テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
消滅都市ゲダイアン 深夜 残り期日九日
カオス「………………レイディーさんは………、
精霊から与えられたその力が邪魔なんですか………?
精霊の力は一度付与されれば一つの属性の魔術しか使えなくなるし結構不便だから………。」
人が使える魔術の属性には個人差があるが最低でも二つ以上が平均である。魔術は生活においても役に立ち使える魔術が多ければ多いほど重宝される。
アローネ、タレス、ミシガン、ウインドラ、レイディーとアインワルド族のビズリーとダズは現在一つの属性の魔術しか使うことが出来ない体質になっている。だからこそもしカオス達やビズリー達のように他に頼れる者がいればそこまで不自由はしないがレイディーのような一人を好む者にとってこの力は不便さを感じるのかもしれない。例えヴェノムウイルスに侵されることがないのだとしてもレイディーは半ば強制的にこの力を授けられた。だからレイディーはこの力を疎ましく思っていたのではないかとカオスは責任を感じる。
レイディー「そう悲観的に捉えるな。
お前を責めたい訳じゃない。
アタシはお前に感謝してるんだ。
お前が精霊を宿してたおかげでアタシ達はシーモス海道で助かったんだしな。
アタシがこの力を破棄したいのはこの力が邪魔だからじゃない。
…確かに他の属性の術が使えないのは困り者だとは思っている。
喉が乾いた時なんかに水がパッと出ないし暑くて汗かいたりなんかした時とかにも風を出して涼むことも出来ねぇ。
飯を作るのにも火を原始的に起こすしかねぇし雨なんか振りだした時も土で屋根を作ったりも出来ねぇな。
あとは雷の術とかはモンスターを威嚇して追い払ったりしたい時とかに使ってたんだがそれも出来なくなった………。
すまん、
やっぱ不便だわこの能力。」
カオス「めちゃくちゃ気にしてるじゃないですか………。」
悲観的に捉えるなと言っておきながら能力の問題点を次々と挙げていくレイディーにカオスは呆れ果てる。慰めたいのか貶めたいのか分からない女性である。
レイディー「でもよ?
アタシがこの力のおかげで命があるのは事実だ。
そんなアタシがこの力を捨てようとしてんのは気にしなくていい。
それがアタシの目的に繋がるんだ。」
レイディーが精霊の力を手放したい旨は把握した。不便さはあれどそれが理由ではないことも。では何故彼女は精霊の力を破棄したいのか。それをして一体どうなるのか。そもそもどのような方法で精霊の力を破棄出来るのだろうか。
カオス「それでどうやって精霊の力を無くすんですか?
レイディーさん達の力は世界中どこに行っても誰もこんな力の話を聞いたことないようですしレイディーさんだって知らないんじゃないですか?」
レイディー「あぁそうだ。
アタシだって確実にこの力を捨てられる方法なんて分かりゃしねぇよ。
全部一から理論を組み上げていかなくちゃならなかった。
ずっと実験検証の積み重ねだったんだ。
それで色々と試していってこの精霊の力が
相殺………、
つまり精霊の力と殺魔のマナの炎をアタシが死なないギリギリのところで浴びせ続けられればこの精霊の力は死滅する筈なんだ。」
レイディーはそんな捨て身な方法を言ってのけた。
カオス「!?
あの毒撃を受け止めるつもりなんですか!?
あの攻撃は普通の力なんかじゃない!
体の隅々から全てを焼き付くされるようなそんな強い痛みが伴うんですよ!?
下手したら本当に死んじゃいますって!」
カイメラ、フェニックス戦で実際に殺魔のマナの炎を受けたカオスにはレイディーが考えた方法はとても利口な方法とは思えなかった。生きるか死ぬかのギリギリだなどとそんな調整が出来るようなことではない。どちらかと言えば死ぬ確率の方が断然高いのだ。それにレイディーがこれから殺魔のマナの炎を放つ相手は
レイディー「うるせぇな。
もうアタシにはイフリートの殺魔のマナしか残ってねぇんだよ。
他のアスラ………主達はお前達が潰して来たんだろ?
ならアタシの決意は変わらねぇ。
なんとしてでもイフリートに殺魔のマナを使わせてアタシは
カオス「何でそんなに普通に拘るんですか………。
普通の状態に戻るよりかは今の方が健康な体を維持出来るんですよ?
この荒野にだって精霊の力が無ければ入ることだって出来なかったでしょうに「その
レイディー「………アタシの体が完璧に治ってないのにこの力を付与されたせいでどんな薬も効きやしねぇ。
アタシの症状はこの力を手にした瞬間から止まったままなんだ。
アタシはアタシの症状を治すために世界を巡った………。
それでどうにかダレイオスになら何か症状を緩和できるもんがあるかと思ってきてみたがアタシの時間が止まっちまった………。
………アタシにはどうしても治したい
その病気はこの精霊の力があるせいで逆に治らなくなっちまったんだよ。
だから………、
アタシはイフリートの力で元の正常な人の体に戻って見せる………。」