テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
オーギワン港にてマテオの北側へと到着するがその過程で騒ぎを起こしてしまい三人はオーギワン港から脱出するのであった。
トボール道
「ハァ、ハァ…!」
「ハァ、……ここまで来れば安全ですね。」
「ハァ、ハァ、………そうだね。」
「一体何があったんですかカオス?」
「………サハーンを探そうって話になった後、すぐにサハーンを見つけたんだけど、サハーンが貨物室に逃げ込んでそれで………。」
「それで?」
「気が付いたら貨物室に閉じ込められててサハーンはいなくなってたんだ。
どうしようかと迷ってたんだけど変な音がする荷物を見つけてね。
それを調べようとして持ち上げたらうっかり手を滑らせて………あぁなった。」
「荷物が爆発したのですか!?」
「………よく無事でしたね。」
「自分でも不思議だよ。
手を滑らせようとしたときに膝で蹴っちゃって外の扉にぶつけちゃったんだけどその瞬間その荷物が爆発したんだ。」
「何故荷物が………?」
「恐らくはサハーンでしょう。
ボク達がこの港を通らなかった場合、予めセットしていたのでしょう。」
「そうだと思うけど何でサハーンはあんなものを持ってきてたんだ?」
「あれが本当のサハーンの保険というやつだったんでしょう。」
「……そうか、騎士団に正体がバレたときにあの荷物の爆発に乗じて逃げる手筈だったんだな。」
「それをカオスが爆発させてしまったと?」
「そういえばオーギワン港でサハーンがボク達を売り渡す話をしてましたよね。
さっきカオスさんに成り済ましてたのは………。」
「そこまで言えば私でも分かります。
私達は危うく彼に投獄させられるところだったのですね。」
「アイツ………油断も隙もないな。」
「手を組むと言った矢先にアイツに踊らされてるなんて………。」
「今度からは奴の口車には乗らないようにしましょう。
奴が現れそうなところでもなるべく離れないように。」
「それがいいね。
まさかあんな短時間で変装まで出来るなんて。」
「最初に服を一新させたのもそのためだったのでは?」
「言ってたことは正論だったから気付けなかったよ。
そんな魂胆があったなんて。」
「それにしてもこれからどうなりますかね。
あのオーギワン港の一騒ぎがどのようにこの北部に伝わるのかが。」
「?」
「さっきの一件でカオスさん達の顔がおおやけにならないかが心配です。
あれだけのボヤ騒ぎの現場にいたんですから真っ先にカオスさんがあの火元の犯人だと疑われてしまいます。」
「あぁー………やっぱりそうなる?」
「事情が事情なためあの場に残って説明も出来ませんでしたからあの火事の容疑者として亀人達には伝わっていると思います。」
「そうなりますと暫くあの港へは近付けそうにありませんね。」
「もう南部へは戻れないってことか。」
「………よろしいのですかカオス?」
「もともとこっちに来たくて来たんだ。
今は別に戻る理由もないしいいさ。
そのうち戻るのならその時考えよう。」
「………そうですか。」
「それよりもこれからだよ。
タレス、ここから王都まではどのくらい?」
「そうですね、………地図によりますと一つ街を挟んで、そこから二日くらいでたどり着きそうです。」
「そうか、なら先ずはその街に向かう必要があるわけだね。」
「はい。」
「その街はなんという街なのですか?」
「えっと………あっ。」
「タレス?」
「………アダです。」
「え?」
「………イクアダです。」
要塞都市イクアダ 南門
「ここがイクアダ?」
「そのようですね。
要塞都市らしい立派な壁があるのでここがイクアダで間違いありません。」
「………」
「アローネ?」
「………似ています。」
「似ている?」
「ここは………ウルゴスに似ています。」
「!………だったら!」
「いえ、似ているだけでよく見れば違います。
作りも違いますし城もないようですし。」
「………そっかぁ。」
「………ですが、この………何でしょう。
何か………何か感じるのです。
この都市の作りが私の………ウルゴスと近しい何かを。」
「近しい何か?」
「ダレイオスでもこのような堅牢な要塞はありますからね。
国の砦は何処も同じような建て方になると思いますよ。」
「………」
「ここを抜ければ次はいよいよ王都です。
お二人は手配書のこともあるので長居は危険です。
アイテムの補充をしたら直ぐにでもここを発ちましょう。」
「その方が良さそうだね。
ゆっくりとウルゴスについて聞く暇もないけど………。
アローネもそれでいい?」
「………はい。」
「(………何故でしょう。
私の推測が正しければウルゴスは………
なのにどうしてこんなにもアインスと………。)」
要塞都市イクアダ 中央部
「もうここには用はないよね?」
「はい、今のところ追手もありませんし。」
「カオスさん達は手配書とは雰囲気が違いますからそうそう誰も気付かなかったようですね。」
「そうだと嬉しいんだけど………。」
「………この街にはあの子がいましたから早くに通りすぎたいですね。」
「………ニコライト=ゼン・バルツィエ………。」
「この街にいる人の中でお二人と唯一面識がある子です。
あの本の少しの時間で今のお二人を見抜くことは出来ないとは思いますが………。」
「彼の街らしいからね。
出来ればいろいろな意味で戦闘にはなりたくないんだけど………。」
「彼の戦闘力は目を見張るものがありますからね。
話せば朗らかな少年ですが、戦うとなると………。」
「相当に強いだろうね。」
「バルツィエですし、それは間違いないかと。」
「………けどさ、どうしてあんなに強いんだろうね。」
「?………どういうことですか?」
「だってさ、子供なのにたくさんのモンスターやヴェノムを一撃で倒すなんて大人でも出来る人なんてそうはいないよ?」
「それはまぁそうですがバルツィエだからとしか………。」
「どうしてバルツィエの関係者はあそこまで強くなるのさ?」
「………修練の結果身に付けた強さだと………。」
「!、いえ、タレスも前に言っていたではないですか。
あのニコラという少年のことを!
動きに無駄があるようなことを!」
「言いはしましたけど…。」
「タレスの街を襲った方々は皆大人だったのですよね?」
「……記憶にある限りは。」
「………血縁がいいからとしてもなんか異常じゃないか?
俺もバルツィエのことをよく知らないけどいくらなんでも人が持つ力を越えすぎている気がするよ。」
「そうですね。
ブーストアイテムを付けてたとしても常人には追い付けない力………。
何か異様なものを感じます。」
「この国ではバルツィエは強くて追い付けない存在として常識化されてますからね。
言われてから気付きましたが確かにあのニコライトとかいう子は他のバルツィエよりも不自然です。」
「高過ぎる武の才能か………。」
「バルツィエの内情も気になりますけど今は出会わないことを祈るばかりですね。」
「それなら助かるんだけどなぁ。
どこで見られてるか分からない。
一応はアローネも気を付けてて。」
「はい、私とカオスはなるべく誰とも揉め事を起こさないように端の方を歩きましょう!」
「その方が良さそうですね。
ではボクがお二人の前で先導します。」
「有り難うタレス。」
「あれ?あの三人組は………。」