テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 入り口 朝 残り期日二十日
クララ「………昨晩はすみませんでした………。
アローネ様には酷いことを言ってしまいました………。
申し訳ありません………。」
アローネ「いいえ、
おかげでカオスが感じていたことを知ることができました。
クララさんから御指摘いただかなければカオスのことを知らないままだったでしょう………。」
昨日カオスが寝ていた部屋にクララがやって来てから一悶着があった。クララがカオス達が発つ前日に昨日のことを計画していたことが分かった。
カオス「…まさかアルターの全員が昨日のことに絡んでいたなんて………。
だからあんなに俺にお酒を勧めてきたんですね。」
アローネ「私にも飲ませて眠らせて事に及ぶ計画たったようですね。
もし次の日に出発する予定が無ければ私もお酒を飲んでしまうところでした。」
アローネ曰く彼女は毒といったものには抗体があるようだが流石に酒類に関しては成人したばかりでウルゴスでも飲む機会が少なく飲んでしまった場合すぐに酔いが回って眠ってしまうとのことだった。
クララ「ウインドラ様やミシガン様がお先に行かれたので好機だと強行しましたが意外な方に止められてしまいましたね。
次はこの失敗を反省してもっと綿密に計画を練って「練らないでいいですから!」」
時間が経てば御互いに昨夜は酒の勢いで行きすぎた発言をしたと謝りあう。事実としてはあの場にいなかったアルターの住人達は事情を知らぬために険悪なムードで送り出されるのは避けたいとのことで先にカオスとアローネとクララの三人で口裏をあわせて昨日はカオスが寝てしまいクララも事に及ぼうとしたが結局寝てしまったという体でアローネとクララの間には少々溝ができてしまったままだ。
ビズリー「巫女様、
何故昨晩はカオス様をものに出来なかったんですか?
巫女様まで酒に潰れて眠っちゃうなんて本末転倒じゃないですか。」
ダズ「カオス様を酔わせるために御自分もお飲みになって一緒に寝ちゃうとか巫女様阿呆じゃないですか。」
クララ「仕方ないでしょう!?
カオス様を酔わせるためには私も飲まなければななかったのですから!
カオス様だけに飲ませて私が飲まないのはどう考えても怪しまれるではないですか!?」
ケニア「…カオス様、
娘もこのように反省しておりますのでどうか昨晩のことは勘弁していただきたく存じます。」
カオス「反省して………るのかなぁ………?」
アローネ「反省するどころか次の機会を窺ってるようなことを申してましたけど………。」
上手く纏めようとクララの父親のケニアがカオスに頭を下げるが当の本人は隣でビズリーとダズの二人と言い争っている。マクベルが言うには確かに女性の方が身分は上のようだがとても仲のいい関係を保てているようだ。
カオス「じゃあそろそろ俺達は「カオス様ッ!!」」
クララ「昨晩の件は本当に大変ご無礼なことをなさいました………。
そのこと深くお詫びいたします……。
差し出がましい真似をしてしまい申し訳ありません。」
いざレアバードに搭乗しようとした瞬間クララが駆け寄ってきて謝罪の言葉を口にする。今度のは本当に反省しているようだった。
カオス「あぁ気にしないで下さい。
俺も気にしていませんし正直クララさんの気持ちは嬉しかったですから。」
クララ「!
では私と「まだ結婚とかは全然考えてないんで!」…残念です………。」
アローネ「クララさん………、
まだカオスはミストを出てから数ヵ月旅をしてきただけなのです。
子供の頃から今に至るまで結婚どころかまともな人付き合いも経験が浅くそういった大事なことを気軽に決められるほど世間を知りません。
どうか彼のことを待っていてあげてください。」
クララ「随分と余裕の態度ですね?
カオス様から好意を寄せられていて優位に立っているおつもりですか?
そんなもの直ぐに私が追い抜くことでしょうね。」
カオス「どうしてそんな喧嘩腰なんですか………。」
アローネ「フフッ…、
愛されていますねカオス。」
カオス「そうなのかな………?
誰かに好きになってもらったことなんて全然無いからどうしていいのか分からないけど………。」
クララ「ありのままに受け取って下さって結構ですよ。
カオス様は私の
カオス「運命の方……ですか………。」
ここまで積極的に好意を向けられたことのないカオスはクララへの対応に困ってしまう。カオスも満更でもないことはないのだが………、
クララ「カオス様………、
世界をお救いになったらどうかまた私のもとへとお越しください。
私は必ずやカオス様が世界をお救いになると信じております。」
カオス「クララさん………。」
アローネ「私達に任せていて下さい。
このデリス=カーラーンは必ず私達の手で守って見せます。」
クララ「えぇ是非お願いします。
…世界を救っていただける救世主様方に見合う何か贈り物があればよかったのですが今のアルターには特に何も………。
ですから本の些細なものですが………。」
クララはカオスの側まで歩み寄る。
カオス「?
クララさ………む!?」
アローネ「………はぁ!!?」
クララはカオスの唇へ自分の唇を重ねた。
クララ「………今はこれが精一杯の贈り物ですね。」
カオス「………」ポカーン
アローネ「なっ、なんてことをしているのですか貴女はぁッ!!!?」
クララ「何ってそれは勿論
アローネ「キス!?
こんな他の人の目がある場でキス!?」
クララ「別に構いませんよね?
カオス様はまだ誰もお相手がいないのですから誰のご迷惑もお掛けしておりません。
今のは私からカオス様への親愛の証です。
カオス様ならいつでもこのアルターへ迎え入れる準備は出来ておりますのでどうかまたアルターへと足お運びになってくださいね?」
アローネ「こっ、こんな破廉恥な巫女のいるところへとカオスを連れて来れるわけないじゃないですか!?
カオスもこんなこと本気に捉えないで下さいね!?」
カオス「………………」
アローネ「………カオス………?」
カオス「…………………どうしよう………、
これって
クララ「?」
アローネ「せっ、責任………?
カオス何を言って「たってキスしちゃったじゃないか………。」」
カオス「俺がクララさんとキスしたってことは………、
………つまり………、
クララさんのお腹の中に俺との子供ができちゃったんじゃないかな………?」
アローネ「………………………………………………………………………………………………………………………………はい?」
カオスはそんな素っ頓狂なこと言い出した。
カオス「だってキスしたってことはさ………?
結婚したってことになるよね………?
そしたら子供だってできるだろうし俺クララさんと一緒になるしか「ちょっ、待ってください!」」
アローネ「話が飛躍しすぎていますよ!
キスで妊娠する筈がないじゃないですか!?
何を仰っているのですかカオス!」
カオス「えぇ……?
違うの………?
だってキスしたんだよ?
キスしたら子供ができるものなんじゃないの?」
アローネ「はぁ?
一体何を………………!」
カオスは十年前の十歳の頃からミストの村から離れた旧ミストで一人でモンスターヴェノムと戦ってきた。生活に必要なことは自然に身に付いていったがそれだとどうしてもそれ以外の知識に偏りが出来てしまう。当然カオスは同じ年代の者達が常識として知っていなければならないことを誰からも教わることはなかった。人の成長過程によって親や回りの大人達から本来教わっていなければならないことはカオスは教わる機会がなかった。
カオスの
アローネ「(えぇ!?
カオスの年齢で子供がどの様にして誕生するのかをご存知無いのですか!?
まさか二十歳になってもキスで子供が出来ると思っているのですか!?
……しっ、信じられません………。
どうしてそんな………あぁでもカオスならそんなある意味奇蹟が起こったとしても………。)」
クララ「………、
………!!
…そっ、そうですカオス様!!
私今のキスでカオス様とのお子を授かりました!!
カオス様は私と結婚していただかなくてはならなくなりました!!」
アローネ「はっ、はぁぁぁ!!?」
カオス「ほらやっぱり………。
クララさんが俺の子供を………。」
これ幸いとクララが妊娠宣言をする。カオスが無知なことに気付き押し通すつもりのようだ。
アローネ「クララさんまで何を言ってるんですか!?
クララさんは子供がどのようにして出来るのかご存知の筈ですよ!
昨夜はカオスにあのような姿で迫ったのですから!!」
カオス「え?
キスで子供が出来るんじゃないの?
クララさん妊娠してないの?
あのような姿?
下着が何か関係あったの?」
アローネ「キスなんかで妊娠することなど「いいえキスで子供が作られることは間違っていませんよ!私は間違いなくカオス様の子を孕んで」孕んでません!!大間違いです!!」
カオス「………なんかよく分からないなぁ………。
じゃあどうやったら子供ってできるの?」
アローネ「それはですね!
………ええっとそのぉ………。」
カオスに子供が生まれる過程を説明しようとするがこればかりはアローネでも言葉に詰まる。普通は調べたり自然とそういう知識をつけていくため必要ない説明なのだが………、
「キスで間違ってませんよ!」「巫女様はにんしきしています!」「キスは結婚………ブフッ!」
アローネとクララの様子を見て村の者達がクララの援護に入る。皆してクララの意見を肯定し始める。
アローネ「いい加減になさい!!!」
その一声で皆静かになった………。