テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
「アッハハハハ!
相変わらず悪女だなぁリリスはぁ!」
リリス「え~?そう?
でも先代のバルツィエの奥さん達も同じことやってたんでしょ?
どうせ旦那にするなら出来るだけ強い権力持ってる男のところに行きたいしラーゲッツってバルツィエでもそんなに発言力がある方じゃないみたいなの。
私くらいの容姿があればラーゲッツなんかよりも上の連中の目に止まるでしょ?
ユーラスとかランドールとか………あと望みは薄そうだけどフェデールとかね。」
「フェデールゥ?
本気かぁ?
フェデールはなぁ………。」
「アイツいつもヤバイ暗殺計画ばっか考えてるって話だぞ?」
「アイツは手を出しちゃいけない奴だ。
機嫌を損ねたら何かされるか分かったもんじゃねぇ。」
リリス「別にいいじゃない。
アタシの夫になる男よ?
そんぐらいの男じゃないとアタシに釣り合わないわよ。」
「何だよ。
随分と上から目線だな。」
リリス「じゃあ聞くけどアンタ達私よりも綺麗な女を会ったことがある?」
「それは………中々ねぇなぁ………。」
「リリス以上って言うとそうお目にかかれることもないよな。」
「お前を見たあとだと他の女が女に見えなくなるくらいに顔はいいからなぁ。」
リリス「顔だけじゃないわよ私は。
私には誰に対しても上手くやれるだけの演技力と話術があるもの。
私にかかれば落とせない男なんていないわ。
現にラーゲッツも私の演技に騙されてるもん。
今頃アイツ私のことを想って仕事でもしてんじゃないの?
笑っちゃうわよね?
私が本気で自分に好意を寄せてるって絶対勘違いしてるわよアイツ。
…けど私はラーゲッツなんかで満足はしないわ。
私の隣に立つに相応しい男は
そうなると次にバルツィエの本家の当主になる男よねぇ。
アルバートは落とす前にどこかに行っちゃったけどアレックスなら行けそうよね?」
「アレックス?
アレックスって確か今は代理で当主やってたよな?」
「けどそれも辞任するんじゃないか?
アレックスには女王クリスタルとの婚姻で大公になるって話だぞ?
アレックスは無理だろどう考えても。」
「女王から大公を奪ったりなんかしたら家が取り潰されるぞ。」
リリス「………そうみたいね。
アレックスがそうなるって噂はちらほら聞いてたけどアンタ達の様子からしても本格的にそうなりそうね。
じゃあアレックスは諦めるわ。
「いやだからフェデールは………。
………まぁお前の好きにしたらいいんじゃないの?」
「そうだな。
そんな話はさておいて今日は俺達の相手をしてくれるんだろう?」
「最近
路地裏で女ばかりを狙った怪奇な連続通り魔が現れるって話だ。
お前みたいな美人が一人で夜道を出歩いてちゃ危ねぇ。」
「俺達と一緒に今日は楽しく飲み明かそうや。
なんなら朝までのコースもあるぜぇ?」
リリス「ふぅん?
そうねぇ………。
ちゃんとテクニックはあるんでしょうね?
私を満足させられるだけのモノが無ければバルツィエに言ってアンタ達の評判を地に落とすわよ。」
リリス達は夜の街へと消えていく。最後までラーゲッツの存在に気付くことなく。
ラーゲッツ「………なんだよ。
ランドールの言う通りだったってことか………。」
バルツィエの名はマテオでもっとも権力を握っている貴族として多くの者に知られている。大半の者はその権力と戦いに特化した力に畏怖し近付くのを避けるが中にはその力にあやかろうとすり寄ってくる者達もいる。婚姻関係はまさに打ってつけのすり寄り方だ。バルツィエの家の誰かと近しい間柄になれば虎の威を借る狐のようにその者も周囲に幅を聞かせられるようになるだろう。
そして強欲が過ぎる者はバルツィエの上下間でも選り好みしより上の力のある者を手に入れようとする。
今回ラーゲッツとリリスは見合いという形で出会った。ラーゲッツに来ていた見合いの話は家の格が下にはなるが他にも数十という数の申し入れがあった。バルツィエ程の家となるとそのようなことは当然のことだろう。その中から偶々リリスが相手だった訳だが………、
リリスは最初からラーゲッツなど眼中に無かったのだ。ラーゲッツを通じて他のバルツィエを狙っていたのだ。
フェデール「ラーゲッツ!!」
リリス達がいなくなってからフェデールがラーゲッツの元へとやって来る。
ラーゲッツ「………よぉ。」
フェデール「!
ラーゲッツ!
やっぱりここにいたか!
………………リリスは………?」
ラーゲッツ「………リリスなら他の男と今頃楽しくやってんだろうよ。」
フェデール「!?
他の男!?」
ラーゲッツ「女って何考えてるのか分からねぇよなぁ………。
一緒にいて楽しそうに笑ってるのを見て相手も俺と同じ気持ちなんだって自惚れてたよ。」
フェデール「じゃあリリスは………。」
ラーゲッツ「その内お前等にも紹介しろって言ってくるぜ?
アイツどうやらお前が本命みたいだしよ。」
フェデール「俺は………リリスとはそんな関係にはならないよ………。」
ラーゲッツ「どうしてだよ?
あんな上玉不意にする理由がねぇだろ。
俺なんかは
お前やランドール達の母親達も酷な真似するよな。」
略奪愛。略奪とは人が持つ価値ある者を奪う行為だ。奪われる側が価値のある者を持つがこそそれを奪いたくなる一部の人々の性だ。それは物に問わず友人やその立場に価値を見出だす者もいる。
ラーゲッツの父親はフェデール達の母親達と一度交際をし暫くしてからフェデール達の父親つまり他のバルツィエの同世代の者達に寝とられている。母親もラーゲッツの父よりも上から見初められるのならとラーゲッツの父を切り捨てて他のバルツィエの方へと行った。当然父は憤慨したが当時父はラーゲッツと同じでバルツィエの中でも一番弱い立場にあった。罵声を吐こうが腕付くで取り返そうとしようが無駄だった。
ラーゲッツは父と同じ一途を辿る最中だったのだ………。