テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ローダーン火山 中間部 残り期日十九日
カオス「……何でそうなるんだよ………。
俺だってレッドドラゴンと………。」
アローネ「剣技も魔神もまともに発動できないのにそれでどう戦うと言うのですか?
相手はヴェノムウイルスで力も強くなっているギガントモンスターなのですよ?
マナを使わずに倒せる相手ではありません。
カイメラの時はカオスだって魔術を駆使して戦っても苦戦していたではないですか。」
カオス「だけだもうここまで来たのに引き返すなんて………。」
アローネ「カオスをお連れしたのはあのままアルターにいては魔力機能障害が侵攻してしまうと思ったからです。
あそこにはマナを生み出す世界樹カーラーンがありましたからあの近くにカオスが留まるのは魔力機能障害を促進させる恐れがありました。
だから私はカオスが目覚めるのを待ち続けたのです。」
カオス「………だけど………。」
最後のヴェノムの主レッドドラゴンとの決戦直前にまさかのアローネから戦力外通告を受けてしまったカオス。彼女は意地悪で通告しているのではないことは分かっているがそれでも納得ができない。ここまで来て引き返すことはカオスには………、
ザッザッザッ………。
カオス・アローネ「「!」」
カオスとアローネがそんな話をしていると前方から誰かが近付いてくる足音が聞こえてきた。その足音は真っ直ぐこちらへと向かってくる。
カオス「…こんなところに人………?
………ウインドラ達かな?」
アローネ「………いえ、
ウインドラ達では無いでしょう。
足音が一つしか聞こえません。」
耳を澄ませて聞いてみると接近してくる者の人数は一人だけだと分かる。ウインドラ達はではなさそうだ。
では誰がここへ………?
ザッザッザッ………、
足音が止まる。現れたのは短剣を持った男だった。男はカオス達を一瞥すると、
?????「お前達!
この地へ何をしに訪れた!
これより先は我らブルカーンが統治する街“シュメルツェン”だ!
我らブルカーン以外の立ち入りは不法侵入とみなし即刻排除する!」
男はそう宣言してから短剣を構える。カオス達を倒すべき敵と判断したようだ。
アローネ「お待ちください!
私達は貴殿方ブルカーン族の敵ではありません!
私達は貴殿方の力になりにここへと訪れたのです!」
?????「………何?」
カオス「俺達は怪しい者じゃありません!
ここへ来たのはこの地方のヴェノムの主を倒しに来たんです!
ヴェノムの主を倒してブルカーン族をヴェノムの脅威から解放するために!」
?????「………主を倒すだと………?
そんなことできる訳がなかろう!!
出鱈目を言うんじゃない!!」
男はカオス達の言葉に耳を貸す気はないらしい。少しずつ距離を詰めてくる。
アローネ「出鱈目ではありません!
私達は既にこの地にいるというヴェノムの主レッドドラゴン以外の主を全て倒してきました!!
後はここを残すだけです!
レッドドラゴンを討伐次第この地を離れますのでどうかこの場は武器を収めてもらえますか!?」
?????「お前達が他の所のヴェノムの主を………?
………………それは本当か?」
カオス「事実です。
俺達はダレイオスをまた一つにするためにヴェノムの主を倒して回ってたんです。
もう一度ダレイオスを統一できればマテオと力関係を振り出しに戻すことができる。
そして今度こそこの長い戦争を終わらせられるんです。」
?????「………確かにマテオの奴等を潰すにはダレイオスが再び一つにするのは必要不可欠だろう。
それには賛成だ。」
アローネ「!
でしたら私達に協力して「だがな!!」」
?????「ダレイオスを一つの国に戻すのは俺達ブルカーンだ!!
他の部族達は俺達ブルカーンに隷属してもらう!!
ブルカーンこそがダレイオスの支配者に相応しいんだからな!!
貴様らは余計なことはしなくていい!!」
男は猛々しくカオス達を威圧する。
アローネ「ブルカーンがダレイオスの統合を………?
………ですが今はスラート族やクリティア族、ミーア族、フリンク族、アインワルド族が一丸となってマテオとの大戦に備えています。
そんな状勢だというのにどうやって彼等を従えさせるおつもりですか?」
九部族の内の五部族がマテオと戦争するために体勢を整えている。そこにブルカーンが合流して五部族を支配下に置くことなど余程力関係が優位になければなし得ないことだ。ましてや五部族の中にはかつてブルカーンよりも力を持っていたスラートがいる。一対五の時点でも不利だというのにブルカーンよりも強いスラートが多勢側にいたのではこの男の言葉はただの妄言にしかならない。
しかし男は………、
?????「ブルカーンの力を甘く見るなよ?
俺達には今やスラートもバルツィエすらも恐るるに足らん。
俺達ブルカーンには精霊イフリート様がついているんだ。
イフリート様のお力があればダレイオスと言わずマテオも………デリス=カーラーン全てがブルカーンの手中に治まるのだ!!」
ブルカーンの男はそんな穏やかではないことを叫ぶ。まるで本当に世界へと単独で戦争をけしかけて勝利するかのようだ。
アローネ「……そのイフリートという人は一体何者なのですか?
何故その方はフリンク族から住民を拉致して生贄になど捧げようとするのですか?
その方がどれ程の力をお持ちなのかは知りませんがたった一つの部族と個人の力だけで世界を手にするのはそう容易いことではありませんよ。」
ここまで謎の精霊イフリートを過剰に心酔する男を見てアローネが現実的にそれを否定する。
?????「…貴様ら………、
ここへはヴェノムの主を倒しにやって来たと言ってたな………?
もし貴様らが本気でヴェノムの主を倒しに来たというのであれば………、
貴様らはブルカーンの敵だ!!
貴様らを生かして返すわけにはいかない!!」ダッ!
ブルカーンの男が短剣を振りかぶって突撃してきた。
ガキィィンッ!!!
カオス「…!!
………何をするんですか。
俺達はヴェノムの主と戦うと言っただけじゃないですか。」
男の短剣を剣で受け止めたカオスが男に問う。男はヴェノムの主を倒しに来たカオス達を敵だと言った。何故ヴェノムの主を倒してはならないのか。
?????「ふざけるな!!
そんなことさせてたまるか!!
貴様らは我ら
貴様らをイフリート様に生かしてまま会わせるわけにはいかないんだよ!!」
アローネ「イフリート………!?
私達の相手はヴェノムの主であってイフリートでは………、
!?
もしやイフリートというのは………!?」
?????「ここまで言えば分かるだろう!!
貴様らが倒しに来たヴェノムの主とは……!!
我らブルカーンを導く存在!!
イフリート様のことだ!!
イフリート様は最悪のウイルスヴェノムにその身を侵されはしたが逆にウイルスを取り込んで新たな種へと進化した!!
そう!!
イフリート様は完全なる精霊へと進化を果たしたのだ!!
精霊イフリート様のお力があればこの世界に我らブルカーンに敵う敵などいはしない!!
全世界の愚かな他人族は全てイフリート様の貴重な食料として有効活用させてもらう!!
手始めに貴様らからイフリート様へ捧げる供物としてやる!!」