テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リーゾアナ海にてクエストを終わらせた三人はカストルへと戻る。
そこで漆黒の翼とワルディーの四人に絡まれてしまう。
安らぎの街カストル 裏路地
「こんなもんだろ。」
「ほとんどカオスさんが痛め付け………倒しましたね。」
「「「「や…やられたぁ………。」」」」
「さて、俺達が勝ったんだから何かいただかないとね。」
「「「「!?」」」」
「ワクチンを奪おうとしてきたんだから奪われる覚悟くらいしてきてるよね?」
「(ワクチンなんて持ってませんけどね。)」
「お、おれは何も持ってねぇよ!?
そ、そうこのフォースリングなんてそんな値打ちもんじゃねぇし!?」
「俺様のリフレクトリングなんて属性を半減するだけだぞ!?」
「俺が嵌めているフェアリィリングはただマナの消費を抑えられる程度のもんなんだよ!?」
「止めろ!このパラディンマントを剥ぎ取られたらその下はぁ!!?」
「盗人が盗まれるとは思わなかったの?」
「(なんで自分からそんなことを言っちゃうんだろう。)」
「よ、よせ!?
何か別のものとか、ほら耳寄りな情報とかなら教えてやってもいいぜ!?」
「耳寄りな情報?
どんな?」
「王都の消えた貴族達の隠し財産の在りかを示した地図の在りかとか、大怪盗カリスの盗み出した盗品があったと思われる廃墟とか、海賊王アイフリードの亡霊船が現れる海の海域とか!!」
「どれも曖昧だし俺達には必要ない情報だね。」
「素直に装飾品を頂戴しましょうか。」
「待て待て待て!?
真面目に!次は真面目に言うから!!
速報だぜ!?
この街にも関係してることだ!
明日新しい指名手配犯が張り出されるんだ!
懸賞金一千万ガルドの大物の旨い話が!!」
「「!」」
「何でも騎士団だけじゃなくバルツィエの連中も動き出すほどの凶悪犯でソイツがこの付近に潜伏しているらしいんだ!
一千万ガルドだぞ!?
そうそうこんな高額な奴がこの近くに潜んでるなんて誰も思わねぇだろ!?
嘘じゃねぇからな!?
さっき捕まってたときに騎士の奴等が話してるのを聞いたんだ!」
「指名手配!?………だけど………。」
「お二人のお話ではそこまで高くつくとは思えません。
お二人とは別の人でしょう。」
「ちょっと小突いただけだしそんな凶悪犯なんて言われるほどじゃあ………。」
「それでその指名手配犯はなんて名前なんですか?」
「確かカオスなんとかとアロなんとかの二人組だ!」
「……」
「はぁ………、なんでそんなに高いんだよ(汗)」
「ソイツらを捕まえればおれ達のこんな指輪なんていくらでも買えるぜ!?
なぁ、おれ達で先にソイツらを捕まえねぇか?」
「簡単に言ってるけどその人の顔とか分かってる?」
「顔は分からねぇがおれ達が手を組めばそんな凶悪犯直ぐに捕まえて懸賞金もがっぽりだ!
このギルドランク四のおれ様が特別にお前らを手下に加えてやるよ!
悪い話じゃねぇだろ!?」
「どこにそんな自信が………。」
「行き当たりばったりとはまさにこのこと…。」
「この有り様で随分と上から目線だな。」
「しかももう捕まえたつもりでいますよ。」
「ていうか負けたのにボスの座は自分なんだね。」
「この時代情報が早い奴が勝つんだ!
今からソイツを探し始めれば絶対におれ達が捕まえられる!
だからこの指輪だけは勘弁してくれよ!?
この指輪手に入れるのに何人から金を巻き上げたと思ってんだよ!?」
「………情報有り難う。
おかげさまで助かったよ。
急ぐ用事が出来た。
でも…。」
「有り難く指輪とマントは頂戴致します。」
「「「「イヤァァァ!!!!ヤメロォォォォォオオオォ!!!!」」」」
安らぎの街カストル 宿 夜
「…と言うわけなんだ。」
「私達にそんな高額が………。」
「だからカストルは今日まででレイディーさんの言う通り次の連絡港に向かおうと思うんだ。」
「ここにいてはいずれ手配書で捕まってしまいます。
その前に明日一番でここを発つべきでしょう。」
「そうですね………その方がいいようですし。」
「ウルゴスは次の場所でも探そう。
この街では何も見つからなかったけど次は絶体見つけよう!」
「………」
「捕まってしまったら終わりです。
今は明日すぐ発てるように準備を急ぎましょう。」
「………二人共。」
「大丈夫だよ、三人で力を合わせれば見つかるから!
俺達が絶対にアローネをウルゴスへ送り届けるから!」
「アローネさんのいたウルゴスはボク達の目的地でもあるんです。
諦めずに頑張りましょう。」
「!………そうですね!」
「「!」」
「何時までもぼーとしてるだけでは見つかるものも見つかりません!
お二人がやる気を出しているのに当の本人がやる気を見せなければ示しがつきません!
分かりました!
次こそウルゴスを見つけるつもりで私も気合いを入れます!」
「アローネ!
元気になったんだね!?」
「お二人のおかげです。
私はずっと深く考えすぎてました。
考えても私一人ではどうにもならないと言うのに。」
「そうだよ!
考える前に先ず俺達を頼ってよ!
俺達はいつだってアローネの味方なんだからさ。」
「何か思い悩むことがあるのなら力の及ぶ限りボクらがアローネさんをお助けします。」
「行きましょう!
この街は名残惜しいですがもう十分分かりました。
この街にはウルゴスの手懸かりはないのだと。
ならば次に向かいましょう!
たった一度探した街がダメでも世界のどこかに必ずウルゴスはありますから!」
「それにしても一千万ガルドですか………。」
「何を間違ったらこんな高額になるんでしょう?」
「騎士団とは揉めたけどそんなに悪いことはしてないよね?」
「私達はただあの場で捕まりそうになってそれを…。」
「騎士団とケンカしちゃっただけだよね。」
「あのワルディーとか言う男の聞き間違いなんじゃないでしょうか?」
「聞き間違いかぁ、あり得るね。」
「一千万も聞き間違い………一千万………一千万……………………一千億ガルド?」
「それだと上がっちゃってるよ!?」
「なら一千ガルド?」
「たかだかその程度の賞金首に手配書なんて作りませんよ。
それにあのワルディーがあそこまで興奮して話すくらいです。
高額なのは間違いないでしょう。」
「一千万から………間違いそうな………千万ガルド!」
「それだ!」
「だからそれだと懸賞金換わらないですって!?
一千万が千万になって何が違うと言うんですか!?」
「そ、そうですね。」
「お二人のことですよ!?
そんなのんきに額を気にしてても進展しません!
問題なのは明日の朝刊でお二人がどれ程の情報を掴まれているかですよ!?」
「どれ程って?」
「カオスなんとか、アロなんとか………恐らく名前はフルネームでしょう。
そして二人の顔も明日から全国的に広まるでしょう。
もしかしたらここから王都までの街では既に知れわたっている可能性も。」
「顔なんてあの時の状況じゃあ分からないよ。」
「騎士団は未知のモンスターと遭遇することに備えてスペクタクルズは常備しています。
お二人がそれで撮られていたのなら写真くらいは用意できている筈ですよ。
それに指名手配犯は今まで例外なく写真はついています。」
「そうなの!?」
「そうです!
ですからお二人は明日から外に出た際は顔を隠して歩かなければすぐに賞金稼ぎや騎士団に追い掛けられるはめになりますよ。」
「顔を隠すって………帽子でも被る?」
「それも手ですがどの程度の写真にもよりますね…。」
「顔………ですか?
それでしたら問題は些細なものですね。」
「アローネさん?」
「私はあの村にいたときは少し髪形を変えていましたし化粧もしてませんでしたから人相はよく見なければ判別出来ませんよ。
それに実はこの服には光の魔術の処方がされていて着ている人の人相を変化させるディープミストというものがかけられています。」
「!
そう言えばアローネここに来てから少し変わったね。」
「………そうですか。
そこまで自信があるのでしたら………残る問題はカオスさんですね。」
「俺は………どうしよう?」
「女性と違って男性のカオスさんは化粧しても変化は薄いですし例え化粧で変わっても化粧をしている男性は目立ちますよ。」
「注目を集めてしまいそうですね。」
「ならどうしたら………。」
「……!」
「いっそのこと髪を切ろうかな。」
「確かにカオスさんのその長い髪を切るのは手っ取り早いですが…。」
「そろそろ切ろうと思ってたからいい機会だよ。
よし!早速鋏を「待ってください!」」
「カオスの顔ならなんとかなると思いますよ?」