テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ハイス草原 夜 残り期日二十日
カオス「ウインドラ達はもうブルカーン族のところにいるのかな………。」
アローネ「皆のことが気になりますか?」
カオス「…そりゃあね。
十日も待たせちゃった訳だし………。」
朝方アルターを出発してレアバードで空を移動しカオスとアローネの二人はユミルの森を抜けて次なる旅の目的地ブルカーン族が住まう地方の手前辺りまで来ていた。ウインドラ達と別れて十日と一日が過ぎその間に彼等はカオス達を残してヴェノムの主レッドドラゴンを討伐しに向かった。レッドドラゴンとは一度だけ同じヴェノムの主カイメラの変身形態の一つとして戦ったことがある。その際はバルツィエの一人ダインと協力して倒すことができた。レッドドラゴンは現代で地上最強と噂される強さを持つがカオス達はそれを上回る程の力を持ったカイメラとアンセスターセンチュリオンとの戦いを経験住みだ。カオスとアローネと合流する前に戦闘になったとしてもウインドラ達なら何か作戦を考えて挑むことだろう。それかカオスとアローネの合流を待つことにしているかだが………、
そんなことよりもカオスの頭の中にはあることが引っ掛かっていた。
カオス「………精霊イフリート………。」
アローネ「?」
カオス「…ラタトスクは今ダレイオスには精霊が俺に憑依しているマクスウェルとシルフしかいないって言ってた………。
イフリートはこの世界にいるみたいだけど今はダレイオスじゃなくてマテオにいる可能性が高いって話だけどじゃあブルカーンのところで精霊イフリートを名乗っているのは何者なんだろう………。
そのイフリートがブルカーン族に命令してフリンク族に生け贄を要求していた………。
………生け贄って何が目的でそんなものが必要になるんだ………?」
アローネ「生け贄と言うぐらいですから………何か儀式のようなものに使うのかと………。」
カオス「儀式?」
アローネ「…今でこそ世界中に魔術は普及されていますが一昔前のエルフの社会では魔術自体は禁忌とされていた術なのです。
術を使えば生命はマナを消費します。
マナが著しく減少すれば命に関わります。
本来は魔術はそう滅多に使ってはならないものなのですよ。」
カオス「それが何でこんなに世界に出回るようになったの?
そんな危険なものだったら使わない方がいいと思うけど………。」
アローネ「……禁じられていても使わざるをえない状況に陥ったからでしょう。
魔術を使わなければ生き残ることができないそんな時代が来てしまって………。」
カオス「それって………。」
アローネ「………はい………、
戦争ですよ。
争いが始まれば嫌でも武器を取って戦わなければならない。
魔術を使わなくとも命の危険に脅かされるのであれば魔術を使ってでも生き延びる、そうした考えがエルフ達の間に広まりました。
そして一般に使われる魔術を使用しても向かってくる敵に敵わなくなってくる、ならばどうすればいいのか………、
そこで思い付くのが
生け贄はその新魔術の開発の材料にするのでしょう。」
カオス「材料………?
どういうこと?」
アローネ「魔術の種類には攻撃魔術や治療術といった一般的なものがありますよね?
でもその他にも
カオス「あぁ…、
それって確かアローネを見つけた時にもアローネが入ってたあの箱にも書いてあった模様のことだよね?」
アローネ「はい、
あれが術式です。
そして実は術式はカオスが装備しているそのアオスブルフにも刻まれています。」
アローネはカオスの剣に装着しているアオスブルフを指してそう言う。
カオス「これにも?」
アローネ「世間で流通しているマジックアイテムは全て術式が施されています。
術式を刻まれたアイテムは刻まれていないアイテムと比べてマナの流動率が上昇します。
私のエルブンシンボルにも術式が付与されていてこれらの装備品には
カオス「そうだったの?
術式ってそういう命令みたいなのを彫ってあったんだなぁ。」
アローネ「マジックアイテムの術式については基本的に戦闘に役立つ命令のものが彫られています。
マナを多く集めたりするものやマナを拡散したりあるいは留めていたりで今の技術では一つのものに単純な一つの命令しか付与できませんけどそれだけでもかなりの戦力の増強は見込めますね。」
カオス「ふぅん?
けどそれと生け贄に何の関係が?」
術式があれば武器や備品に色々な命令を下せることは理解できた。だがそれがイフリートが生け贄を欲する理由に結び付かない。術式と生け贄にどのような因果関係があるとアローネは踏んでいるのだろうか。
アローネ「昔の偉人は魔術を発見する際自然エネルギーにマナを干渉させて微かな精霊の存在を便りに攻撃魔術や術式を完成させました。
魔術の発展にはマナを精霊へと送る過程は絶対です。
偉人達はそれはもう命を磨り減らす程のマナを精霊へと渡しました。
………しかし一人の力ではマナにも限界がある。
マナをいくら送り込もうと精霊が判を押す量には中々届くことはないのです。
………だから
カオス「!?」
アローネ「新術の実験開発は命懸けです。
新術を編み出そうとする方が力を使い果たしてしまえば新術は誰に伝える間もなく開発者は息絶えます。
なので代わりの誰かのマナと引き換えに新術を開発しようとする人々が出始めたのです。」
カオス「そんな酷いこと誰が………。」
アローネ「誰と絞ることなどできません。
このやり方は不特定多数の人に試されました。
後にこの術式を使用しての魔術開発は禁止されましたが密かに使い続ける人もいて検挙される罪人は跡を絶ちませんでした。
実験に使われる人がハーフエルフだったこともあって王国もそこまで強くは取り締まることもなく………。」
カオス「ハーフエルフの人達が大勢殺されたんだね………?」
アローネ「………残念ながら………。」
カオス「…そしたらイフリートが生け贄を集めている訳ってその実験をしようとしてるってことなのかな………?」
アローネ「私にはそうとしか考えられません。
ブルカーンの民を先導して生け贄を欲しがるくらいなのですからイフリートとは何か新たな術を開発しようとしているのだと思います。
もしそうでない場合なら生け贄を必要とすることと言えば………、
何かしらの神様にお供えするためのものとしか私は心当たりがありませんね………。」
??????
『………カンジルゾ………。』
?????「どうされたのですか?」
?????『カンジルノダ。
コノチヘトムカウツヨキモノノチカラヲ………。
コナタガ
?????「!
ではすぐにでも…!」
?????『ウム……、
スミヤカニツレテコイ。
ヤツハナントウノホウニイル。
センジツノヤツラハホウッテオケ。
アンナコモノドモナドヨリモウマソウダ。』
?????「畏まりました!!」タタタッ!
?????『コノエモノハノガステハナイ………。
コヤツノチカラサエコナタノモノトナレバ………、
コノチジョウニハビコルウゾウムゾウノムシケラドモヲケチラシテコナタガスベテノチョウテンヘトタツノダ!
コノ“イフリート”ガナァッ!!!!』フシュルルルルルルル………