テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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旅路で行き着く故郷の存続は………

ユミルの森 上空 残り期日二十日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「まったく!

 なんて人達ですか!

 住人全員で協力してあのような計画を企てて!

 おまけに皆でカオスのことを騙そうとして!

 あんなの結婚詐欺ではないですか!」

 

 

 レアバードを運転しながらアローネは愚痴を聞かせてくる。

 

 

カオス「うんまぁ………、

 フリンク族よりかはマシなんじゃないの?

 あのアインワルドの人達も変なこと企んでたみたいだけど別に誰かが被害にあったりとかはしてなかったし。」

 

 

アローネ「カオス………、

 被害者とは貴方のことなのですよ?

 そこのところ分かっておいでですか?」

 

 

カオス「いや………でも俺も特に変なことはされてないし被害といえるようなものでも………。」

 

 

アローネ「カオスは甘すぎますよ!

 貴方が本当に納得した上でクララさんと………、

 ………ご結婚なさる覚悟があるのであればよかったのですがそれが得られないとなると私に睡眠薬を飲ませて人払いをしてまで事に至ろうとする。

 あのような事をなさる方々と一緒にいてはカオスも毒されていきますよ。

 結婚というものはもっと慎重になるべきなのです。

 流されるままに結婚してしまえば後々どうなることやら………。

 今の私達の立場はかなり特別なものなのですよ?

 一度はマテオに降伏することを決めたダレイオスを一から立て直してあと一息で完全にダレイオスが再興できる。

 そんな中でダレイオスが再興に至った一番の立役者カオスがアインワルドの巫女と婚姻関係になればアインワルドの位はとても高位なものになります。

 バルツィエを倒した後の世界で政権を握りやすくなるのですよ?

 迂闊にダレイオスの部族の間で優劣を付けるようなことは避けるべきなのです。」

 

 

カオス「そ、そんなことになってたの?」

 

 

 自分が誰かと結婚するだけでそこまでの問題が発生するとは思っていなかったカオス。表面的には自分を慕ってくれる人と結婚するのは魅力的にも思えたがそれの副産物として部族間で軋轢が生まれてしまうことは考えていなかった。

 

 

 

 

 

 

カオス「…だけどそれっていつかは浮き彫りになることじゃないの?

 スラート、ミーア、クリティア、フリンク、アインワルドとブルカーンって六つも部族があるんだから絶対にどこかの部族が戦争後に言ってくるでしょ?

 自分達の部族こそがダレイオスで偉いんだぁ、とか。」

 

 

アローネ「そういうことは当然出てくると思いますよ。

 戦争をするのですから両陣営に少ない犠牲を払うことになります。

 犠牲を払ってまで勝利するのですから勝利したのならそれに見合う成果を得なければなりません。

 そうなると戦後は勝ち取った側が負けた側からの戦利品を配分する話になります。

 そこで部族間でマテオのどこかの場所を納める話になって………。」

 

 

カオス「…今更だけどそうなるようにしてるんだね俺達は………。」

 

 

 マテオとダレイオスの衝突。数ヵ月前までは圧倒的にマテオに歩があったがカオス達のダレイオスでの活動によってダレイオスが叙々に盛り返してきた。カオス達がバルツィエとヴェノムの主を退ける度にダレイオスは再興へと向かっている。

 

 

 それは言ってしまえばカオスが故郷であるミストのある国を打ち負かそうとしているのだ。

 

 

カオス「………本当に戦争が始まるんだな………。

 そしてそれに勝ったらマテオは………。」

 

 

アローネ「?

 何か気になることでも………。」

 

 

カオス「………戦争が始まって勝ったら………、

 

 

 ………ミストはどうなるのかな………。」

 

 

アローネ「………」

 

 

 その質問にアローネは直ぐに答えなかった。カオスが想像したことはミストに待ち受ける未来はマテオが勝つにしろダレイオスが勝つにしろよくない結末を迎えるのではないか。マテオが勝てばミストは要塞を建設されダレイオスが勝てばどこかしらの部族に分割配分される。いずれにしろミストがどうにかなってしまうことには変わらない。

 

 

 カオスはミストの住人達のことは嫌いだ。住人達を嫌ってはいるがミストという村については別の感情を抱いている。あそこは嫌な思い出もあるが亡き祖父と暮らしていた村だ。あの村が変わってしまうということは祖父との思い出も無くなってしまうのではないかとそんな不安に駆られる。例え戦争が終わったとしてもミストという村の形だけは残しておきたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「安心してくださいカオス。

 ミストの平和は私が守ります。

 全ての部族が揃った席で私がマテオの国民の人達には危害を加えないように言います。

 倒すべきはバルツィエだけなのですから。」

 

 

カオス「…そんなことできるの………?」

 

 

アローネ「私もカオスもマテオの様子を拝見したではないですか。

 マテオですらバルツィエと国民との間に深い亀裂があったことは明確です。

 もし開戦したとしたらマテオ国民はバルツィエの命令には従わないでしょう。

 それどころか私達に加勢する筈です。

 マテオの国民達の間でもバルツィエに世界を支配されるよりかはダレイオスに戦争で勝ってほしいとの声が上がっていました。

 戦争が始まればあちらの国民もダレイオス側陣営に組み込まれます。

 と言うことはダレイオスの同志として扱われるでしょう。

 ですからダレイオス側の人々がミストの村を荒らすような真似はしない筈です。」

 

 

カオス「そうなるの………?

 ………そう………できるの………?」

 

 

アローネ「確約はできませんがバルツィエがダレイオスに仕掛けてくる前に一度マテオに戻りそうなるように国民の方々だけに話を通しておく必要がありますね。

 あのファンクラブの方々に話が伝わりさえすれば国中に私達の味方についてくださる方が大勢現れるでしょう。

 騎士の方の中にもバルツィエを快く思っていない方もいるようなのでミストにもこの話が伝わっていくと思います。

 

 

 そうなればミストも戦勝国ダレイオス陣営として数えられミストが蹂躙されるような事態は避けられます。」

 

 

カオス「………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………よかった………。

 ミストはマテオに勝っても残り続けるんだね………。」

 

 

アローネ「えぇ……何も心配することはありませんよ。

 カオスの故郷はいつまでも存続することでしょう。」

 

 

カオス「うん………、

 ミシガンやウインドラもミストに帰れるんだ………。

 ずっと後になるだろうけど二人がミストに帰れるなら何も考えずにバルツィエに勝つだけなんだね。」

 

 

アローネ「その通りです。

 必ず私達の手でダレイオスを勝利に導きましょう。

 その前にマクスウェルから世界を守ることが先になるでしょうけど。」

 

 

カオス「そうだね。

 そのためにも最後のヴェノムの主レッドドラゴンを俺達の手で絶対に倒そう。」

 

 

アローネ「フフフッ、その粋です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦争で敗北すれば敗北した国は勝利した国に支配される。しかしカオス達が直面している戦争は国と国の争いではなく両国の国民達と一部の家の戦いだ。カオス達が参戦していなければバルツィエが世界を手にしていたことだろう。

 

 

 それももうすぐその関係が逆転し国民達がバルツィエに勝とうとしている。それならばミストを蹂躙する者はいなくなる。カオスはそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………この時既にミストはこの世界から存在を消していた………。

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