テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルドの住む村アルター 残り期日三十五日
カオス「………と言うことなんだけどどうかな………?」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ・カーヤ「「「「「………」」」」」
カオスは先程のうさにんとのマクベルと話の中で考え付いた策を皆に説明した。トレント達をこの雨の中で一ヶ所に留め尚且つこの雨の中でもトレント達を倒す方法。それはカオス達が雨が止んだ後にトレントを倒すために用意していた場所に巨大な穴を作りそこにトレントを落として焼き払うというものだった。この作戦なら今までのように気を付けなければならないことは一切なくトレント達を殲滅できる。
アローネ「…そのような手があったとは………。」
タレス「すぐに思い付きそうで意外に思い付かない作戦ですよね………。」
ウインドラ「普通の者にはとても無理な作戦だろうな。
しかしカオスがいるのならそれも無理では無くなるということだ。」
ミシガン「結論的にトレント達を纏めて焼ける焼却炉みたいなのを作るってことだよね。」
カーヤ「雨が降ってても平気なの?
その作戦は。」
カオス「いや、
寧ろ
雨が降っているからこそこの作戦を実行するとユミルの森にいるトレント達を全部かき集められる。
一々レアバードで飛び回ってかけ集めてくるよりも雨が降ってトレント達が
雨が止んじゃったらまた一から散らばっているトレント達を相手にしなくちゃいけない。
それじゃ時間がかかりすぎるだろ?」
この作戦では雨の日のトレントの習性を利用した作戦だ。雨の日に活発的に動くトレント達は一度獲物の気配を感じとればその方向へと一直線に向かっていく。晴れの日のように獲物が通り掛かるのを待っていることはない今のトレントの習性ならば雨が止むのを待つこともなく晴れの日以上の勢いでトレント達がカオス達の元へとやって来る。カオス達はただ掘り起こした穴の中心で待っていればいい。それだけでトレント達は穴の中へと落下していきそこから外へと出られず焼き付くされるのみである。
アローネ「…ですがそれですと私達は何をすれば………。」
カオス「穴を掘って壁を作るのは俺がやる。
なんならトレント達を燃やすのも俺でもいい。
アローネ達にはトレントが穴から溢れ返りそうになったらそれを中心の方に押し留めていてほしい。」
ウインドラ「それが良さそうだな。
相手の数はまだ三千にも及ぶんだ。
お前が空ける穴の空間もその全部が入りきるとは思えん。」
タレス「大丈夫………ですよね。
カオスさんなら一人ででもトレントを倒しきれますよね。」
ミシガン「その作戦って別に私達だけじゃなくてもいいよね?
カオスがトレント達を倒してくれるのは助かるけど穴からトレントを出さないようにする係ってどうやっても私達だけじゃ足りないでしょ?」
アローネ「…!
それならアインワルドの方々にも協力してもらいましょう。
例の指定の地点からアルターまでにいるトレントを先にカオスが作った穴に放り入れられればそこまでの道の安全を確保できます。
それでもトレント達が襲ってきた時はカーヤか私がレアバードでアインワルドの方々を警護致します。」
ウインドラ「よしそれで行こう。
後は何か見落としている点は無いか?」
タレス「アンセスターセンチュリオンが来たらどうしましょうか?」
ウインドラ「フム…そうだな………。
アンセスターセンチュリオンはトレントの数倍の巨大だからそれが納まる程に穴を大きく作らないといけないな。
そこは後でクララ殿と相談してみるとしよう。
場合によっては指定の場所よりも立地のいい場所があるかもしれない。」
ミシガン「やるとしたら今日?明日?」
アローネ「まだこの計画を実行に移すには今日では早すぎます。
何か他にもっと注意すべき点を探すべきでしょう。
クララさんとの相談が済んで問題がなければ今日中にカオスとカーヤの三人でまた現場に戻って場所を設計し直してきます。」
ウインドラ「三人だけではこの間と同じ轍を踏みそうだな。
今度は俺も同行しよう。」
ミシガン「え?
それじゃあ私達は残ってる間何してればいいの?」
タレス「協力してくれそうなアインワルド族を見付けましょう。
そしてその人達にも共鳴を修得してもらうんです。」
ミシガン「この計画ってもし始めるとしたら明日なんでしょ?
それまでに修得するの難しくない?」
タレス「何事も始めてみないと始まりませんよ。
ボク達だってまだ完全には修得してはいないんですからできるだけ多くの人とやってみて早く修得できた人達から徐々にコツを拾っていくんです。」
ウインドラ「そうしていてくれ。
俺達も場所を設計し終えたら合流する。
俺もやっておきたいしな。」
アローネ「ではこれからクララさんにこの話をしに行きましょう。
これなら文句のない完璧な作戦であると私は信じています。」
カオス「………」
………よかった………。
急ごしらえではあったけど誰からも反論がなかった。
俺とマクベルさんで考えた作戦に皆賛同的だ。
この作戦が成功したらブルカーンの地へは予定よりも大分早く行くことができる。
それでも残されている時間は少ないけど希望が見えてきた。
この作戦は………、
絶対に成し遂げて見せる!