テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオス「何でだよ!!」
ドンッ!!
カーヤ「!」ビクッ!
カオスが地面に膝を付き地面を思いっきり殴り付ける。カオスが殴り付けた地面は深く抉れカオスの拳が手首まで埋まる。この辺りの地面は災害もあった影響か土の固さがまるで無かった。言い表すのなら土が死んでから時間が経過して骨すら風化してしまったような状態だ。それほどまでに
何事も無ければこの風景を黙視して色々な想いに耽っているところだがカオスはそれどころではない。
カオス「……何で………何で俺なんかを優先するんだよ………!
俺なんかよりももっと大事な………!
失っちゃいけない人達がいただろ……!!
タレスはアイネフーレを立て直さなきゃならないんじゃないのか………?
ミシガンはウインドラと一緒にミストに帰らなきゃいけないんじゃなかったのか………?
ウインドラはダリントンさんの意思を継いでバルツィエと戦うんじゃないのか………?
………アローネは一番生きてやらなきゃいけないことが沢山あったんじゃないのか………?
ウルゴスの人達や家族の人達………お義兄さんを見つけ出してあげなくちゃいけないんじゃなかったのか………?
まだ何も始めてないじゃないか………。
それなのに何で俺なんかを助けたりしたんだ………。
俺なんか一人じゃ何も出来ないのに………。」
ブルカーンに捕まればどうなるかは分かっている。十中八九イフリートの元へと連れていかれてイフリートの餌となるのだ。今戻ればまだアローネ達は生きているだろうが戻ったところで彼女達を取り返すだけの力はカオスにはない。カーヤという強力な仲間は一人だけ残ってはいるがカーヤでさえもブルカーンの連中に一人で立ち向かうのは無謀だ。先日もブルカーンの数名に苦戦していたという。そこにモンスターの大群とワイバーンまでおり更にはイフリートまでもが後ろに控えている。カーヤだけ行かせてもアローネ達を救い出すことは厳しい。かといって頭数を増やすために自分も同行したところでどうにもならない。
こんな時だというのに何故自分は技も魔術も使え………、
カオス「………………そうか………。
そういうことか………。」
カーヤ「………?」
カオス「………そうだよ………。
俺は別に魔術が使えなくなったんじゃない………。
マナを消費するような技や魔術を発動させようとすると
俺が全力で魔術を使ってブルカーンとイフリート両方を消し飛ばせばそれでアローネ達がイフリートに食われることなんてなくなるじゃないか………!
アローネ達がまだシュメルツェンに到達していない今の内に魔術で山の頂上を粉々に消し飛ばして「だっ、駄目!」」
カーヤ「………そんなの………駄目………!
そんなことしたらカオスさんが石になって死んじゃう………!
カオスさんが死んじゃったらアローネさん達も悲しむと思う………。
カーヤも………………だから………。」
カオスがそんな自暴自棄な行いを実行しようとするのをカーヤが止める。カオスの考えはブルカーンとイフリートを巻き込んでの
カオス「じゃあどうすればいいんだよ!!
どうすればアローネ達を助けられる!?
どうすればイフリートを倒せるんだ!?
もう他に手は無いだろ!!?
俺達は何のためにここまで来たんだ!!?
ヴェノムの主イフリートを倒すためだろ!!?
そのイフリートのところへ辿り着く前にブルカーンの連中が邪魔してくるんだ!!
イフリートを倒さないといけないのにアイツ等全員イフリートの手下になって俺達を襲ってくる!!
アイツ等は敵なんだ!!
敵であるなら俺がぶっ飛ばして皆を助け出すんだ!!
その方法しかもうアローネ達を救い出す道は無いんだよ!!」
カーヤ「で、でもそんなやり方でアローネさん達が助かってもカオスさんがいなくなるんじゃ………。」
カオス「俺のことなんか気にするな!!
俺なんか生きてたってどうせこの先ろくな人生送りゃしないんだ!!
俺なんかが生き残るよりもアローネ達みたいな世界に必要な人達が生き残るべきなんだ!!
俺はいつだってそうだ!!
俺なんかよりももっと必要とされる人達が俺のために死んでいくところを沢山見てきた!!
どうして俺じゃないんだ!!?
どうして俺が死なないんだ!?
死ぬべきなのは何の役にも立たない俺であっておじいちゃんやトラヴィスさんやダリントンさん達とか皆に必要とされる人達じゃない!!
俺は生きてたって何の意味も無いんだよ!!
だったらせめてアローネ達のためにこの命は使いきってしまいたい!!
アローネ達がいなくなった世界でなんて俺は生きていたくない!!
だから俺はアローネ達を救うためにも俺が完全に石になる前にこの力でブルカーンとイフリートを火山ごと消し飛ばして「何を暑苦しく寒いこと言ってやがんだ」………。」
「お前結構卑屈な性格してるよな。
あんだけの強さを持ちながら自殺願望が高いんだな。
勿体ねぇ性格してるぜ。」
カオス達の後ろから女の人の声がする。気が立っていたこともあってその女性の気配に気付かなかった。
「なんか魔術を遠くの方で連発しまくってみたいたが今は使えねぇのか?
ってかお前魔術使えるようになったのかよ?
そんで体が石になる?
どういう状態なんだそりゃあ?」
カーヤ「!
こ、この人………カーヤが見付けた人のマナ………。
さっきワイバーンを撃ち落とした人………!」
カーヤがカオスよりも早くその人物へと振り返りその顔を拝見するがカーヤは当然のごとく見知らぬ人ということもあって警戒する。口調も勝ち気なせいでカーヤにとっては苦手そうな相手であった。
「
………まぁいい。
アタシにはさして関係の薄い連中だしな。
つーかお前も何でそんなに絶望してんだよ。
まだアイツ等死んだ訳じゃねぇだろ?
そんなに感情剥き出しにして激昂することもねぇさ。
これから上手くやりゃいいだけの話だ。」
カオスにはその声に聞き覚えがあった。彼女と会ったのは二回だがその度に衝突はあっても助けられてきた。そしてカオス達と共にダレイオスへと渡りこれまで別行動をとっていた人物。
カオス「あっ、
貴女は………!!」
カオスは振り替える。そこにいた人物は………、
レイディー「よう、
久し振りだな。
もうお前達と別れてから半年ぐらいになるのか?
待ってたぜ。
お前達がここに来るのをよ。」
カオス達の前に現れたのはかつてカオスの祖父アルバートを慕いカオスへ祖父の歴史とこの世界の全てを伝えたマテオの元研究員レイディー=ムーアヘッドその人だった………。