンポス山 峠
「はぁ~、面倒くさいなぁ。
何でぼくだけでこんなことをしなければならないんだろう。
一人じゃあ詰まらないよ。」
ゴルルッ。
ジュゥゥゥ…。
キィー!
バゥゥゥッ…。
ジィィィ…。
「そんなに睨まなくても相手してやるよ。
さっさと終わらせて帰りたいからね。
まとめて掛かってきてよ。」
ギィィィイィァァァァァァァァァァァォォォオオオ!!!!
「ま、兵隊連れてきたところで邪魔なだけなんだけどね。」ピョンッ
「いきなりだけど止めだよ!昂龍礫破!!」
ドゴォォォォォォオォォォォォッ!!!
パラパラッ…。
「こんなものかな。
ワザワザこんなことするためだけに山に登らされるなんて。
………そしてそに隠れているの。バレバレだよ?
出てきてよ。」
「………別に隠れているつもりはなかったんだけど…。」
「大量のマナが一気に拡散するのを感じて駆けつけてきました。」
「貴方は一体?」
「ぼく?
ぼくはこう見えても貴族の騎士だよ。
ぼくの名はニコライト=ゼン・バルツィエ男爵さ。」
「「!?」」
「バルツィエ!?」
「お兄さん達は冒険者?
ダメだよ~?
ここら辺スライム出るからやられちゃうよ~?」
「スライム?」
「ヴェノムだよ~?
ぼく達にとってはスライムと変わらないからスライムって呼んでるの。」
「スライムと変わらない?」
「ぼく達にはこれがあるからね。」サッ
「それは…レイディーさんが持ってた!」
「ワクチン!」
「そう!
これさえあればスライムなんてイチコロだよ~。」
「イチコロって君一人で!?
他の人はいないの!?」
「いないよ?
ぼくだけでこの山は十分だからね。
ほらこのマナボムさえあればヴェノムが寄ってくるんだよ。」
「マナボム?」
「これ使えばスライム達が磁石みたいに飛んでくるんだよ。
だから今山を掃除してるとこなの。」
「清掃って………。」
「あんなにたくさんいたヴェノムをたった一人で!?」
「こんな子供が………君いくつ?」
「今年で………いくつだったかなぁ。
九才くらい?」
「九才!?
九才で男爵の称号をお持ちなのですか!?」
「?
普通はみんな持ってるものじゃないの?」
「貴族と言っても相応の功績をあげねば爵位はいただけない筈ですが…。」
「そうなの?
この間、うちのおじさん達と一緒に隣の国の紛争止めさせてきたときに男爵って名乗りなさいっておじさん達から言われたの。」
「「!?」」
「紛争って………。」
「貴方が戦場に赴いたのですか!?」
「バルツィエじゃあみんな普通だよ?」
「そんな………。」
「それから大変なんだよね~。
こっちの街を統治しなさいって言われてずっとこんなことばっかり。
スライムなんてもううんざりだよ。」
「統治ってニコライト君はどこから来たの!?」
「ニコラでいいよ。
そう呼ばれてるし。
お兄さん達はあっちから来たってことはカストルから来たんだよね?
ぼくは反対側の街のイクアダって街から来たんだよ。
お兄さん達、スライムに襲われなかったの?」
「それは………」
「感染してないよね?
感染してたらお兄さん達を掃除しないといけないんだけど?」
「俺達は感染してないよ!?」
「そうですよ、
私達はここに来るまでにヴェノムは見ませんでした!」
「そうみたいだね。
さっきので全部だったのかな?
まぁ、いいやお兄さん達はこのあとどうするの?」
「俺達は………一応ここでの目的は果たせたからカストルに戻らないと!」
「え?登ってきたんだからイクアダに行かないの?」
「この山の景色を見たかっただけなんだ。
本当それだけだから!」
「そうなんだ、冒険者ってよく分からないなぁ。
じゃあ麓までぼくが護衛してあげるよ!」
「え!?」
「ぼくも一応スライムが掃除できたか見て回らないといけないの。
一人じゃ詰まらないから降りるまで話し相手になってよ。」
オリュンポス山 麓
「う~ん、本当にいなかったねスライム。」
「でしょ?
俺達は特に危険もなく登ってこれたんだ。」
「モンスターは何匹かいましたけど大丈夫でしたよ?」
「冒険者ならそれくらいなら倒せるんだね。
ならあとぼくもそろそろ帰らないといけないから、イクアダに行くことがあったらまた遊んでよ、お兄さん達。」
「………凄い子だったね。」
「あの幼さで爵位とそれに恥じぬ力を持っていました。」
「動きは洗練さに欠けますがそれを補って余りあるマナの内包と放出力。」
「聞いていた話ほど凶悪さはなかったね。」
「分かりませんよ?
あの純朴さで後数年もすればサハーンに劣らない邪悪な本性が育っていくんですよ。」
「あんな子供が………。」
「レイディーさんの話は本当のようですね。」
「バルツィエの戦闘力は子供でも油断ならない力があります。
カオスさんは………ごめんなさい。」
「いいよ、俺があの年の頃はそこら辺にいた子供よりも全然弱いくらいだったよ。」
「カオスはそのままでよかったです。
優しいまま育って。」
「ですがもしカオスさんが殺生石に触らなかったらあのぐらい強かったのかが気になりますね。」
「カオスならそれでも変わらずに育っていたでしょう。」
「俺は………俺のままだったんじゃないかな。」
「そうですね、カオスさんは優しいからこそカオスさんですから。」