テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ローダーン火山 麓 残り期日八日
ラーゲッツを見付けるのにそんなに時間はかからなかった。
ラーゲッツ「よオ………。
こんなところにまデ戻ってきて俺の最期を見届けに来たのカ……?」
ラーゲッツは岩に背を預けてぐったりしていた。体はレッドドラゴンから人の大きさにまで戻っておりマナもごくわずかにしか感じられない。話は出来るようだがそれもやっとで出来るといった具合だ。
ウインドラ「三度目の復活………とはいかないようだな。
今度こそお前はここで討たせてもらう。」
ラーゲッツ「………へッ………、
そりゃあ用心深いこっタな。
俺なんかに止めを刺すためだけにここまで来たのかヨ。
テメェ等も俺ごときに振り回されて大変ダナァ………。」
レイディー「そうだな。
お前の言う通りだ。
アタシ達もお前なんかにいつまでも構っていられる程暇じゃないんだ。
お前の持つ
アローネ「精霊核………?」
ラーゲッツ「あぁ………、
これのことかよ?」
レイディーがラーゲッツに何かを壊す旨を伝えるとラーゲッツは手の甲をかざした。そこには普通の人には無い
レイディー「物分かりが良くて助かるぜ。
これでお前も逝きな。」パァァ…
バキンッ!!
レイディーは迷わず氷のナイフを作り出してラーゲッツの手にあった玉を貫き砕いた。
ラーゲッツ「………ハハハ………、
これで俺ももう終わりか………。
俺も長くこの世界に苦しめられてきたもんだ………。
これでこの世界からオサラバ出来るとなるとそう悪い気分じゃねぇな………。」
ラーゲッツは自身の死を受け入れていた。まるで早く自分が死ぬことを望んでいたかのようだ。ラーゲッツの体は少しずつ蒸発していく。
カオス「レイディーさん………。
今のは………?」
レイディー「アスラと呼ばれるヴェノムの個体には体のどこかに心臓部ともいえる丸い玉が精製される。
これがある限りアスラは飢餓が来ることはねぇ。
逆に言えばこれさえ破壊してしまえばアスラはヴェノムと同じ様に飢餓が来る不完全な存在に戻るんだ。
これでラーゲッツは確実に死を迎えることになった。」
レイディーが言うようにラーゲッツの体はヴェノム特有の飢餓が起こり始めていた。意識はラーゲッツのままだがこの分ではもう間も無くラーゲッツは消滅することだろう。
カーヤ「パパ………。」
ラーゲッツの完全な死を悟りカーヤがラーゲッツの前に出る。
ラーゲッツ「………テメェはまだ俺のことをそう呼ぶのかよ………。
俺はテメェを娘だなんて認めねぇぞ。」
ラーゲッツはカーヤを自身の娘であることを拒絶する。ラーゲッツも昔過ちを犯して出来た不義の家族など受け入れる気は無いようだ。
カオス「最期までお前はカーヤを自分の娘じゃないと言い張るつもりなんだな………。
カーヤはお前のことをずっと待ってたのに………。」
ラーゲッツ「そんなの知るかよ。
俺がその娘がいたことなんてこの間まで知らなかったんだ。
そいつがいるってことはあの女がそいつを産んだってことだろ?
…あの女は俺に当て付けのつもりでそいつを俺にぶつけてきたんだろうな。
俺のことを自分の子供のそれも女なんかに負ける哀れな奴だと笑ってやがるんだろ?」
カーヤ「!!
ママはそんなこと「あの女………」」
ラーゲッツ「
アイツは俺のことを何とも思っちゃいなかったってことだ。
あんな顔だけの女に本気になってた自分が馬鹿みたいだぜ。」
!?
カオス「………ロベリア………?」
ウインドラ「本気だと………?
………聞いていた話だとお前は十六年前にここより西のゲダイアンで起こった謎の爆発を調べるためにダレイオスを訪れてその帰りにフリンク領でフリンク族の女性を襲って強姦したのだろう?
そしてお前はマテオへと帰還してカーヤが生まれたんだ。
お前とロベリアと言う女性にそれ以上の関係は無い筈だ。」
フリンク領でフラットから聞いた話ではウインドラが言うようにラーゲッツが過去にロベリアを襲いカーヤが誕生した。フラットが言うにはカーヤはフリンク領防衛のためにロベリアが産んだと言ってはいたがその辺の事情はカオス達は知らない。………知らないのだがラーゲッツがロベリアと言う名前を知っていたこととロベリアにフラットという婚約者がいたこととそのロベリアに本気になっていたというのは一体………?
ラーゲッツ「………いい加減こんな世の中には嫌気が刺してたんだ………。
俺はそいつらのことを知らなくてもそいつらは俺のことを知ってる………。
知ってるっつっても俺がバルツィエでどういう立ち位置にいてどういう扱いだったかそんな偏見だけで無条件に格下に見られるこんな世界が俺は………。」
ラーゲッツ(当時十歳)「結果はどうだったんだ親父。」
ラーゲッツ父「………」
今日俺が心待にしていた分家本家交えた魔力技能検査の結果が出る日だった。この結果は将来的に自分がどの程度の規模の力を発揮出来るかを確かめられる大事な検査でもあった。この結果次第では同世代に生まれた家の者達のその後の序列が決まる。誰が自分よりも上で誰が自分よりも下になるのか。順位を出すのは競争心を煽るためだ。その結果を公表することが分かれば検査の時に皆が真剣に取り組むことは当然だからだ。
ラーゲッツ「親父!
早く教えてくれよ!
俺は何番だったんだ?」
ラーゲッツ父「………検査の結果は………、
最も優れていたのはアルバートとアレックス、次いで三から六位がダイン、ランドール、グライド、ユーラス、の順だ。
フェデールに関してはギリギリ標準からは落ちずにすんだといった評価の最下位だな。」
ラーゲッツ「!?
ラーゲッツ父「そのようだ。」
ラーゲッツ「………マジでか………!?」
魔力技能検査はバルツィエの家に子供が生まれる度に行われる。そして子供が複数いた場合は優劣をつけるためにも順位をつけるが検査が行われるようになって以来
ラーゲッツ「………ん?
ってことは俺は七番目か………?」
フェデールが最下位なら八人いる今世代の中で残っている順位は六位しかなくなる。
しかしラーゲッツの結果は………、
ラーゲッツ父「………お前はなラーゲッツ………。
お前の力はどう検査しても私達の世代を越えるレベルに達てしていなかった………。
代を重ねるごとにマナの貯蓄量を上昇させていくバルツィエの家系の中でお前は逆に私よりも能力が下だと判断された………。
………お前はフェデール達と競う価値も無い程に能力が満たない劣等種であることが確定したんだ。
お前は最下位以下のゴミ虫なんだよ。」