テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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残酷な種族

ローダーン火山 頂上前 夜 残り期日九日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリヘルガ「………!

 ハァ………ハァ………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオス達が撒いた霧が晴れることなく夜になった。あれからオリヘルガはカオス達を探して右往左往するがカオス達は共鳴の力で霧の中をオリヘルガが進む方向とは逆に逆にと躱していきここまで進んできた。

 

 

カオス「アイツまだ諦めませんね………。」

 

 

レイディー「いい加減アタシ等を一人で見付けるのはできっこないってことを自覚した方が良さそうなんだけどな。

 でもまぁそれも無理もねぇさ。

 アイツも相当焦ってんのさ。

 次辺りミスしたら()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

カーヤ「え?

 あの人………?」

 

 

カオス「どうしてアイツなんですか?」

 

 

 あまりにもハッキリとオリヘルガがイフリートに食されると言うのでその理由をレイディーに問う。すると、

 

 

レイディー「四ヶ月間ブルカーンの奴等が食われていく内に食われた奴等がブルカーンの連中の中でどういった立場の奴なのか調べてみたんだ。

 そしたらそいつ等が順々にブルカーン達の中でも族長に近しい奴等でな。

 実はお前達が来る二十日ぐらい前にとうとう族長のベイブって奴が食われた。

 そんでお前達がオリヘルガとやりあってた日にそのベイブの()()()()()()()()()()()()()って奴がシュメルツェンから消えた。

 状況から見てもうブルカーンには族長の親戚筋は皆イフリートに食われたんだ。

 族長の濃い血筋で残ってんのはもうアイツだけなんだよ。」

 

 

カオス「アイツが族長の息子………!?」

 

 

カーヤ「族長の子供がいなくなったらどうなるの?」

 

 

レイディー「誰かが代わりに族長の代理をするしかねぇだろうよ。

 オリヘルガの次くらいに力を持ってる奴がな。

 んでそいつも失敗したらそいつも食われてそれが最後の一人になるまで続く。

 皮肉なことに強い奴を食わせればその分だけ長くイフリートから生贄を要求する期間は空くが強い奴がいなければ奴等の狩りはどんどん失敗する確率が上がっていく。

 

 

 イフリートもそのことを理解してあんなことさせてるんじゃないか?」

 

 

カオス「イフリートが……!?

 なんでそんなことを………!」

 

 

イフリート「イフリートは今ほぼ()()()()()()()()()()()()

 

 

 人ってのはな、

 この世で()()()()()()()()()()なんだよ。

 なんでか分かるか?」

 

 

カオス「………フリンク族の人達のようにカーヤやハーフエルフを差別する人達がいるからですか………?」

 

 

カーヤ「………」

 

 

 カオスが思い付く限りでは残酷な人というのはバルツィエやフリンク族達以外にはいなかった。彼等の行いを目にしてカオスは吐き気を催すほど人はあんなにも人に冷酷になれるものなのかと考えるほどであった。

 

 

レイディー「残念だが不正解だ。

 バルツィエもフリンク族もほんの一部の人種だろうが。

 アタシが言ってるのは全エルフ達に共通する部分を残酷だって言ってるんだよ。」

 

 

カオス「………分かりません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイディー「“()()”からだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「え………?

 遊び………?」

 

 

 レイディーが言う人の残酷な面とは人が遊ぶことらしい。しかしそれだけでは何が残酷なのか解釈のしようがない。カオスはその遊びとはどういう意味なのか訊くことにする。

 

 

レイディー「遊ぶっつっても遊ぶだけなら犬や猫がじゃれてるのも遊びと思うかもしれねぇがなぁ。

 アタシが言う遊ぶってのは人は()()()()()()()()()。」

 

 

カオス「命で………遊ぶ………。」

 

 

レイディー「自然の中の動物やモンスターも他の生き物を殺すのは食うためだったり抵抗して勢い余ってだったりと案外真面目な理由があって生き死にしてんのさ。

 

 

 だが人の場合はこれに更に多くの色んな理由が出てくる。

 そこに住んでる生き物が邪魔だから殺したり珍しい生き物だから生態を調べるために殺したり毛皮や武器の素材なんかが必要だから殺したり実験のために育てては殺したりむしゃくしゃして気晴らしに殺したり子供なんかはそこら辺の蟻なんかを踏み潰して殺して遊んだりもする………。

 ………人だけなんだよ。

 そんなに生き物を殺す理由を作るのは。

 人だけが無駄に生き物を殺している。

 人は他の生き物と違って本能だけでなく理性も持っているってのに比較しても他の獰猛なモンスターが獰猛にもならねぇほど人の方が多く最多の生き物を殺しているんだ。

 中には人の社会には全く関与しない生き物だっているのにな。

 そういう生き物ですら人はその手にかけちまう。」

 

 

カオス・カーヤ「「………」」

 

 

 確かにそうだった。人は生きるためにも他の生き物を殺して食べる。食べる生き物は様々な種類がおりその日の気分で鶏肉や豚肉牛肉などといった複数の肉の中から選ぶ。猟師でもなければそれが生き物であったと意識などしない。ごく当たり前に生き物を糧にして生きている。それだけなら食物連鎖としての話だがレイディーが伝えたいのはそういう自然界の流れとは無関係に人は生き物を殺しているということだ。ミシガンやカーヤのように種は違えど人以外の生き物と仲良くなったりする人々は存在する。そんな人達とは真逆に生き物を見付けたら即殺しにかかる人々もいるのだ。それは人が生きる社会で仕事として殺す人や娯楽で殺す人、運動がてらモンスターと戦い殺す人………。

 数えあげれば限りがない。

 人であるカオス達ですら人が生き物を殺す理由を把握しきれないが確実にカオス達が想像するよりも多く生き物は殺されているだろう。

 それも人の社会による理不尽のために。

 

 

レイディー「…絶滅危惧種を保護して残そうとする団体とかもマテオにはいるけどな。

 その絶滅しそうになった原因は少なからず人が関わってる事案も多いんだ。

 人のせいでデリス=カーラーンから消え去った種は大概は土地の開拓とかによる影響でそういうことになってる。

 百年前からヴェノムが出現してそれで絶滅した種もいるだろうがヴェノム自体は人が作り出したっていう線が濃厚なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまり結局は人が全ての元凶なんだ。

 人のせいで生き物が消えて人のせいで世界が精霊に滅ぼされようとしている。

 好奇心、興味本意、出来そうだったから、やれると思ったから、そんな理由でこの星は今無くなろうとしている。

 全ては人という知性という名の病原体が撒いた結末なんだ。

 そんなもん持っちまったイフリートがブルカーンで遊んでるのも分かりやすい話だろ?」

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