テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブルカーンの住む街シュメルツェン 火精霊の祠 夜 残り期日九日
イフリートはシュメルツェンの住人がどうなっているのかを把握していた。
オリヘルガ「(見ていた………?じゃあ何で騒動を静めに行かねぇんだ?いつもは何もしなくても感染者を食いに行くってのに………。)
そっ、そうなのです!
侵入者がヴェノムに感染していたらしくその者に襲われた者達が発症し今も他の未感染者に襲いかかっているのです!
イフリート様!
どうか貴方様のお力でこの事態をお収め下さい!!」
オリヘルガの心意はカオス達とラーゲッツが協力はしないまでも両者の戦いにイフリートを巻き込み一早くイフリートだけを倒してからカオス達とラーゲッツが決着を付ける形に持っていきたかった。三つの違う勢力が争うのであれば始めに倒されるのは
それがラーゲッツが感染者であるのなら話は変わってくる。イフリートが先に倒されカオスとラーゲッツが残ってラーゲッツが勝った場合ラーゲッツはこの街の住人達を殺して回るだろう。同じヴェノムでもイフリートとラーゲッツでは自分達を容赦無用に殺戮する理由がある。バルツィエは気性が激しく言葉は通じても意思が伝わることはない。それならイフリートとラーゲッツどちらが残るのがいいか………。
………オリヘルガは種が生きるイフリートを選ぶことしか出来なかった。カオス達の力は一人辺りが自分一人にすら及ばない弱者の寄せ集め集団だ。カオス達がラーゲッツとイフリートに勝つことは難しいと判断した。
オリヘルガは希望を捨てることにした。
イフリート「………ソウカ………。
………デハワシハ………、
オリヘルガ「………はい?」
オリヘルガはイフリートが言い間違いをしたのかと思った。人の言葉は話せても元が竜種ということもあって声量が大きいのと発音が聞き取り辛く時々何を言ったのか分からない時があった。
だがイフリートは言葉通りにその場から動くことはなかった。
オリヘルガ「………イッ、イフリート様ッ!!?
緊急事態なのです!
このままでは我等ブルカーンの民がヴェノムに蹂躙されてしまいます!
貴方様のお力で早く事態の収集をお付けになって「モウヨイノダ。」………?」
イフリート「キサマタチ
アタラシイエサヲモッテコサセルタビニワシノチカラハゾウダイシテイク。
…ソレガココサイキンキサマラヲクッテモチカラノアガリガテイタイシテキタ。
ワシハツヨクナリスギタノダ。」
オリヘルガ「………そっ、それがどういう………?」
イフリートは力が上昇しなくなったと言うがそれが何もしないというのはどういう理屈なのかオリヘルガには分からなかった。イフリートにとっては手駒として使っているとはいえ同報達もイフリートの貴重な食料源に………、
イフリート「イマキテイルツヨキモノノチカラヲエラレレバナンピトモワシノチカラニアラガエナイチカラヲエラレル。
キサマラブルカーンハ
イチイチキサマラノノコリヲキニスルヒツヨウモナイ。
ドウニカシタクバジブンタチデモンダイヲカイケツシテミセヨ。」
要約するとイフリートはブルカーンを見捨てると言ったのだ。カオス達の力さえ手に入ればもうブルカーンを一人ずつ捕食する必要もない程の力がイフリートの物になる。イフリートはブルカーンを見殺しにするのだとオリヘルガに言う。
オリヘルガ「なっ……!?
我等の窮地をお救いにならないのですか!?
我等は六年もの間貴方様の命に従ってきたのですよ!?
そんな我等を貴方様は簡単に捨てるとそう仰るのですか!?」
イフリート「ソウダガナニカモンダイガアルカ?
ワシハロクネンモノアイダキサマラヲイカシテヤッタノダゾ?
ワシノキマグレデキサマラハイキナガラエテキタノダ。
ホントウナラキサマラハアノロクネンマエニゼンインワシノハラノナカヘトキエテイタノダ。
ソレヲキョウマデヒキノバシテヤッタ。
カンシャサレコソスレモンクヲイワレルスジアイハナイゾ?」
オリヘルガ「………!!」
どうやら本当に事態を解決に向かわせる気は無いらしい。イフリートはオリヘルガの言葉に返事を返しはするがずっとオリヘルガとは違う方向を向き続けている。
イフリート「ワシノエモノハワシノモトヘトムカッテキテオルヨウダナ。
ココデマッテサエイレバヤツラハワシノトコロヘトクルダロウ。
モウヨイゾ?
キサマラブルカーンハキョウコノヒヲモッテ
ジユウニシテヤルカラドコヘデモスキナトコロヘトムカウガヨイ。
ヒサカタブリノジユウヲマンキツスルノダナ。」
オリヘルガ「………そっ、そんな………。」
事態を解決するためにここへとやって来たがここでまさかのイフリートの裏切り。………イフリートからすれば裏切りでもなんでもなかった。始めからイフリートはオリヘルガ達を道具か食料としてしか見ていなかった。人の言葉を理解できるからといってイフリートに人の心が備わっている訳ではなかった。
イフリート「ハヤクコイツヨキモノヨ………。
ワシハキサマノチカラヲエテコノホシノすべてをテニスルノダ。」
オリヘルガは希望を打ち砕かれて力なく膝を折ることしか出来なかった。部族を守るために父や兄達を犠牲にして存続させることだけを考えて今日まで乗り切ってきたが所詮自分達は最初から最後までイフリートに屈していいようにされてきた操り人形でしかなかったと深く自覚してしまった………。