テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 夕方 残り期日二十一日
クララ「カオス様!!
お目覚めになられたのですか!?」バンッ!!
カオスとアローネのいる部屋の中にクララが飛び込んでくる。
カオス「クララさん………。」
クララ「あぁ…!
やっと……!
やっと意識が回復なさって……!」
カオスが目覚めているのを見て涙を溢すクララ。
クララ「村の者達も心配しておりましたよ!
アルターを………世界樹カーラーンを救っていただいたのにカオス様が十日も意識不明のままで………!」
カオス「…沢山の人に心配かけたみたいですね………。
ごめんなさい………。」
クララ「そんなことはいいのです!
こうしてカオス様が無事だったので私共はそれで………!」
カオス「え?
でも………。」
クララ「この度は私共アインワルドを苦しめていたヴェノムの主アンセスターセンチュリオンを討伐していただき感謝いたします!
私共アインワルドはこのご恩は一生忘れたりはしません!
永久的にカオス様をこのアルターの英雄として讃えていきます!」
カオス「そんな大袈裟な………。」
クララ「大袈裟なことなどございません!
あれほどの
カオス様がお作りになられたあのトンネルも私共では上手く使いこなせずに最後にはカオス様のお手を煩わせることになってしまいました!
そのせいでカオス様はその………!」
カオス「俺のことは大丈夫ですから………。
アンセスターセンチュリオンを倒したのだって精霊の力を使っただけだし………。」
クララ「その力を使いこなしたのはカオス様の功績ですよ!
カオス様も目覚めたことですし本日は宴にしましょう!
村の者に伝えて用意させます!
是非ご参加下さいね!」ガチャッ!
クララはそう言って部屋を飛び出していった。
カオス「………随分慌ててたな………。」
アローネ「カオスが目覚めたことはこの村の方にとっては大変喜ばしいことですから仕方ないのですよ。
カオスはこの村を救ったのですから。」
カオス「そうなるん………だね。
でも俺達は宴なんか開いてる場合じゃ……。
ウインドラ達にも追い付かないといけないし………。」
残り時間は既に一ヶ月を切っている。もはや一日でも無駄にはできない。移動にかけてしまう時間も数日は消費してしまう。それなのに宴だなどという気分にはなれないカオス。
アローネ「急くお気持ちは分かりますが外はもうすぐ暗くなりますよ?
私とカオスはレアバードでウインドラ達を追い掛けるのですから飛行するのであれば朝方が望ましいです。」
カオス「え?
………あ………。」
アローネが窓の方に歩み寄ってカーテンを開けると空がオレンジ色に染まっていた。確かにこんな時間から移動を開始するのは危ない。
アローネ「大丈夫ですよカオス。
ウインドラ達は徒歩で向かっていますからレアバードで移動する私達ならすぐに追い付きます。
この森も数時間で抜けることができますからウインドラ達にはすぐに会えますよ。」
カオス「だけどウインドラ達がいない間に俺とアローネだけが参加してもいいのかな………。」
アローネ「…いえ………実はささやかな宴の席ならカオスがあの巨大アンセスターセンチュリオンを倒したその日に開かれましたよ?
でも主役のカオスが意識を失ったままでしたのでその時は二時間程度のものでした。
今回の宴は夜中まで続くでしょうね。
ケニアさんがそう仰っていましたから。」
カオス「そんなにする予定なの!?
でも浮かれてる場合じゃないんだよ!?
アンセスターセンチュリオンは倒してもレッドドラゴンが倒せなかったら結局は全部が「カオス」………。」
アローネ「ここの方々にとってはヴェノム、アンセスターセンチュリオンが倒されたことは彼等の住む世界が救われたも同義なのです。
彼等にとってはトレントやアンセスターセンチュリオンは誰も倒すことができない不死身のモンスターであってそれらから漸く彼等は解放されたのです。
彼等は少しでも六年もの暗闇だった時間を晴らしたいのですよ。
六年もの間彼等はまともに村の外を歩くことすらできなかった。
そんな彼等はできる限りの喜びをカオスに伝えて分かち合いたいのです。
カオスは彼等のお気持ちをくんであげてください。
今日ぐらいは貴方も戦いのことは忘れて宴を楽しむべきですよ。」
カオス「………」
アローネの言葉を聞いてカオスはカストルでのクエストのことやカイクシュタイフでクラーケンを倒した時のミーア族のことを思い出した。当たり前のようにカオス達はヴェノムを倒してきたが普通の人にはそんなことはできない。だからこそカオス達がヴェノムを倒して戻ってくると感謝される。それはもう見ていてカオス達も一緒に嬉しくなるほどに。クラーケン以降はクリティアのジャバウォックは既に倒されており続くカイメラ、ビッグフロスター、グリフォン、フェニックスでは部族が壊滅していたりややこしい状況だったりとで大勢の人が楽しむ光景は久しく見ていない。そんな人達の喜ぶ姿に水を指すのは野暮というものだろう。
カオス「………そうだね。
今日ぐらいはいいのかもね。」
アローネ「えぇ、
そうですよ。
明日から私達は出発すれば良いのですから今日はカオスもアインワルドの方々と楽しんでください。」
カオス「…そうする。」
カオスはクララが開く宴を待つことにした………。