テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオス「うああああああああああああぁぁぁぁッ!!!?」
ドスンッ!!
カオス「いてっ!?」
驚いた直後突然浮遊感を覚えて地面に激突する。しかしその地面はよく見てみると木材の床であった。
カオス「つつ………ここは………?」
カオスがいたのはたった今空から降ってきた隕石の爆発によって壊された部屋だった。
だがどこにもその破壊の跡は残っておらず綺麗な状態だった。
カオス「………夢………だったのか………?
…あれが夢………?」
夢にしても目覚めの悪い夢だった。世界が終末を迎えるだけならまだしも一緒にいたアローネが………。
カオス「…そんな訳ないのにな………。
何であんな夢を見ちゃったんだろ………?
アローネがヴェノムに感染しているなんてそんなことある筈ないのに………。」
もし本当にアローネがヴェノムに感染していたとしたら今までアローネによってウイルスをうつされたという話があったことだろう。しかし半年以上アローネと同行していてそんなことは皆無だ。アローネが長期的に滞在していたところもあったがもしアローネがヴェノムに感染していたらそこで誰か被害者が出てくる。カストル、レサリナス、セレンシーアイン、フリューゲル、アルターと人の多い場所には一日以上そこに留まっていた。それでアローネから誰かにうつっていたということは無い。
アローネはカオスで出会った当初からそういうヴェノムに感染しない体質だった。それでシーモス海道では精霊マクスウェルの力も付与されている。ある意味では仲間達の中ではもっともヴェノムウイルスに耐性の高い体質なのだ。
カオス「………それなのにどうしてあんな夢………。」
バンッ!!
アローネ「カオス!!」
部屋で一人自分の見た夢について考えていたらアローネが部屋に駆け込んできた。
アローネ「目覚めたのですねカオス!」
カオス「あ………う、うん………。」
夢では先程最後の印象が強く一瞬アローネを警戒してしまったが部屋に入ってきた彼女はいつも通りのアローネだった。
アローネ「………どうして床に座り込んでいるのです………?」
カオス「…ちょっと寝惚けて寝返りうっちゃったみたいで落ちたみたい………。」
アローネ「どこも体に異常はありませんか………?
カオスはその………。」
カオス「あぁ………、
うん大丈夫だよ。
体も普通に動くし。」
アローネ「………本当ですね………?
本当に体のどこかに痺れを感じたりとかはしないのですね………?」
カオス「うん、
なんともないよ。
指とかも普通に動くしさ。」
アローネ「………そうですか………、
………では………。」
アローネがゆっくりとカオスの前に進み膝をついて………、
パンッ!!!
アローネはカオスの頬を思いっきりひっぱたいた。
カオス「ッ………!」
アローネ「………どうして貴方はいつもいつも一人でやろうとするのですか!?
今回のことは貴方のおかげでこのアルターでの依頼は完遂できましたが一歩間違えば貴方が命を落としていたのですよ!?
魔力機能障害とは人が安全に魔術を使うためのリミッターが崩壊しかけた状態なのです!
普通の怪我とは違ってこれは治療術では治すことができない領域なのです!
それなのに貴方はまたあのような………!!
………あのような………!」
アローネは一気に膨れ上がっていた怒気が収まっていき涙ぐむ。
カオス「………ごめん………なさい。」
アローネ「………貴方はあの時目覚めてから部屋を出て私達がアンセスターセンチュリオンに追い詰められている場面を目撃してあの行動に出たのでしょう。
そこは私達の力不足によるところもあります。
私達の力が至らなかったばかりに貴方に力を使わせてしまい申し訳なく思います。
ですがそれでも貴方は力を使うべきではなかったのです!
それほどまでに貴方は危険な状態だというのにどうして貴方はそんなに………!」
カオス「アローネ達を守りたかったんだよ………。」
アローネ「………」
カオス「俺にとってはアローネ達は仲間を越えた………、
………家族みたいな人達だから………アンセスターセンチュリオンなんかに殺られるのは黙ってみていられなかった………。
俺が何もしなかったらアローネ達は俺の前からいなくなる………。
俺がいなくなるだけならいいけどアローネ達だけはどうしても俺は………。」
アローネ「私達が助かるのであれば御自身が犠牲になることも厭わなかったと………。
そう仰るのですか?」
カオス「………そうだね。
ここにはアローネ達もだけどアインワルドの人達もいたしこんなところで失わせたくはなかっ………」ギュッ………
カオスは続く言葉を言えなかった。
アローネ「貴方はどうしてそこまで御自分を傷つけるのですか………。
私達が貴方が傷つくのを見て傷つくと思わないのですか。」
アローネがカオスを抱き締めてそう諭すように聞かせる。
カオス「アローネ………。」
アローネ「カオスが私達のことを家族のように思って下さっていることは光栄です。
家族であるなら守りたいと思うのも当然の感情だとは思います。
それなら私達もカオスのことを守りたいと思うのは変ですか?
私達が貴方の力に及ばないのであれば私達は常に貴方に守られてばかりなのですか?
では貴方を誰が守るのですか?」
カオス「俺のことは………。」
アローネ「強者が弱者を守る。
それは至極当たり前のことなのかもしれません。
ですが弱者がそれに甘えているだけの関係ではいつか破綻してしまうでしょう。
私達は貴方にとっては弱者ではありますが貴方との関係を終わらせたくなどありません。
強者である貴方が全てを背負い込むことは無いのです。
一人で背負えないほどの問題を抱えてしまったのなら必ず私達は貴方と一緒にその問題を解決して見せます。
忘れないで下さい。
貴方は決して一人で最前線に立っているのではないということを………。
貴方の隣や後ろにはいつも私達がいるのですから………。」
アローネの言葉にカオスは自分がアローネ達の力を一切信用してなかったことに気付く。他人に比べて自分がとても強大な力を持っているのであれば自分は常に誰かを守る側だろう。そう考えていた。
カオス「(アローネ達も俺のことを守りたかった………。
そんなの当たり前のことはもっと前から分かることだっただろうに………。)」
今回のことでカオスは仲間達が自分に対してそういう感情を抱いていたことを改めて知れた………。