テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アローネの策によって無事脱出できた三人はレイディーから教えられた通り王子へと向かう。
オーギワン港 南
「ここがレイディーさんの言っていた連絡港だね。」
「連絡港と言うだけあって民間人は少ないですね。」
「ここには王都のある北部とカストルのある南部の物流地点なので運送業者の亀人達が多くいますね。」
「亀人?」
「あそこにいる甲羅を背負った人のことですよ。」
ウイッス、マイドドーモアリガトウッス
コンチワース、キョウハドンナモノヲオトドケデ?
オキャクサン、ソレハキノウトドイタバカリデシンピンッスヨ?
コレヲリトビアマデッスネ?ワカッタッス
オキャクサーン!オカネオカネー!?
「慌ただしい人達だね。」
「あの特徴的な口調は皆さん同じなんですね…。」
「あれが彼等の会社で統一されている喋り口調らしいですよ。
マテオでは彼等の信頼できる営業とその徹底した口調スタイルから絶大な人気を誇り王都でも多くの人から支持されているそうです。」
「そりゃあんだけ特徴的なら覚えやすそうだしね。」
「インパクトはありますが馴れてしまえば可愛く見えてきますね。」
「実はカストルにもいましたが彼等は道具屋も営んでいるようなので街を訪れた際は彼等からアイテムは購入しましょう。」
「え?あの街に?」
「レイディーさんに会った次の日にボクが確認しました。」
「タレスはアイテムを補充に行ってましたね。」
「あぁ、あの日か………。」
「亀人の会社は横領の話が一切上がらないクリーンなグループなので何か運んでほしいものがあったら頼んでみるのもいいですよ?」
「けど大丈夫なの?
なんか………山賊とかに襲われそうな緩さがあるけど。」
「その点は心配ないですよ、彼等は………」
ドゴーン!!
オキャクサン、オカネハラワナイトダメッスヨ?
「彼等はこのように山賊ぐらい追い払えるくらい強いですから。」
「そうなんだ………。」
「船にはどう乗るんだろう?」
「受け付けが何処かにあるのではないですか?」
「こればかりは探さないといけませんね。」
「とりあえず船の近くまで行ってみようか。」
「おや、乗船なさるのですか?」
「え?は、はい。」
「ではあちらの方で手荷物の検査をしましょうか?」
「検査?」
「貴方は?」
「この度亀人グループで新人採用れた亀人のハンキチです。
どうぞハンキチとお呼びください。
まだ研修中なので船の乗組員ではありませんが検査員としてこの持ち場を任されているんですよ。」
「そうなんですか。」
「貴方は他の亀の方と違って喋り方が普通ですね。」
「へ?あ、そ、そうなんっすよ!
まだ採用されて日が浅いので馴れてないんすよ!」
「(カメキチ………?)」
「さぁさ!此方の方へどうぞ!」
「………」
「どうしたのタレス?」
「いえ、気のせいだといいのですが………。」
「どうかなさったのですか?」
「タレスが気になることがあるって。」
「タレスが?」
「………何でもありません。
検査を受けに行きましょう。」
「船から離れていますけどこんなところで検査するんですか?」
「人も少ないようですが……。」
「検査要員は雑用みたいなもので他の雑………先輩方は」向こうの方で他の仕事をしてるっす。」
「あぁ、そうなんですね。」
「(………ザ?)」
「ではお持ちものをこちらへっす。」
「持ち物って木刀とかもですか?」
「船内へは危険物の持ち込みは禁止してるっす。
あちらの港へ着いたらまとめてお返しするっす! 」
「そっか、じゃあはい。」ガラガラ
「私も。」トッ
「………」ガタッ
「………ではこのゲートを潜ってもらえるッすか?」
「?この四角いのを潜ればいいの?」
「はいッす。」
「じゃあ…」
「………OKっっすね、………(チッ!)」
「では私も………」ビィィィィ
「お客様、何か武器になるようなものをお持ちでないッすか?」
「え!?もう何も持ってませんよ!?」
「このマナ検知器はエルブンシンボルやその他の装備品も関知するんすよ。
申し訳ないッすけど外してまた潜り直していただけやす?」
「………そういうことでしたら………分かりました。
あの、………着替え室とかありますか?」
「え?着替え室?」
「服の中に着けているものに反応しているので……。」
「………あ!あぁ、なるほど!
ここにはそういうのないんであっちの物陰で外してきてもらえまっす?」
「(この声………!)」
「誰も覗かないように見張ってるから安心してアローネ。」
「………では。」
「アローネさん。」
「どうしましたタレス?」
「少し時間をかけて戻ってきてもらえますか?」
「それではボクも……ダメみたいですね。」ビィィィィ
「そうっすね。
ではお手のエルブンシンボルをこちらに。」
「………」ガタッ
「これで武器類は全部っすか?」
「はい。」
「ボクもです。」
「そうっすかぁ………それではこちらは
有り難く頂いていくぜ!!」バリッ!
「「!」」
「おっと、動くな?
こっちにはエルブンシンボルと武器があるんだ。
二人がかりだろうが俺様の方が優位だ。」
「お前は…サハーン!?
どうしてここに!?」
「聞き覚えのある声だと思ったら………やっぱり!」
「決まってんだろ。
俺も北に向かうからだよ。」
「北に?
お前も船に乗るってことか!?」
「あぁ、誰かさんのせいで南の方の警戒網が手厚くなっちまったからなぁ。
ここらで騎士団の連中撒くにゃあ北の方がやり易いんだよ。」
「警戒網?それって………。」
「そうだ、お前のせいだよ。
カオス=バルツィエ。」
「!」
「何でお前がバルツィエを名乗っているかは知らねぇがこっちはいい迷惑だ。
騎士団連中に付け狙われてるってのにエルブンシンボルも奪っていきやがってよぉ。」
「それはお前が悪党だからだろ!?」
「それを言うならお前らも相当なもんだぜ?
この俺を越える一千万の賞金首様よぉ。」
「俺達は………。」
「お前らの事情なんざ知ったことか。
髪型変えたくれぇじゃあ俺の目はごまかせねぇぜ素人共。
大人しく捕まりやがれ。」
「俺達をどうするつもりだ!?」
「決まってんだろ?
こうして目の前に大物が釣り上がったんだ。
てめぇらを騎士団にくれてやるんだよ。」
「そんなことしたって同じ賞金首のお前も捕まるだけだぞ!」
「そこは気にするとこじゃないぜ?
なんせ俺は『百面相のサハーン』。
パンピーに成り代わるなんざお手のものよ。
テメェラも見抜けなかったろうが。」
「変装するつもりなのか!」
「さて!知らねぇガキがいるようだが………
おいガキ!お前がコイツでその男を縛れ!
妙なこと考えるなよ!」ジャラッ
「………」ハシッ
「よしさっさと「孤月閃!」ガッ!?」ブン
「タレス!」
「カオスさん木刀です!」ホイ
「助かる!」
「………痛ぇな。
ガキ、何で技を使える?」
「浅かったようですね。」
「これで形勢は五分だ!」
「お前ら………どっかイカれてねぇか?
今の斬撃はマジックアイテム並の力を感じたぞ。」
「ワザワザ教えてあげる仲でもないだろ?」
「貴方はここで倒します。」
「舐めやがっ「ウインドカッター!」」ザシュッ
ガタタタンッ
「もう一人お忘れではなくて?」
「こいつどうする?」
「武器も装備品も取り返しましたし人目につくところに置いておけば誰かが騎士団に連れていきますよ。」
「貴方もこれで改心していただけると此方も手を下さずに済むのですが………。」
「ちょっと見ない間に化け物染みたなぁ。
この俺が反応できなかったとは。
あのド素人共がここまで腕を上げてるなんてなぁ………。」
「ある意味じゃあお前のおかげだよ。」
「それでは大通りの方へと連れていきましょう。」
「まぁ、待てよお前ら。」
「何だ?
今更止めてくれとか言わないよな?」
「もう貴方には騙されませんよ?」
「俺を連れていったところで俺がお前らのことを周りの奴等に白状したらどうなると思う?」
「それは…。」
「最悪船が出なくなるぜ?
お前らもあっちに渡りてぇんだろ?」
「脅すつもりか!?」
「だったらこの場に置いていくだけですよ。」
「貴方にはもう悪事をさせません!」
「そうかっかすんなよ。
別に俺も本気でそうしてぇんじゃねぇんだ。
素直に話を聞いた方が全部上手くいくんだよ。」
「何が言いたいんだお前は。」
「俺と手を組まねぇか?」