テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブルカーンの住む街シュメルツェン 火精霊の祠 夜 残り期日九日
イフリート「ドコカラデモカカッテクルガイイ!」
イフリートは斧を構えてカオス達にそう言った。
カオス「斧……?
武器を使えるのか?」
イフリート「ワシハイマヤヒトトオナジキョウチニタッテイル!
キサマラヒトガジブンタチヨリモツヨキチカラヲモツモノニイドムトキブキヲテニトルダロウ!
ソレナラキサマラトドウヨウニワシガブキヲモテバダレガワシニカナウ?
コレガアレバキサマラノヨウナコザカシイチエヲハタラカセルヒトドモヲヨウイニホフルコトモデキヨウ!」
イフリートは器用に斧を振り回してみせる。生物の中で武器を持って戦うのは人か人並みかそれ以下の
レイディー「へっ!
昔レサリナスでも闘技場で捕まえたドラゴンに武器持たせて戦わせようとしていた
自分より劣る人の物真似なんかして恥ずかしくねぇか?
お前なんかがそんな代物操れるのかよ?」
こんな時でもレイディーは挑発を忘れない。彼女にしてみれば武器を使われるのは想定外のことなのだろう。レイディーがここに来た目的はイフリートが使うとされる殺魔の炎だ。斧で戦われては予定外もいいところだ。
イフリート「キサマラハワシノダイジナショクリョウダ。
クウニシテモキサマラノカラダハソウ
イキタママクロウテコソキサマラノチカラガワシノカラダニシントウシヤスイノダ。」
端的に言えばイフリートはカオス達を相手にするのに
カオス「…どうします?
レイディーさん。」
レイディー「こいつぁアタシもちょっと考えてなかったぜ。
まさかここまで舐められてるはなぁ。
…だったら早い話こいつに
すべきことは何も変わらない。全力でイフリートを追い詰め倒す。その途中経過でイフリートも炎を使わざるを得ないだろう。
四人がイフリートを見上げる。カオスはレッドドラゴンとはニ度目になるが武器を装備しているのとしていないのとで感じる圧力はかなりの違いがある。
カオス「(前にウインドラはカイメラの体当たりだけで重傷を負っていた。
素の身体能力が人の何十倍もあるレッドドラゴン………。
それがヴェノムの力と武器の力でどれぐらいのパワーが出るんだ………?)」
武器を振って生まれる力は腕のみに頼った力と比べても数倍は差が発生する。何も持たなくとも力はイフリートの方が上だがそれに武器まで加算されてしまえば接近して戦うのは圧倒的不利。
レイディー「手筈通りお前ら二人は遠くから魔術で攻撃しな。
アタシとラーゲッツの娘は注意を引き付けておく。
娘、
やれるか。」
カーヤ「やれる………かな………?」
レイディー「頼りねぇ返事だな。
だがここまで来てやらねぇわけにはいかねぇ。
やらなきゃ全てがお終いだ。
こいつをアタシ達の手でやるんだよ。」
カーヤ「………じゃあやる。」
スピードの早い二人がレッドドラゴンの斧が届く寸前まで接近し振り回される斧を躱していく。二人が注意を引き付けておいてくれている内にカオスは、
カオス「宜しく頼む。
カイメ………メーメー。」
メーメー『ベツニヨビニクイノナラカイメラデモカマワン。
オレノナハゴシュジンダケガヨンデクレレバソレデイイカラナ。』
カオス「…そんな訳にもいかないさ。
カーヤが君を友達だって言うなら俺も君と友達になりたい。
一度は戦った仲だけで俺達はきっと分かり合えるから君がメーメーって名前があるのなら俺は君のことをメーメーと呼ぶよ。」
メーメー『……カッテニシロ。
………デハヤルゾ。
オレニマナヲヨコセ。』パァァ…、
メーメーがジャバウォックへと変身する。メーメーは変身することで六つの属性の術を使うことが出来る。
ミニジャバウォック『サァ!
トデカイノブチカマシテイクゾ!!』パァァァァァァァ!!!
メーメーに触ると途端にマナが吸引されていくのが分かる。それでもカオスの中のマクスウェルが常時大気から吸収していくマナの割合の方が多いがアローネやミシガンがカオスからマナを吸引するよりも明らかに多い。
ミニジャバウォック『アイシクル!!』パキィィィィィィィィンッ!!!!
ブルカーンの住む街シュメルツェン
オリヘルガ「急げ!!
無事な奴は急いで街から出るんだ!」
「街から出る………?」
「山を降りるってのか?」
「でも山から降りたらイフリート………様が………。」
オリヘルガ「奴はもう俺達のことなんか何の気にも止めてない!
あのカオスとかいう上質のマナを持つバルツィエの男に夢中でもう俺達を縛るつもりはないようだ!!
今なら安全にこの地から脱出できる!」
「何ッ!?」
「本当か!?」
オリヘルガ「あぁ!
なんだったら俺が先陣切ってここから去ってやろうか!
お前達はここに残ってるか!!?」
「いっ、いや………俺達も………。」
オリヘルガ「だったらついてこい!
ここにいても感染者をイフリートは処理してはくれんぞ!!
もう俺達は自由の身なんだ!!
あんな奴のところになんか残っている義理はねぇんだよ!!」
「おっ、おう……。」
オリヘルガはシュメルツェンのブルカーンの同胞達の脱出の手引きをしていた。この街に留まっていては感染者が溢れかえって全滅してしまう。そうならなくするためには今出来ることをやるだけだ。感染者に対して自分達は何も出来ない。ならば未感染者を集めてここを脱出するだけだ。
オリヘルガ「(…あの女が言っていたことはまだ何のことだか分からない………。
俺達が何に勝ってきたのか俺達自身に覚えがない。
………あの女が言っていた俺達がもぎ取ってきたもの………。
一体何のこと………!)」バキンッ!!
ラーゲッツ「やっと砕くことが出来たぜ。
結構出るのに手間取ったな。」
同胞達の避難誘導を行っているとレイディーが凍らせた氷の中からラーゲッツが出てきた。
オリヘルガ「!?
ラーゲッツ………!
オマエ………まだ死んでねぇのかよ………。」
ラーゲッツ「………!!
どうやらそこにいるみてぇだな!
カオス!!」
氷から這い出てきたラーゲッツはオリヘルガ達に目もくれずカオス達が入っていったイフリートのいる場所を見詰める。耳を澄ますと地面の中から激しい爆音が鳴っていた。
ラーゲッツ「今行くぜぇ?
俺をこんな氷で止められると思うなよ?
俺に逆らったお前達には最高の屈辱を味会わせてやるよ!!」
ラーゲッツは進む。カオス達のところへと。
オリヘルガ「………」
それを見送ったオリヘルガは暫し考えてから………、
捕らえていた捕虜の元へと駆けていった………。