テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
オーギワン港についた三人は船に乗ろうとするがそこで怪しげな亀人に出会う。
その亀人はかつて戦いを挑んだサハーンであった。
オーギワン港 南
「お前と手を組むだって?」
「そうだ、悪くねぇ話だと思うがな。」
「そんなことをして俺達にどんなメリットがあるというんだ。」
「貴方のように仲間を屋敷ごと葬るような人を信用出来ません。」
「だから言ってんじゃねぇか。
手を組むだけだって。」
「………どういうことだ?」
「このままお互いに睨みあってても埒があかねぇ。
お前らだけ得するようなことすりゃ俺は迷わずお前らをこの港の騎士団にバラす。」
「コイツ………。」
「要はお互いにデメリットの解消するんだよ。
俺は向こうに渡りたい。
お前らもあっちに行きたい。
なら別に俺とお前らで争うようなコタぁねぇ筈だ。」
「よく言えるねそんなことを。」
「さっきまでボク達を売り飛ばそうとしていた人のセリフとは思えませんね。」
「お前らが俺に食われちまうような雑魚だったらこんな話をしねぇさ。
だがお前らくれぇ強いなら話は別だ。」
「どうして強いと別なんだ?」
「言ったろ?
お前らがこの辺りにいるせいで賞金稼ぎや騎士団がピリピリしてんだ。
もしそいつらに見つかった場合戦闘は避けられねぇ。」
「なるほど、お前は僕達を囮にして逃げるつもりなんだな。」
「俺が見つかった場合お前らが逃げればいい。
船の中でバレたらどっちかがそうなる。
つまりは保険の掛け合いってこったなぁ。」
「お前が俺達だけを戦わせたいように聞こえるんだけど?」
「俺も賞金首だ。
そんな手使える訳ないだろ。
それに賞金の額から言ってお前らよりも俺の方が簡単に捕まえ易いと狙ってくる奴は多いだろ。」
「そんなのお前の想像じゃないか。」
「貴方がいつ組んだ手を外すか分かったものじゃありません。」
「いいのか?
ここで船に乗れなかったらもう王都には行けねぇぜ?
オリュンポスから回るつもりならそれこそバルツィエが通さねぇぞ?」
「………」
「あっちに渡りたいと言うのならお前らは俺と手を組むしかねぇンだよ。」
オーギワン港 船内
「それではしばし船の旅をお楽しみください。」
「………案外普通に乗れたね。
手荷物検査なんてなかったじゃないか………。」
「貴方が変装の名人だと言うことは分かりました。」
「ふん、お前ら髪型と化粧程度でよくバレねぇなんて思ったな。
俺がいなかったらそのうち捕まってるぞ?」
「だからって服装まるごと買わされるなんて………。」
「テメェラの服装なんだから文句言うな!
手配書をよく見やがれ。
服装も変えねぇと何が引っ掛かるか分からねぇ。
別人を装うなら一転でも同じところを残しちゃいけねぇのさ。」
「それはそうですが………。」
「幸い手配書が作られてるのはお前ら二人だけだ。
こっちのガキの分が作られてなくてよかったな。
ったくどこでこんなガキ拾ってきたんだか。」
「………ボクのことを覚えてませんか?」
「あぁ?お前みてぇな強いガキなんざ知るか。
初対面だろ。」
「そうですか………。」
「「………」」
「それより船にも乗れたことだしここからは別行動だ。
騒ぎを起こすんじゃねぇぞ?」
「なんとか船には乗れたけどこう緊張した状況だと素直に楽しめないね。」
「周りの視線が気になって海を眺める隙もありません。」
「あまり視線を気にしていてもかえって怪しまれます。
堂々としていればバレませんよ。」
「そうかな?」
「そうです。
お二人とも手配書の顔とは完全に別人ですよ。
これでバレるとしたらお二人のことを知っている人だけですよ。」
「それならいいんだけど………。」
「それよりもサハーンが気になります。」
「………あの方が大人しくしていてもらえると助かりますが。」
「あの人のことですから船を降りるまではなにも起こさないでしょう。
降りてからは警戒しておいた方がいいですよ。
さっきまではボク達を捕まえて騎士団に引き渡す計画を立ててましたからそれを素直に諦めるとは思えません。」
「とすると………。」
「降りるまではなるべくサハーンの同行を見張っておくべきでしょう。」
「じゃあ、サハーンを追い掛けないと…。」
「手分けして探そう。
あいつを一人にしておくとだれに迷惑をかけてるか分からない。」
「「はい!」」
「サハーンいた?」
「どこにもいませんね。」
「私も探してみましたが見付かりませんでした。」
「まったくどこに行ったのやら…。」
「もう陸も見えてきたというのに………。」
「………探して見つからないのならそれでいいじゃないか。
今はこのあとのことを考えよう。」
「それもそうですが………。」
「あの男がこのまま何もトラブルを起こさず隠れてるなんてありえません。
何か妙な企てを計画しているはずです。」
「どうしてそんなことが分かるの?」
「え!?どうしてって…。」
「タレスはあの男のもとにいたのですよ。
それくらい想定できて当然です。」
「そ、そうなんだぁ、へぇ…。」
「カオスさん?」
「な、何でもないよ。
一先ずは何もなさそうだし、このままでいいんじゃない?」
「そうだといいんですが………。」
「………。」
「そろそろ付きますね。」
「………」
「サハーンは出てきませんでしたね。」
「そうみたいだね。
ところで二人ともちょっと付いてきてほしいところがあるんだ。」
「付いてきてほしいところ?」
「どうしたのですか?」
「………サハーンらしき男を見つけたんだ。」
「え!?」
「しッ!
気取られるとまずい。
視線をこのままにしてて。」
「は、はい。」
「………どの人がサハーンですか?」
「確証がない。
このまま船を降りるまではそのままでいて。」
「はい………。」
オーギワン港 北
「もう降りましたけど。」
「カオス、一体どなたがサハーンだと言うのですか?」
「………」
「カオス?」
「カオスさん?」
「それは………」
ドガァァァァァァァァォァァン!!!!
「!?」
「何事ですか!?」
「チィッ!あの野郎!」タッタッタッ!
「どこに行くのですか!?カオス!」
「待ってください!」
ナンダ、ナニガバクハツシタッスカ?
キュウニカモツシツガ!
カモツシツッスカ!?
ナカニダレカイルッスヨ!?
イソイデヒヲケスッス!
「一体何が起こったのですか!?」
「まさか、サハーンが?」
「騒ぎを起こしたくないと言っていたのは彼ですよ!?」
「………」
「とりあえず火を!
アクアエッジ!」バシュッ
「……!」ガッ
「カオス!?どうして止めるのですか!?
このままでは船が!」
「いや、
これでいいんだよ。」
「アローネ伏せて!魔神剣!」ザザッ!
「「!!」」
「おっと、アブねぇなぁ。」スッ
「え!?カオスが二人!?」
「サハーン!?」
「………大人しく縄にくるまってりゃいいものを………。」
「そう言うわけにはいかないさ。
まさかこの短時間で俺にも変装されるとは思わなかったよ。」
「ハハッ、お前が俺の後を付けてくるのが悪ぃのさ。
」
「どうやらまだ二人は無事のようだね。」
「あぁ、お前が暴れなけりゃこのままつきだしてたとこだったんだがな。」
「俺がそんなことさせる訳ないだろ?」
「………まぁ、いい。
お前らを捕まえるのはまたにしといてやる。」ザッ
「待て!何処にいくつもりだ!?」
「お前らも逃げた方がいいぞ?
亀共と騎士団二つを相手にするのは骨が折れるぞ。」タッタッタッ!
「クソッ!
二人とも大丈夫!?」
「え、えぇ、私達は大丈夫ですが…。」
「いつの間にサハーンと入れ替わってたんですか?」
「その話は後だ!
ここにいたらサハーンの言う通り捕まッちゃうよ!?」
「わ、分かりました。」
「それでは港を離れましょう!」