テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
バルツィエ邸
ランドール「おい問題外。
茶持ってこい。」
ラーゲッツ「あぁ?
何で俺が持ってこなくちゃいけないんだ?」
ラーゲッツが屋敷で寛いでいるとランドールが命令してきた。
ランドール「何でってそりゃあお前今後の俺達の関係性をハッキリさせといた方がいいだろ?」
ラーゲッツ「茶ぐらい自分で注いでこいよ。」
ランドール「あ?
俺の言うことが聞けねぇっての?」
ラーゲッツ「それくらい自分で出来ねぇのかテメェは。」
ランドール「………表出ろよ。
ちょっとお前の態度が気に入らねぇ。
俺より上のアルバート達がいない以上俺の命令がここでは一番なんだ。
お前は俺の命令に逆らっちゃいけねぇんだぞ。」
ラーゲッツ「鬼の居ぬ間に………ってか?
上司がいない時に威張んなよ。
テメェもアルバートがいたらそんなこと言えねぇだろ。」
ランドール「何だよ。
俺がアイツらに微々ってるって言いたいのか?
お前俺を怒らせたいの?」
ラーゲッツ「お前は俺を怒らせてるけどな。」
「鬼ってのは俺のことか?」
ラーゲッツ・ランドール「「!」」
アルバート「下らねぇ喧嘩してんなぁおい?
お前ら格下共が何をどんぐりの背比べしてんだ?
お前らなんて束になったって俺とコイツには勝てねぇんだよ。」
アレックス「兄上の言う通りですね。
お前達は所詮分家の序列第五位と第七位。
兄上の言い付けに従っていればいい。
お前達が無駄に争ったところで庭を荒らすだけだ。
そんなことをしてるぐらいなら雑草でも処分しておけ。」
ランドールと言い争いから本格的な喧嘩に発展しようとする寸前でアルバートとアレックスの二人が割って入ってくる。この二人はいつも分家同士で喧嘩が起こりそうになると仲介にやって来る。言葉は悪かったがラーゲッツは時折この二人には救われる時があった。
ラーゲッツの幼少期はいつもこのようにランドールやユーラスの二人に弄られて過ごしていた。始めは二人の態度に苛ついてはいたがその内それが当たり前になって気にならなくなっていった。
カーラーン教会
ラーゲッツ父「入れ。」
ラーゲッツは父親に連れられてカーラーン教会に来ていた。
ラーゲッツ「何だよ親父。
こんなところに何の様があるんだよ。」
ラーゲッツ父「良いから黙ってついてこい。」
連れてこられた目的も告げられずにラーゲッツは父親の後ろをついていく。一体何故自分はこんな場所へと連れてこられたのか。
ラーゲッツ「(………まさか俺があまりに使えないから捨てるって言い出すんじゃねぇだろうな………?
俺の力がバルツィエの基準に満たないから俺をここに………。)」
「いらっしゃい。」
ラーゲッツ「!」
教会の中で待っていたのは修道服を纏った綺麗な女性だった。
ラーゲッツ父「カタストロフ公爵………。
本日は例のあの………。」
カタスティア「あぁ………もうそんな時期なのね。
それでその子が?」
ラーゲッツ父「愚息のラーゲッツです。
………どうか宜しくお願いいたします。」
カタスティア「えぇ良いわよ。」
父と公爵と呼ばれた女性が何かを話し合っている。どうやら自分に何かを施すようだがどういったものなのかは会話だけては分からなかった。
カタスティア「じゃあこちらにいらっしゃいラーゲッツ。
私の書斎でするから。」
ラーゲッツ「なっ、何をするんだよ………?」
ラーゲッツ父「これから公爵様がお前にするのはだな。
お前の……………………………………………………………………………………………………………………………………。」
そこから先の記憶は唐突に途切れている。気がついた時にはラーゲッツは記憶が途切れる前よりも魔力が上がりやすくなっていた。それは同世代の他の子供達も同じだ。
そしてその辺りからアルバート、アレックス、フェデールの三人を除いた残りの四人の子供達は情緒が不安定になりだした。
ラーゲッツは以前よりも気性が荒くなり怒りを抑えることが難しくなった。
王都レサリナス 二十年後
ラーゲッツ「お前騎士団長になったのかよ?」
アルバート「ん?
そうだがそれ誰に聞いたんだ?」
ラーゲッツ「小耳に挟んだんだよ。
巷じゃ結構お前のこと噂してる奴が沢山いるぞ。」
アルバート「………もうそんなことになってんのか………。」
ラーゲッツ「何だよ不服そうじゃねぇか。
次期にクルスタル王女との婚姻も取り付けそうなようだしお前が
それの何が不満なんだ?」
アルバートがバルツィエの本家に昇格してから彼は勢いが止まることを知らず様々な功績を上げてきた。彼が進めてきた方針はこれまでの厳格なバルツィエのイメージからは遠く部下を思いやり支え共に任務をこなし信頼を勝ち取るというものだった。普通の軍隊ならばそういった考え方は珍しいものではないがバルツィエとなると話は別だ。バルツィエは過去に起こったとある事件によって自分達以外の者を仲間とも思わなくなった。自分達だけが利益を得ればいい、そういう考えが固まっていた。その精神に逆らいアルバートは部下と等しく収益を分けあった。最初こそ上の世代達はそれに反発したが今ではそれすら黙らせるほどにアルバートとアレックスの力は強くなった。最早アルバートとアレックスに異を唱えられる者はいない。
アルバート「………なぁ、
一つ聞いてみてもいいか?」
ラーゲッツ「何だ?」
アルバート「………自分のことを誰も知らない人達しかいない場所………。
そんな場所がこの世界のどこかにあるんだとしたらそんなところへ逃げ出したりしてみたくなったことはないか………?」