テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
イクアダへと到着しいざ出口へと差し掛かろうとしたときオリュンポス山で出会ったニコライトに止められ戦う。
だがニコライトの素早さに翻弄されカオスは…。
あれ?
今何をしてたんだってけ?
……………
思い出した。
これから
おじいちゃんと稽古する予定だったんだ。
秘境の村 ミスト 十三年前
「何?
剣術を習いたいだぁ?」
「うん!」
「急にどうしたんだよカオス。」
「おれ強くなりたいんだ!
誰にも負けないくらい強く!」
「………まぁた回りの連中にいじめられたのか?」
「………うん。
アイツらおれのことを使えない弱虫だって言って………!
何度も何度も………!」グスッ
「そうかぁ………。」
「だからおれおじいちゃんみたいに騎士なりてぇ!
強くなって騎士になってアイツらをボコボコにしてやる!」
「カオス、そこは間違えるなよ?」
「え?」
「騎士ってのは皆を守るのが仕事だ。
いじめられたからってお前をいじめるザック達をボコボコにしていいものじゃない。」
「けどアイツは悪いやつだぞ!?」
「人生そのうち気に入らねぇやつなんてゴロゴロ出てくる。
俺はお前の味方のつもりだが、かといって何でもかんでもお前とケンカしてるだけのやつを悪者だとは思わねぇ。
単純にお前が右で相手が左を向いてたっつーだけだ。
その逆かもな。」
「でもぉ………。」
「まだ子供のお前には早すぎたか。
納得はしないでいいぜ、そのうち分かるようになる。
今はお前がどうするかだったな。
………剣術やってみるか?」
「………うん。」
「カオス、お前はザック達が言うようにマナが殆どない。
剣術を身に付けたところで戦闘には不向きかもしれない。
………それでもやるか?」
「やるよ。」
「本当か?」
「やるよ………
だっておれはおじいちゃんのように強くて優しくて皆を守れるようになりてぇんだよ!」
「………!」
「ムカつくけどザック達も守ってやるくらい強くなればいいんだな!
そうすればおれのことをいじめてこなくなるし!」
「そうか………分かった。
動機は不純だが切っ掛けはなんだっていい。
剣術指南してやるよ…。」
「ほんとか!?」
「あぁ、だが俺の教えはちっとつれぇーぞ?
お前の親父も昔俺のとこに来て教えてくれって頼み込んできたが途中で折れちまったよ。」
「お父さんが?」
「やるからには生半可にはしないつもりだ。
覚悟しとけよ?
ザック達よりも酷いことになるかもな?」
「お、男に二言はねぇ!
おれだったらやってみせるし!
ザック達なんかぶっ飛ばしてコテンパンにしてやるぜ!」
「………生意気な口をききやがって、先ずはその汚ねぇ口調から矯正だな。
教える気が失せてくるぜ。
それじゃあ敵をつくるばかりだぞ?」
「え?
これって普通じゃねぇの?
おじいちゃんと同じじゃねぇ?」
「………俺の影響だったか。」
そうだ。
このあと、
おじいちゃんと初めて稽古して、
おじいちゃんのとんでもなく早い走りに翻弄されて、
翻弄されて………
?
何でこの先のことが分かるんだ?
………
まぁいいや、
今は稽古の方が先だ。
「じゃあ木刀を構えろ。」
「う、は、はい!」
「そのまま俺に降り下ろしてこい。」
「降り下ろすって………おじいちゃんは木刀持たないの?」
「舐めるなよ?
お前ごときに木刀なんざいるか素手でも勝てるわ。」
「何だとこのぉ!?」
「おいおい!
喋り方がもう戻ってるぞ?
さっき教えたばっかじゃねぇか。
今度からは村長みたいに丁寧な言葉を使えって。」
「だってぇ!」
「だってじゃない!
口が曲がってると考えもおんなじように曲がってくるぞ!」
「なんでおれだけなんだよ!?
おじいちゃんはいいのかよ!?」
「ばっか!
これは訓練だッつーの!
俺みたいなゴロツキに絡まれたときに以下に冷静な対処が出来るかの訓練だ。
俺はあえて悪ぶってこういう口調してんだよ。」
「いつもと同じじゃねぇか!だったらおれも!」
「相手に合わせるんじゃねぇ!
相手をお前に合わさせろ!
それから『おれ』じゃねぇ!『わたし』だ!!」
「わ、わたし………女の子みたいで恥ずかしいわ!」
「チッ!仕方のねぇやつだな。
騎士になるんなら皆一人称は私だぞ?」
「うぅ………。」
「だったら『ぼく』でいい!
今度からそれでいけ!
それなら最低限礼儀は通る!」
「ぼ、………ぼく?」
「そうだそれでいい!
さぁ、どっからでもかかってこい!!」
「………ぅう、おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブゥンッ
「腕だけで木刀を振るな!
腰と足も使え!
そんなんじゃあ全然力が入ってねぇぞ!?」
「こ、こうか!」ブゥンッ!
「違う!馬鹿!
そうじゃない!
貸せ!
こうやるんだ!」ブンッ!!
「こ、こう!?」ブンッ!
「おし、いい子だ!
それだ!それを覚えとけ!?
それを俺に打ってこい!」
「お、おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブンッ!ヒュッ
「よし!今度はこっちだ!
次!」
「えぇ!?
今どうやって後ろに回ったの!?」
「そんなこたぁどうだっていい!
さっさと次を打て!」
「お、おらぁぁぁ!」ブゥンッ!パシッ
「バカ野郎!
木刀の振り方が戻ってるじゃねぇか!?
後、声も出てねぇぞ!?
もっと全身で力入れやがれ!!」
「そ、そんなずっと続けるなんて無理だよ………。」
「強くなりぇんだろ!?
こんなことで弱音を吐いてどうする!?
もう降参か!!?」
「い、嫌だ!!」
「よぉーし!それでいい!!
次からは声出しと振りが下手くそだったらパンチが飛んでくるからな!?
ついでに百回連続で斬りかかってこい!
途中で休んでもパンチだからな!!?」
「えぇ~!!!?」
「ほら、最初の一丁目!!」
「お、おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブンッ!
「一回!次!……………」ヒュッ
こんなことあったっけなぁ。
この時は結局十回がやっとで、それ以上は出来なかったなぁ。
おじいちゃん、ずっと的になり続けてくれて………
一回もまともに当てられなかったけど今思えばあの時のあの稽古は俺を怒らせて本気で斬りつけるためにあんなに荒い口調だったのかな。
結局おじいちゃんの動きについていけなくて残像を追うので精一杯だった。
何だろう。
またこの感じだ。
何か心に引っ掛かるものがある。
僕は何かを見落としている?
やらなければならないことがあった筈なんだ。
何をやらなければならない?
僕は何を………。
『僕』?
あぁ、違った。
今は昔に戻って『俺』にしてるんだった。
アローネに言われて………
アローネ?
そうだアローネ!
思い出した!
今俺は………!