テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ローダーン火山 麓 残り期日八日
ゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
ローダーン火山は半壊し溶岩が流れ出ていた。噴出する煙は空へと立ち上ぼり奥の方に行けば行くほど黒くなっていく。
レイディー「…すまんがアタシはここから先へは行けそうにねぇ………。
暑くて暑くて死にそうだ………。」
溶岩が目と鼻の先と言うぐらいまで近付いてレイディーが溶岩の熱に根をあげる。
ウインドラ「俺もこの熱気には耐えられんな………。
本当にラーゲッツはこの中で生きてるのか?」
カーヤ「うん………。
この先にパパが………。」
ミシガン「この先って………もうこれ以上進めないよ………?」
火山崩壊によって吹き出てくるマグマは現在進行形でカオス達がいる場所へと迫ってきている。時期にマグマは範囲を拡大して他の地方へと影響を及ぼすだろう。
カオス「このままこれを放置することも出来ないよね………。
………なら………、
『アイスニードル!』」パキィィンッ!!
カオスが溶岩に氷の魔術を撃つ。半端な力では溶岩に対して氷を撃つのは危険な行為だがカオスの力は一瞬で溶岩を固まらせて周囲の温度を冷やしていく。
レイディー「………圧巻だな。
溶岩がこんな一瞬で熱を奪われるとは………。」
アローネ「そんなに魔術を多用して大丈夫なのですか?
カオスは先日まで魔力機能障害を起こしていたのに………。」
カオス「大丈夫だよ。
ラーゲッツの殺魔の炎で大分マクスウェルの溜めてたマナが削られたんだ。
今はもうすっかり元の状態に戻ってるよ。」
アローネがカオスの体調を心配してくるがカオス自身今はもう不調は感じてはいなかった。精霊はまだマナを大気から吸収はしているがアルターでのような状態になるにはまだ当分時間に余裕がある。
ウインドラ「その殺魔と言うのは俺達が毒撃と呼んでいたあの力のことか?」
カオス「うん。
あれの本当の名前が殺魔のマナって言うらしいんだ。」
ミシガン「殺魔のマナ………?
それってバルツィエ達がそう呼んでるの?」
レイディー「奴等の間じゃそ呼ばれている。
あの力は具体的に説明するなら
普通の障気は吸いさえしなければ特に影響は無いが殺魔の障気は触れるだけで生物が持つマナ……の奥深くにある
破壊されれば生命はその姿形を保つことが出来ずに霧散する。
ワイバーンがイフリートに消されたのもそのせいだ。」
タレス「あの黒いのが障気………。
………それでその殺魔の力を持ったヴェノムを何でレイディーさんは探していたんですか?」
ミシガン「そうだよそろそろ教えてよ。
レイディーが一人で旅していた理由。
何でレイディーはその殺魔の力が必要なの?」
レイディー「アタシの精神病を治すのに必要なんだよ。
そのためにも一度アタシは精霊の力を失わないといけない。
精霊の力はアタシ達の体の性質を異常に丈夫にする効能があるからな。
精霊の力があったままだとアタシ達は
気付いてるか?
アタシ達が成長が止まってること。
半年前から髪の毛も殆ど伸びてねぇだろ。」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「!?」」」」」
レイディー「お前等気軽にこの力を他の奴等にも分け与えているみたいだが言ってしまえばこの力は不慮の事故でも起こらない限り死ぬことが出来なくなったんだ。
アタシなりに考えた結論はこの力は
寿命という概念が精霊みたいに無くなっちまった。
食事をしたり用を足したりはするみたいだからまだ生きてるって実感はあるがアタシ達の成長はかなり遅い。
エルフの寿命が約千年と言われているがアタシ達はその十倍以上は長く生き続けられるだろう。
ウインドラ「俺達の体にそんな変化が………。」
タレス「ボクは………ずっと子供のままなんですか………?」
ミシガン「私達って子供とかも作れないの?」
レイディー「それはまだ分からんな。
アタシも試したことがねぇよ。
だが不用意に力を配りすぎたのは確かだ。
世界ってのはバランスよく生命が生きられるように出来てる。
新しい命が生まれれば古い命はいずれ消えなくちゃならん。
それが新しい命が増え続けて古い命がいつまでもあり続けると人口は直ぐに世界に収まりきらなくなる。
人が住める場所も無限には無いんだ。
自然界の食物連鎖も食う側が増えすぎると食糧難に見舞われる。
土地や食料の確保は争いの火種にもなりうる。
今は想像もつかんだろうがもしこの力を世界中の奴等が持ち始めたら………、
古代にあったって言われるカーラーン大戦が再び巻き起こるかもしれん。」
カオス「………」
世界はいつだって滅びの道と隣り合わせに成り立っている。この時カオスはそう思った。人の命が失われるのは呆気ないものだが世界が滅びるのはそう簡単な話ではない筈だった。それでもこのデリス=カーラーンはいつも大災厄の可能性を孕んでいる。一度争いが起こればそれは周囲を巻き込んで加速しどうしようもないくらい被害を拡大していき世界がそれに道連れになる。ヴェノム、バルツィエ、精霊の破壊、世界樹カーラーン、精霊の力………五つもの可能性が世界を滅ぼす要因になってしまう。
ブロウン族のハンターは言った。世界は滅びたがっていると。人が死なない世界を作るためにヴェノムの主を倒してきたが人同士の争いはどのように止めればいいのだ。人が増えれば増えるほど争いは起こる。それを止めるには片方がいなくなってしまえばいいのか。ダレイオスとマテオの戦いはマテオを滅ぼせば世界の平和は訪れる日がやって来るのか。
レイディー「………こんな話をしても今からじゃどうなるか分からねぇけどな。
誰も争わねぇって未来にもなりうるんだ。
お前達はそのまま歩み続けていけばいいさ。」
カオス「………そうですね。
俺達もこの先の未来がどうなるかなんて分かりませんし目の前の人が傷つくのは黙って見過ごせませんから………。」
アローネ「今私達に出来るのは精霊王マクスウェルの世界の破壊を防ぐことだけです。
そのためにもラーゲッツを逃がす訳にはいきません。」
カオス達は凍りついた大地を進みラーゲッツを探した。ヴェノムの主を全て倒しダレイオスをヴェノムの危機から救う。それだけを目指した。残り時間は八日。それまでに試練を達成するためだ。
カオス達がこの時予見した人口爆発による争いの可能性。そんな未来はこの先訪れることはなかった。