テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 騎士を目指す少年カオスは因縁の相手ザックに決闘を挑む。

 カオスは後一手というところまで追い詰めるがザックの反撃を許してしまいそして、


因縁の終わり

 急激に辺りが冷え、体が震えだすほどに寒くなる。時間を与えすぎたか?これまでの鬱憤がたまっていたせいで少々長話しすぎたらしい。いつでも避けられる体勢をとっていたのに僕はどうなったんだ。

 

 目を開けるとそこには下半身を氷付けにされた僕と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じく凍り付いたザックの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!!」ハァーッ、ハァーッ!!

 

「何してんだお前、これじゃぁお前も動けないじゃないか!」

 

「黙れッ!………これでッ……い、いんだよ!」ハァーッ!

 

 息絶え絶えだが大丈夫か?もう降参して帰った方がいいんじゃないか?僕も体が冷たいし終わりにしたいんだが。

 

 まさかこのタイミングで氷の魔術が来るとはな。上下左右に避けても当たるわけだ。コイツはザックの回りを中心に凍り付いてるようだ。

 自分を巻き込む形でなら当たるとふんで放ったのだろう。ザックにそんな度胸があったとは。

 

「この状態なら……ハァッ、…………………確実に次が当たる!」ハッハッハッ!

 

「!!!」

 

「残念だったなぁ!!…次で、、、止めの3撃目だぁっ!!!次は詠唱かけて終わりにしてやるよ!」ハァッ

 

 マズイ!ただでさえ先程の氷が大分体にきてるのに次の1撃を詠唱込みの増幅した威力で放たれたら耐えきれるか分からない!

 

「そんなことしたらお前まで被爆するぞ!?」

 

「お前よりかは魔術耐性は高いつもりだァ!!既に2回耐えきってるお前は終わりだが俺はある程度は我慢できる筈だ!」

 

 筈だ!つって試したことねぇのかよ!?だがある意味説得力はある。

 

「クソッ!!そんなことォ!させるかァァァァ!」ブンブンッ!!

 

 僕は角材をザックに振り回す。……

 

 ブン!ブンッ!

 

 角材は空しくも空を斬るばかり。後数センチが届かない!!

 

 

 

「!!だったら!!!!」

 

 僕は持っていた角材をおもいっきり振りかぶりそして

 

 

 

 

「オラァァァァァァッッッ!!!!」ブオォンッッ!

 

 

 

 

 ザックに向けて投擲した。

 

 

 

 

 

 

 

「ヒッ!?!???!」

 

 ザックは僕の勢いにビビって避ける体勢をとろうとするが僕と同じで下半身が凍っていて動かないので上半身をほんの少し屈めるしかできなかった。

 

 おいおい、その程度でこの距離から放たれる角材をどう避けるっていうんだい?さっさッと降参しておかないから痛い目に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 フルフルフルフルフル、ッコン!コッコッコッ、カラン………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「」

 

「」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………やッべェ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この状況で外してもうた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだ、何故今この距離で外れたんだ!?身動きとれなかったからか?寒さで手の力の入れ具合を計算出来なかったか?焦ってすっぽ抜けたのか?もしかしてコイツまだ11発目の魔術が残ってたとか?風の魔術ウインドカッターならあるいは…

 

 

 

 

 

「フッフッフ、ウハッハッハッハハハハハハ!!!」

 

 唐突にザックが笑いだす。やっぱりお前が何かして

 

「せっかくの攻撃出来るチャンスを放り投げるとはなぁ!とんだお人好しだぜお前は!!それともただのバカかぁ?そういえばお前が弓でマトモに当ててるところ見たことないぜ!?お前、この距離ですらノーコンなんだな!!」

 

 

 

 

 

 

 外した原因は僕だった。

 悪いねザック。お前が何かしたのかと思ったよ、日頃の行いだな。

 

 そういえば僕は遠くにあるものに対して弓でもボールでも当てられた記憶がない。

 自分でもノーコンだとは思ってたがまさか、この土壇場で1メートルもある角材を2メートル程離れた相手にぶつけることが出来ないほどのノーコンだったとは!

 ザック、君のおかげで新しい自分を見つけることが出来たよ!ピンチにピンチの拍車がかかる訳だけど!

 さて考えろ!この動けない状況下でどう切り抜ける!武器は………そういえば今日は……。

 なんて考えてる間にザックが

 

 

 

 

 

 

「『火炎よ、我が手となりて敵を焼き尽くせ…』」ニヤァ

 

 

 

 

 

 

 勝利を確信して詠唱を始める。もう時間はないようだ。だったら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶっ飛べ!!ファイヤーボール!!!」カッ

 

 

 

ドゴォォォォォォォオォ!!!!

 

 

 

 直後、火の魔術の爆発によって僕達は吹き飛ばされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」グッタリ

 

 

「…」ハァッ…ハァッ

 

 

 爆発に吹き飛ばされて地面を転がる2人は。

 かたや沈黙かたや息も上がっているが意識はある。この決闘の結果が決まったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ、ハァッ!!」スクッ

 

 

 

 立ったのは…………ザックだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、…………クッククククク、ハァッ、ハァッ、」

 

 マナの減少に呼吸もままならないが勝利を確信してザックが笑う。

 

「ハァッ、ハァッ、フックククク、アッハッハッハッハッ!!!何が決闘だ!!何が都合がいいだ!!結局いつものザマじゃねぇかァ!アッハッハッハッハッッハッハッハッハッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるせぇよ……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」ビクッ

 

 ザックが驚愕の表情を浮かべて声の方向を凝視する。そこには

 

 

 

 

 

 

「何…勘違いしてんだ?……まだ終わってねぇぞ……。」

 

 

 

 

 

 

 予測された3撃目を耐えた自らの敵が立ち上がる姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で、何で…何で立てるんだよ!!今のは確実に入ってたろ!?いったい何しやがったんだ!出来損ないのお前がファイヤーボールをッ……!!?」ゴホッゴホッゴホッ

 

 驚愕過ぎて自分がどういう状況か忘れていたらしい。このままだとマナ欠乏症で倒れるんだぞ?ちゃんと脳にも酸素送ってやれよ。

 

 

「いったいどうして!?」ハァッハァッ

 

「さぁなぁ?戦闘中にワザワザ偉そうに自己解説して痛い目見るのはさっきので、懲りたからかな!!!」ダッ

 

「!!!」ハァッハァッ

 

 僕はザックに向けて走り出す。

 休む時間は与えない、こっちだってもう足の感覚が無くなってきてる。マナを回復される前にここで勝負を決める!!

 正直身体中がヒドイ痛みで今にも崩れそうだ。だが今日この1回を逃したら次はもっと勝ちにくいものになるだろう。だから今日だけは死んでも止まらない!

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!!」ダダダダダッ!

 

 

「待っ、待てェッ!!!来るなぁ!!」ハァッハァッ

 

 爆風に飛ばされて空いた距離が再び縮まる。

 

 

 

 

 

「終わりだぁ!ザックゥゥゥ!!!」ダダダダダ!

 

 接敵まで後5メートル。

 

「うっうわぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんてなwライトニングッ!!」ハァッハァッ、ピカッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう来ると思ってたよ。」

 

 僕はとっさに持っていた角材を地面に突き刺し、体勢を角材よりも低くして転がる。ザックが最後の秘策にとっておいた雷の魔術は

 

 

 角材に命中していた。

 

 

 

 

 

 

「なっ!!??」ブハァッ

 

 

 信じられないものを見たという顔をするザック。それもそうだろう。

 まさか武器と思っていた角材を避雷針にして避けるとは思うまい。最初からこのつもりだったんだよ。

 

 ザックとの今までのこともあって僕はコイツが使える魔術を知っていた。アイシクルは想定外だったが。

 今日の決闘でザックは地水火風氷雷の攻撃魔術をどれも使える事が分かった。流石にガキ大将やってるだけあって優秀だなぁ。

 村でも全部使える子供なんてウインドラくらいだと思ってたわ。

 

 だけどウインドラに比べてザックはただ使える魔術をただ放つだけのお粗末な戦い方だ。だからこんなふうに魔術の弱点を突かれる。

 これがウインドラだったらもう少し工夫して僕に勝つだろう。

 本気の勝負じゃウインドラにはかなわない。けどコイツには

 

 

「……ッ!!!……!??」アフッ!ブホォッ!

 

 渾身の12撃目を無効化され慌てふためくザックは次の魔術を放とうとするも欠乏症による不調で声が出せない状態だ。自業自得のサイレンスと言うわけだ。僕は躊躇なくその

 

 

 

 

「フッ!」ガッ!

 

 

「ハガッ!!?」

 

 

 

 ザックの喉に手をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハガッ、アアッ!ハァッ、フッハッ!!」ジタバタ!!

 

 ザックが必死にもがく。

 だがもがいたところで僕のホールドは解けない。もとより子供とはいえ筋力差があるのだ。

 日頃木刀や鉈を本気で振り回す僕だ。畑仕事をテキトウにこなして僕をおちょくりに来るザックとでは軍配はこちらに上がって当然だろう。

 

「どうしたの?またこっちが優勢みたいだけど?」

 

「ヒッヒッヒッ!!」

 

 答えるどころではないようだ。そりゃそうか喉を握られてるんだもんなぁ。

 

「フッハッフッ!!」ガスッガスッ!

 

 抵抗のつもりなのか、ザックが蹴りを入れてくる。

 

「……苦しそうだなザック?それがお前の自慢の魔法か?」

 

「!!?」ガスッガスッガスッガスッ

 

 おじいちゃんに木刀で斬り飛ばされたり魔術で、吹き飛ばされたりして鍛えられてる僕にとってその蹴りは何の妨げにもならない。

 

「常日頃散々カモにしている騎士が目の前にいるんだぞ?カモらなくていいのか?」

 

 初めてここまで追い詰めたことに調子付いて嫌味なセリフが出てくる。おっとここにはミシガンもいるんだった。

 

「ハガガガッ!!!」

 

 そろそろ限界が近いのかザックはツバを吐き出しながら白目を剥きそうであった。ツバが手にかかって汚いな。ではそろそろ、

 

 

 

 

 

 

 

「これで、……お仕舞いだァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」ダダンッ!!

 

「ボハァッ!!!」ゲフッ!

 

 そのままザックを地面に思いっきり叩きつける。

 後頭部を打ち付けてザックは気を失う。今辺りどころが不安だったが多分大丈夫だろう多分。

 

「」ピクピク

 

 うん、生きてる大丈夫!早くこの場を去らなければ!

 

 

 

 

 

「終わったのぉ~?」トテトテ

 

 そう言ってミシガンが近寄ってくる。はい、終わりましたよ。貴女のための勝利です!

 

「じゃぁ、ハーストエードかけるぅ?」

 

 おおぅ、そういえばミシガンは治療魔術使えるんだった。いつもケガしても放置してるから気が付かんかった。

 ゴメンねミシガン、ケガしないとか言っておきながら結局傷だらけになっちゃったよ。

 

「あァ、うんお願いしてもいいかなぁ?」ニコニコ

 

 実はもう立ってるだけで限界。膝が1ミリも動かないんだよね。有り難うミシガン。君は僕が必要とするときに現れる女神様だったんだね。

 

「じゃぁ、ハース…」

 

「ちょい待ったァ!」

 

「またなのぉ?」

 

「ゴメンねミシガンちゃん、でもその前に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからミシガンに治療魔術をかけてもらい傷を治してもらった。あとついでにザックも

 

 

 手足を後ろに縛り上げてから。

 

「…んんん?」

 

 気が付いたようだ。目を開けて辺りを見てから自分の動けない状況を確認する。

 

「……そうか負けたのかよ、クズがぁっ」

 

 それは僕にではなく自分に言い聞かせているようだった。

 

「で?これからどうするんだ?もうチョッカイかけてくんなって約束すりゃいいのか?それとも俺をボコ殴りにすんのか?それかこのまま俺を引き摺って村中に俺をやったアピールでもすんのか?」

 

 

 

 

 

 

 ………その手があったか!

 勢いで決闘組んじゃったから最初の約束くらいしか考えてなかったけどそんな魅力的な案があったなんてなぁぐへへへへっ!そんじゃあさっそく積年の怨みをぉ……。

 

 

 

「そんなことしないよぉ?」キョトン

 

 

 

 はい、しません!代わりにミシガンが答えちゃったよ!?どうしてぇ?

 

「カオスくんはねぇ…!騎士になりたいんだよ?だからァ終わったら笑って握手の有り難うなんだよ?そうだよねカオスくん。」

 

 

 

 

 ………そうだったな。この決闘ももとはただ僕に対しての扱いの改善を謀ってのことだしな。それ以上を求めるのは無しにしておこう。

 今はまだ騎士ではないけどいつか成れたときに胸張って自慢できる過去にしとこう。

 今のうちから腐ってたらまともな大人になれないしな。

 

「フフッ!そうだねミシガンちゃん。ザック、僕はただお前に今後関わってこなければこれ以上なにも入らない。どうだ?」

 

「ハハッ!アマちゃんだなぁ本当に良いのかよ!?それで!」

 

 コイツ、この場面で挑発かよ。もしそれにコッチが乗ってきたらお前は今からボロ雑巾にされたあげく村中引きずり回されてからモンスターのエサにして世界の食物連鎖の環に循環させるとこだぞ?それがお望みか?

 

「いいんだよ!この決闘では絶交するのが目的だしな。もう近づいてくんなよ?」

 

「それを俺が守ると「守るしかないだろ?」?」

 

 またもや僕は被せていう。

 

「お~い、ミシガンちゃん!今までの決闘見てたよね~?ザックが決闘前に言った漢と男の約束を破ろうとするんだ!どう思う?(おちゃらけて)」

 

「!?(焦り)」

 

「守らないのぉ?(小動物ふうに)」

 

「グゥゥッ!(困惑)」

 

「いやぁ~酷いなぁ!こんなボロボロになるまでやったのに終わった後に無かったことにされるなんて、いや全く酷いなぁ~?(嬉しそうに)」

 

「ザックくんヒドイ?(悲哀顔)」

 

「うんひどいひどい(満面の笑顔)」

 

「うぐぅぅぅぅ!!!(鬼の形相)」ダンダンダンダンッ

 

 そうだ、コイツも先程までの流れでミシガンにホノジなのは間違いない。僕と同じだ。

 ミシガンの前ではかっこつけたい思春期少年その2だ!

 正直ミシガンを利用するようで心が痛いですはい。けど恋敵に手加減は出来ねぇ!

 生命的には止めはさせなくても青春的には貴様にあの世に行ってもらおう!

 

 

「アレアレ~?もしかしてザックくんはこの程度の約束も出来ないお子様なのかなぁ~?(悪党顔)」

 

「ザックくんお子さまなのぉ?」

 

「」プルプル

 

「ザックくん~?」

 

「?」

 

「分かったよ…」ボソッ

 

 おっ、ようやく返事が来たぜ!

 

「え!!何だって!!!聞こえないんだけどぉぉぉ!!!!」

 

「分かったッ!つってんだろ!!約束してやるよ!もうお前なんか相手にしないってよぉ!!これでいいんだろぉっ!」

 

 よし、これで当初の予定通りだ。

 

「ハハッ!やったね!ミシガンちゃん!ザックくん約束を守ってくれるみたいだよ!」

 

「やったやったぁ。」

 

 僕と一緒に喜ぶミシガン、多分よく分かってないんだろうなぁこの約束の内容。

 

「……!」キッ

 

 それを見て睨み付けてくるザックくん(笑)。お疲れさまでした~!さて終止符だな。

 

「じゃぁ、ミシガンちゃん今日帰ったらお父さんに今の決闘のことを詳しく話してごらんよ?」

 

「お父さんにぃ~?」キョトン

 

「は?」

 

 ザックが何を言い出すんだコイツという顔だ。

 

「いやぁ~素晴らしいものだったなぁ~、漢(自分)と男(ザック)がお互いの負けられないもののために死力を尽くして戦いあう決闘劇!」

 

「ワァォ…。」

 

「お互いに熱くなる戦いに持てる力全て出しきり得た結果!2人の間には熱くかたい絆と友情が結ばれて芽生える友情!!」

 

「ホォォァッ…」

 

「『お前の気持ち確かに受け取ったぜ!』ザックくんはそう言って誓いあった約束を胸に刻み2人は別々の方向へと足を「そんなこと言ってねぇぇぇぇ!!!!」。」

 

 なんだよまた横槍入れんなっつーの。せっかくミシガンが

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァァァ……」キラキラキラ

 

 恍惚の表情を浮かべて聴いているのに。

 

 

 

 

 

 

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