テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族族の住む村アルター クララ邸 残り期日三十七日
クララ「それでは今後はこの雨が止むまではアルターの中でゆっくりしていて下さいね。」
アローネ「えぇ、
そうさせていただきます。」
カオス「昨日はかなりのトレント達をあの丘まで引き付けられたから後は雨が上がってあの丘に集まったトレント達を倒していくだけだね。」
ウインドラ「一ヶ所にトレントが集中しているなら全てを倒しきるのはそう時間もかからんだろう。
目標としては二週間から十日程度で終わらせられればブルカーンに向かう時間も考慮して二週間程度しか期間は無いがレッドドラゴンならカオスがいれば一日、二日で討伐でき『そう事は上手く運べていないようだぜ。』……何?」
ラタトスク『お前達が昨日やってたことはどうやらあまり効果が無かったみたいだ。』
クララの意識が引っ込みラタトスクの人格が表に出てきてカオス達にそう告げてきた。
アローネ「効果が無かった………とは?」
カオス「俺達のしてきたことが失敗したって言うんですか………?」
昨日は一日かけてカーヤと二手に分かれてトレント達を集めてきた。カオス達が集めてきたトレントもカーヤが集めてきたトレントも相当数があの丘へと集中していた。それなのに効果が無かったとは一体………?
ラタトスク『今俺がユミルの森のトレント達を索敵してみた。
その結果トレント達は………、
また四方に散らばり出してる。
昨日の夜まではお前達が集めていた場所にいたみたいだがこの半日でまたトレント達が独自に獲物を求めてさ迷い歩き出した。
もうお前達が目をつけていた場所には殆どトレントは残ってはいない。』
アローネ「!?
そんな………!?」
ウインドラ「何故だ!?
何故トレント達が動き出したんだ!!
森には今トレント達が追い求めるような獲物はいない筈だろ!!?」
カオス「何でそんなことに………?」
冷たい雨が降る中で一日かけてカオスとアローネとカーヤが飛び回りトレント達を集めてきた。それなのに何故トレント達がまたバラバラになっていくのか。それでは昨日一日を費やして活動した努力が無駄の一言で終わってしまう。
クララ「………
カオス「雨が原因………?」
クララ「前にも申した通りトレントは晴れた日と雨の日で習性が完全に異なります。
普段晴れた日に獲物が通りかかるのを待っているのは彼等がそう遠くまで進むことができないからです。
トレントは木に擬態しているのと同時に地面から水分を吸い上げてそれを糧としています。
それで根が乾ききらないようにしているのです。
………ですが雨の日にはその必要が無く活動範囲が水分を含むところならどこへでも………。」
その情報はカオス達には衝撃的だった。雨によって動きが早くなるのは聞いていたがそれで常時その場に留まることがなくなるのではこれ以上カオス達に雨が止むまで何もできなくなってしまう。
クララ「申し訳ありません………。
私がこうなることを予測できていればカオス様方を余計に働かせることもなくましてや昨日の襲撃も防げたでしょうに………。」
カオス「あ………えっと………。」
ウインドラ「クララ殿は何も悪くはない。
俺達がモンスターの習性に疎かったことが原因だ。
………しかしこうなるとどうしたものか………。」
クララ「………世界の存続がかかった大事な使命なのですよね?
でしたら私共アインワルドもそれに立ち向かわねばなりません。
雨が止んだら私共アインワルドもカオス様方と一緒にアンセスターセンチュリオンとトレント討伐に出撃します。」
カオス「え………。」
アローネ「待ってください。
アインワルドの方々がヴェノムにどう挑むと言うのですか?」
クララ「カオス様の秘術を受けさえすれば私共でもトレント達と戦う力が備わるのですよね?
でしたらアインワルドの全ての者にその秘術を。
そうすれば私共でもカオス様方のお役に立つことができる筈です。」
ウインドラ「いやしかしだな………、
事情が変わって全員となるとこれまで通りに魔術に頼った生活ができなくなるかもしれないんだぞ?
今の洗礼の儀は効果が変化してしまって魔術が一つの属性しか使えなくなる。
今まで使えていた火や水といった生活に必要な術がアインワルド全体で使えなくなると流石に………。」
クララ「世界が無くなるかどうかという時に四の五の言ってはいられませんよ。
私共も世界が無くなってしまうのは困ります。
世界あっての私達の命ですから。
………ですから構いません。
今からでもアルターの者を全て集合させま「止めてください!!」」
カオス「…そんな簡単に他人の人生を変えてしまうようなこと俺には決断できません………。
これまでだったらまだしも今の俺の力は何かおかしいんです。
この力のせいで逆に命を落とすかもしれないんですよ?
俺にはここの人達の命を背負うことなんてできません!」
話がアルターの者達に洗礼の儀を施す流れになりかけてカオスは慌ててその話を断る。ミーア族、クリティア族、スラート族達にかけてきた洗礼の儀の効果は今やアローネ達と同じ力を与えるものとなっている。その力はヴェノムには対抗できるようになるがそれ以外の者に反比例するように弱くなる一面も持ち合わせている。それをアインワルド全体に施すとなればアインワルドはビズリーやダズの件からして地属性の強力な力を得ることになる。だがもし仮に相反する風属性の力を使う者が現れた時彼等は瞬時に殺られてしまうだろう。ダレイオスのどこかにまだバルツィエの先見隊が潜んでいるとも限らない中でカオス達のように気軽に能力を得るべきではない。カオス達はそれぞれが互いの弱点をカバーしあえるがアインワルドはそうはいかない。皆が同じ属性に偏ってしまえばバルツィエといわずそこらにいるモンスターにでも脅威になってしまう。
クララ「しかしカオス様、
私達は「俺が!!」」
カオス「俺が何かいい案を考えます!
マクスウェルのせいでアインワルドの人達に迷惑はかけられません!!
俺が絶対にどうにかして見せます!!」
カオスはこの一ヶ月と数日でアインワルドに対して高い好感を抱いていた。自分が旅を始めたせいでシーモス海道でマクスウェルが目覚めて世界を破壊すると言い出した。その責任をこれ以上他の人に背負わせたくはなかった。
少なくとも世界を旅した中で一番守りたいと感じたアインワルドの者達には………。