テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
消滅都市ゲダイアン 朝 残り期日九日
レイディー「おい!
起きろ!
いつまで寝てんだ!
もう今日しかねぇんだぞ!」
カオス「……!?
え!?
朝ッ…!?」
カーヤ「朝ァ………?」
レイディー「何を余裕ぶっこいて熟睡してんだ。
お前達にそんな余裕はねぇだろ。
猿達が拐われてからまだ半日しか経ってねぇんだぞ?」
カーヤ「………すみませんでした。」
昨晩はあれから十分もしない内に眠ってしまった。一度深い絶望を味わってからのレイディーの登場による安堵感が思ったよりもカオスにぐっすりと眠れるだけの安心を与えていた。
口は悪いがそれほどレイディーの力を信用している自分がいることに気付く。まだレイディーとはそんなに長く一緒にいた訳でもないと言うのに。
レイディー「………んじゃあ作戦を発表する。
つってもそんな細かいことをお前達に指示しねぇ。
アタシが坊やの力を借りてあのローダーン火山の周囲に
カーヤ「霧………?」
カオス「よくレイディーさんが使ってた手ですよね。
火と氷か水の術を掛け合わせて蒸気を作る………。」
レイディー「あぁそうだ。
それでブルカーンの連中の視界を削ぐ作戦だ。
霧とは言っても風の術で吹き払われたらそれで霧が晴れちまうが地の理がいいことにあの山は活火山だ。
気温自体が高いせいで日頃から連中も煙の中で生活している。
多少視界が悪いくらいじゃそこまで気にも止めねぇ。
だからブルカーンの連中はこう思うことだろう。
カーヤ「それでカーヤ達はその隙にイフリートのところへ行ってイフリートを倒すんだね?」
カオス「アローネ達は放っておいていいんでしょうか………?」
レイディー「構わねぇだろうよ。
ブルカーンが猿達を捕らえてんのはイフリートがいるからだ。
そのイフリートを消しちまえば連中が猿達を拘束している理由が無くなる。
結果的に猿達は開放されるんだよ。」
カオス「………分かりました。
アローネ達のことは心配だけどイフリートさえ倒せればアローネ達が助かるならその作戦に従いします。」
レイディー「モンスターの方は昨日の通りだ。
奴等はアタシ達がローダーン火山に入ってから出ていこうとするまで手出しはしてこねぇ。
捕まりそうになったらまたこの荒野まで逃げてくればいい。
だがそん時はフリーズリングを付けるのを忘れずにな。
フリーズリング付けてないとイフリートが飛んできちまう。」
カオス「………寧ろそっちの方がいいんじゃないですか?
イフリートが飛んできたらそこを俺達で倒せば………。」
レイディー「馬鹿なことを言うな。
イフリート………レッドドラゴンは体はでかいがそれでも飛行生物だ。
飛び回られたら魔術なんて当てられっこねぇ。
それにアタシはお前の力を借りて魔術を使わなきゃならねぇんだ。
アタシとお前が常に一緒に動く必要がある。
身動きがとりづらい状態でイフリートに自由に空を飛び回られたらそれこそ分が悪くなる一方だ。」
レイディーの見解はアローネやウインドラと同じだった。やはりイフリートは火山の中で戦い止めを差す必要があるらしい。
カオス「………それでイフリートのところへ行くまでは問題ないようですけどイフリートのところに辿り着いたらどうするんですか………?
レイディーさんは毒撃………殺魔のマナの炎を食らうみたいですけどそれだとレイディーさんが………。」
レイディー「アタシの役目はそれで終わりだ。
イフリートのところまで連れていくところまでは付いていってやる。
そんでアタシは殺魔のマナで瀕死の重症を負って術を放つことも出来なくなるだろうよ。
そしたらお前と娘でどうにかやれ。」
レイディーはそこから丸投げだった。最初からカオスとカーヤの二人でイフリートを倒させるつもりだったらしい。
カオス「俺とカーヤの二人だけで………!?
そんなの無理ですよ!?
俺達だけでなんて………!
カーヤに魔術を任せるにしてもカーヤは………!」
カーヤ「カーヤ今火の魔術しか使えないよ?」
レイディー「泣き言を言うなよ。
お前達だけじゃイフリートのところまで行くのもムリだったんだろ?
イフリートのところまで連れて行ってやるだけでも大した仕事してると思わねぇか?」
カオス「それはそうですけどそれでも倒せるかどうかは………。」
レイディー「仕方ねぇだろうがよ。
ここには氷と火の術しか使える奴がいねぇんだ。
レアバードには一機二人まで乗せられるとしてもう一人空きはあるがそんな空きの奴を今更連れて来るなんてできねぇよ。
猿達は今夜にはイフリートに「メェェ………」」
メーメー「メェェ…!」
レイディー「………何だコイツ。
どっから来やがった………?
ってかここは放射能たっぷりの荒野で普通のモンスターすら来れる筈が「メーメーさん」………メーメーさん?」
カオス達がイフリートとどう戦うか話し合いをしているところへ元ヴェノムの主カイメラのメーメーがやって来る。
カオス「…どこまでも追ってくるんだなこいつは。
普段はあんまり出てこないのに。」
レイディー「ん?
知ってる奴なのか?
それにしてもこいつはどうやってここまで来たんだ?
放射能が怖くねぇのか?」
カオス「あぁ、
それについては大丈夫ですよ。
こいつもアローネ達やレイディーさんと同じですから。」
レイディー「同じって………こいつにも精霊の力を与えたのか?
何でこんな使えなさそうな動物ごときに………。」
カーヤ「メーメーさんは使えなくなんてないよ。」
カオス「………実はこいつ………、
………あのカイメラなんですよ。」
レイディー「…………はぁ?
こいつが…………あのカイメラだと………?」
レイディーはカオスの言葉を疑う。確かにカイメラだった時の姿を知っていれば今の姿とは似ても似つかない姿をしているからそれも仕方ないのだが。
レイディー「何か証拠見せてみろよ。
こいつがカイメラだってんならあんだけの力を持つ化け物だった名残がある筈だ。
第一お前達がカイメラを倒したんじゃ「メェェッ!」うるせぇッ!!ちょっと静かに……!?」ピカッッ!
メーメーの体が発光しだしメーメーの姿が光の中へと消える。
………やがて………、
「ゲコゲコ!」
蛙型のモンスターゲコゲコが光の中から現れた。
カオス「え……!?
何だ……!?」
カーヤ「メーメー………さん?」
マウンテンホーンズという山羊の動物から一転蛙型のモンスターに姿が変わったメーメーに戸惑う二人。
レイディー「………嘘だろ………。
こいつはカイメラの変身能力じゃねぇか………。
本当にこいつがあの………カイメラだってのか………?」