テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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人生初の飲酒

アインワルドの住む村アルター 夜 残り期日二十一日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ………

 

 

 クララの宣言通りにアンセスターセンチュリオンを倒した祝いの席がもうけられた。宴は外で行われアインワルド総出でカオスとアローネを歓迎してくれる。

 

 

ビズリー「カオス様!

 カオス様とアローネ様はこちらの方へお掛けください!」

 

 

ダズ「食事や飲み物はお持ちします!

 今日は目一杯楽しんでいって下さい!」

 

 

 すっかりと顔馴染みになったビズリーとダズがカオスを大きな机の席へと案内する。そこにはクララやケニアもいた。

 

 

クララ「カオス様、

 病み上がりでお体の調子はどうですか?

 その………このような企画を急に開いたりなどして迷惑ではありませんでしたか?」

 

 

カオス「そんなことはないですよ。

 体だって別にキツかったりとかはしませんし………。」

 

 

ケニア「十日もの間寝込んでいらしたのにカオス様は丈夫な体をお持ちのようですね。

 さぞ日頃からいつでも動けるような鍛え方をしておられるのでしょう。

 私共も見習いたいものです。」

 

 

カオス「そうですね………、

 自然と体が鈍ったりとかはしない体質みたいで………。」

 

 

アローネ「あの無茶をした日から十日は意識が戻りませんでしたがその直前にも三日も気を失っていた時間がありましたからカオスはほぼ二週間は体を動かしていなかったのですよ?

 本当に不調を感じたりはしないのですか?」

 

 

カオス「そういうのは無いけど………、

 ………強いて言うなら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …ちょっと緊張してるくらいかな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クララ「緊張………?」

 

 

カオス「こういう人が沢山いる中でご飯を食べるのなんて今まで無かったしそれにここの席………皆から見えるからなんか皆の視線が集中してるような気がして………。」

 

 

 過去のことは乗り切ったつもりだがカオスは一度大勢の者に囲まれて罵倒さりたり暴力を振るわれた経験がある。なので例え自分に向けられている視線が好意的なものであろうとも苦手意識を感じているのだ。

 

 

アローネ「あぁ………、

 カオスにはこのような場は()()()なのですよね。

 ですから緊張を………。」

 

 

カオス「アローネは初めて………じゃないんだね………。」

 

 

アローネ「ウルゴスでは社交界がよく開かれていましたから私は特に緊張するほどではありませんね。」

 

 

ケニア「カオス様はこのような雰囲気は苦手でいらっしゃるのですか?」

 

 

カオス「は、はい………、

 人の多いところはあまり………。」

 

 

 ケニアは少し考える素振りを見せてからビズリーとダズの方へと指示を出した。

 

 

ケニア「ビズリー、ダズ、

 どうやらカオス様がこの空気は辛いらしいのだ。

 カオス様の緊張をほぐすためにも()()を持ってきてくれ。」

 

 

ビズリー・ダズ「「!!………はい!」」

 

 

 ビズリーとダズはケニアの指示を受けて室内へと入っていく。何か緊張をほぐせるものを用意してくれるようだが………、

 

 

カオス「ケニアさん、

 アレって何ですか?」

 

 

ケニア「こういった場での()()()ですよ。

 彼等が戻ってくれば分かります。」

 

 

 ケニアは含むような言い方をする。

 

 

カオス「?

 何だろう………?」

 

 

アローネ「………もしや………。」

 

 

 アローネがこれから来る物に心当たりがあるようだがその前にビズリーとダズが戻ってきた。

 

 

 彼等が持ってきたのは瓶に入った飲み物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケニア「緊張をほぐすにはこれが一番ですよ。

 私共が端正込めて作ったこの()()()()()()()()をお飲みになられればカオス様も周りのことなど気にならなくなります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ケニアが持ってこさせたのは()であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「やはりそうでしたか………。」

 

 

カオス「お酒………か………。」

 

 

クララ「カオス様はお酒はお嫌いでしたか?」

 

 

カオス「嫌いっていうか………飲んだことないんですよ俺………お酒は………。」

 

 

 カオスは十歳から二十歳までを旧ミストで一人で暮らしていた。食事や飲み物は簡単な物なら作れたが酒のような特殊な製造過程が必要な物を作ることはできなかった。

 

 

クララ「…お酒とは無縁の生活を送って来たのでしたね………。

 カオス様はずっとお一人だったのですし………。」

 

 

カオス「おじいちゃんがまだ生きてた頃はおじいちゃんが飲んでたのは見たことあったんですけど臭いとかがキツくて飲もうとも思わなかったですし子供は飲んじゃいけないみたいだし………。」

 

 

クララ「カオス様?

 カオス様は御成人なさられているのですよね?」

 

 

カオス「まっ、まぁそうですけど………。」

 

 

クララ「それでしたら試しにお飲みになってはいかがでしょうか?」

 

 

カオス「え?」

 

 

クララ「御成人されているのであればお酒を飲んでしまっても問題はないでしょう。

 子供であったなら成長に支障を来す恐れがありますが大人の年齢に達しているのであればお酒も飲める筈です。」

 

 

カオス「でも味が癖があるって聞きますけど………。」

 

 

クララ「子供の頃と大人になった後では味覚というものは大分変わってくるものですよ?

 子供の頃に食べられなかったものも大人になって食べられるようになったりとかよくある話です。」

 

 

カオス「それはそうかもしれないですけどお酒を飲むと酔ったりしますし………。」

 

 

 祖父の生前では祖父が酒を飲むとその後様子がおかしくなっていた。酔っぱらうという感覚らしいがミストの他の大人達もお酒を飲むとフラついて呂律が回らなくなる。自分もあのようになるのではないかと思うと酒を飲むのは避けたいカオスだったが………、

 

 

クララ「お酒に酔うのは個人差がありますよ。

 一口で酔う人もいればいくら飲んでも全く酔わないという人もいます。

 カオス様は初めての飲酒にはなりますがカオス様ほどの丈夫な体ならば酔わない可能性の方が高いと思います。」

 

 

カオス「酔わない人もいるんですね………。」

 

 

クララ「俗にいう酒豪というものですね。

 この機会にカオス様もご自分がお酒に強いのか弱いのか知ってみるのも良いのではないですか?

 飲んでみると意外と美味しいですよ。」

 

 

カオス「そうなんですか?

 ………じゃあ一口だけ………。」

 

 

ケニア「どうぞ。」

 

 

 ケニアから酒をついだ臭気のするコップを受け取り口に近付ける。その時点でコップから漂う匂いが鼻腔をつくような感覚に襲われて噎せそうになるがそれを我慢してカオスは少量を口に含み………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………ゴクッ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クララ「いかがでしょうかカオス様。

 お口にあえばよろしいのですが………。」

 

 

カオス「………………………思ったよりも………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 癖が強くなくて………味もそんなに思っていた程不味いって訳じゃないんですね………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寧ろ美味しい………?」

 

 

 

 

 

 

クララ「本当ですか!」

 

 

カオス「あっ…えっと………お酒ってなんか不味いみたいな印象があったから飲んでみたらそうでもないんだなぁって………。

 それに()()()()()()()()()()()()気分が良いしで………。」

 

 

クララ「お酒は普通の飲み物とは違った感覚を味わえるのです!

 その感覚が心地よくて大人はお酒を飲むのですよ!

 どうですか?

 私が見たところカオス様はお酒に強い体質のようですしもう一杯いかがですか?」

 

 

カオス「もう一杯………。

 ………じゃあもう一杯だけ………。」

 

 

 クララに促されるままカオスはコップに酒を注がれてそれを飲み干す。

 

 

アローネ「…カオス?

 明日は早くに出る予定なのであまり飲みすぎてはなりませんよ?

 お酒を飲みすぎては明日に響きますからその一杯までで今日は…」「アローネ様もお飲みになられませんか?」

 

 

クララ「明日後出立されるのであれば私共のアルターバーボンをご提供できるのは暫く後になるでしょうしここでアローネ様もお飲みになられては………?」

 

 

アローネ「私は………

 ………こういった飲み物は乗馬やレアバードでの飛行中に事故の確率を高めますので私は遠慮させていただきます。

 明日は長時間レアバードで飛行するので。」

 

 

クララ「そうですか………残念です。

 でしたら」チラッ…

 

 

アローネ「?」「アローネ様!」

 

 

「私達アローネ様のお話をお聞きしたいです!」

 

 

「アローネ様はウルゴスという国の御出身なんですよね!

 どんなところだったんですか?」

 

 

 クララが視線をそらした先にはアインワルドの女達がおりアローネを取り囲んで質問攻めにする。

 

 

アローネ「ウッ、ウルゴスの話を………?

 一体誰からウルゴスのことを」「まぁまぁあっちの方でお話しましょうよ!」

 

 

 女達はアローネを別のところへと連れていく。アローネはそれに戸惑いながらもカオスに、

 

 

アローネ「カッ、カオス!

 その一杯で最後ですよ!?

 飲酒は思考力を低下させたり記憶が飛んだりしますので……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「う、うん。

 これで終わりに…」「カオス様。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クララ「カオス様のために用意したアルターバーボンはまだまだありますからどうぞ。

 お酒は寝付きに良いのですよ?

 明日が大事な日なのであれば多目にお飲みになられてるのがよろしいかと。」

 

 

カオス「は、はい………。」

 

 

 

 

 

 

 こうしてカオスはアローネに止められているにも関わらずクララの押しに負けて多量の酒を摂取してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「(………まぁ俺って実はお酒で酔わないみたいだし思ったより飲みやすいからもう少しだけ飲んでみてもいいかな………。)」

 

 

 飲酒が初めてだったカオスは飲酒をする者がどの程度飲んでからで酔うのか分からなかった。一口飲んでミストの人々のように酔わない自分は酒に強い体質だと錯覚してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 案の定この後カオスは飲みすぎてつぶれてしまった………。

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