テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ローダーン火山 麓~西側 夜 残り期日十日
ザッザッザッ………、
カオス「ステファニーさんのところまであとどれくらいで着きそう?」
カーヤ「…あと三十分くらいで着くと思う………。」
カオス「三十分かぁ………。
もう少しだね。」
タレス「本当にステファニーさんがこんなところにいるんでしょうか?」
ウインドラ「さぁな、
だが彼女じゃなかったとしてもこの地に一人でいるのは危険だ。
イフリートとの戦いが始まればこの辺り一面は激しい攻防戦が繰り広げられることになる。
そうなればこの先にいる人物も戦火に巻き込まれるだろうからな。
会ってここを去ってもらうように忠告するくらいならできるだろう。」
アローネ「戦いがシュメルツェンだけに留まるとは限りませんからね。
無関係な人を私達の戦いに巻き込むことはできません。」
カオス達一行はカーヤが西側で見付けた人物のもとへと進んでいた。その人物が氷属性のマナの持ち主であることから三ヶ月前にトロークンで別れたステファニーだと推測し彼女に会いに行き事情を聞きに行くところなのだが、
ミシガン「………ねぇねぇ、
この先にいる人ってさ。
ステファニーさんじゃないと思うんだけど………。」
カオス「え………?」
ミシガン「私この先にいる人ってもひょっとしたらなんだけど………、
………レイ「止まって。」」
カオス「ん?
どうしたの?」
ミシガンが何かを言いかけたときカーヤが遮り皆の足を止めさせる。
アローネ「?
どうしましたカーヤ?」
カーヤ「………付けられてる………。」
ウインドラ「!
ブルカーンの追っ手か………?」
タレス「まさか本当にブルカーン族がボク達のことを襲撃してこようとしていたんですか………?」
カーヤ「………ブルカーンの人じゃない………。
この気配は………。」シュッ!
カーヤに皆が注目する中カーヤは一瞬にしてそのすがたを消した。
ドスッ!!ドスッ!!
そしてカオス達の直ぐ近くで二回音が鳴り響き何かが蹴り飛ばされてきた。
「ジュルルル………」「シィィィ………。」
アローネ「モンスター………?」
タレス「このモンスターは………ワームとアラーネア………?」
カーヤが蹴りとばして倒したのは昆虫系芋虫型のモンスターのワームと同じく昆虫系蜘蛛型のモンスターアラーネアだった。カオス達を追跡していたのはその二匹だった。
ミシガン「なっ、なんだ………、
付けられてるって言うから何かと思えばモンスターだったんだね。
ブルカーンじゃなくて良かったぁ………。」
ウインドラ「この二体が追っ手か?
モンスターならそこまで構えることもなかったな。
安全ではないがブルカーンでないならただ俺達を襲ってきた普通のモンスターだったというだけだろう。」
地面に転がるモンスターを見て緊張した空気が緩和される。カーヤがいち早く気付いて倒したおかげでモンスターに不意を突かれることはなかった。
カーヤ「このモンスター達…、
ずっとカーヤ達のこと見張ってた………。」
タレス「見張ってた………?
ボク達を襲える機会を窺ってたってことですか?」
カーヤ「うん………、
ここに最初に来たときからずっと………。」
アローネ「……この
カオス「こいつらが………そんな長く………?」
カーヤの話にカオスは疑問を感じられずにはいられなかった。獲物を襲う前に獲物の様子を観察して隙を窺うモンスターなら他にも数多く存在する。そうした習性を持つモンスターは昆虫系に多く木や土に擬態して獲物が差し掛かった瞬間に捕らえるという狩りを行う。それだけならこのワームとアラーネアに不審な点は見付からない………。
カオスが目を付けたのはワームとアラーネアがカオス達を見張っていた
モンスターと一言で表してもそれは単純に人を襲う生物を人括りにした呼称でその種類は数千から数万にも上る。その全ては人だけでなく他のモンスターを襲うものもおりモンスターにとっては種が違えばそれだけで捕食の対象となり得る。今回カオス達を狙ったモンスター、ワームとアラーネアは同じ昆虫型だがそれでも分類はかなりかけ離れていてアラーネアからすればワームもカオス達と同様に襲う対象の筈なのだ。それが十日もの時間があったにも関わらずカオス達だけに狙いを絞っていたことになる。
アローネ「…私はあまりモンスターの知識に詳しくはありませんがワームとアラーネアが同じ場にいて争わないということはあるのでしょうか………?」
タレス「…!
………そう言われるとおかしな話ですね………。
アラーネアにとっては人であるボク達を襲うよりかはワームの方が手頃に狩れる相手の筈ですからそっちの報にいきそうなものですけど………。」
ミシガン「同じところにいるモンスター同士だから争わなかっただけじゃないの?」
ウインドラ「…いやそんな話は聞いたことがないぞ。
互いの力関係が拮抗しているならともかくワームとアラーネアではアラーネアが一方的にワームを狩れる筈だ。
アラーネアがワームに手を出さない訳がない。」
ミシガン「私達に気がとられてお互いに気付かなかっただけとかは?」
タレス「…それはあり得ませんよ。
アラーネアは蜘蛛型のモンスターです。
蜘蛛は八個の単眼があって敵や獲物を敏感に関知する能力を備えています。
周囲にどんな生物がいるか分からない筈がないんです。」
カオス「………じゃあこいつは俺達だけを狙っていたってこと………?
こんな近くに他にモンスターがいたのに………。」
ウインドラ「…そう………なるな………。」
アローネ「……これは………まるで誰かに指示されてそうしていた………ということになるのでしょうか………。」
ジリジリ………、
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「!!」」」」」
カーヤ「気を付けて………!
モンスターはまだ沢山いるから………!」
暗がりからカオス達の前へ次々とモンスターが現れる。それらは種が様々で肉食性の哺乳類から爬虫類、鳥類、両生類、昆虫といったモンスター達ばかりだった。
そしてそれらのモンスターの目は全てがカオス達に向けられている。一目でモンスター達が
普通では決してあり得ない食物連鎖の強者と弱者が一つの群れとなってカオス達に牙を剥いてきた………。