テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ラーゲッツ「これから暫くは女になんかかまけてないで純粋にお前を追い掛けることにするぜ。」
フェデール「ん?
………どうしてだ?
リリスは最低な女だったがお前だけを見てくれる女性は必ずどこかにいるよ。
そう極端になることもないだろ。」
ラーゲッツ「俺は昔からお前のようになりたいと思ってたんだ。
お前のように懸命に生きられる奴が俺には眩しくてな………。
俺はお前のように輝きたかった………。」
フェデール「俺はそう褒められるような男じゃないけど………。」
ラーゲッツ「俺には輝いて見えてたんだよ。
だからお前と同じ様になりたくてお前が好きな相手を想って剣を握るように俺もそういう相手を作ろうとして………こんなことになった………。」
フェデール「………そういうことだったのか。」
ラーゲッツ「俺はそこからおかしかったんだ。
誰かを理由に強くなろうとするのがいけなかったんだよ。
お前は俺と違って相手に関係無く腕をつけていってる。
俺もそうなれるようにするわ。」
フェデール「心の拠り所を誰かに求めるのは悪いことじゃないよ。
人は一人だととても弱くなるからね。」
ラーゲッツ「お前は一人でも強いけどな。」
フェデール「これでもいっぱいいっぱいなんだよ。」
ラーゲッツ「そうは見えねぇけどな。」
フェデール「……何にしてもお前が立ち直れてよかったよ。
これからも宜しくな。」
それからのラーゲッツはひたすらに剣を振り続けた。体を鍛えフェデールに追い付こうと必死にもがいた。フェデールのように少々魔力で劣る程度であれば剣の腕を少し磨くだけでランドールを越えることは難しい話ではなかったがラーゲッツとランドールでは差が大きくランドールを越える実力を物にするにはかなりの時間がかかった。ランドールも格下のラーゲッツに負ける訳にはいかないと修練を積むようになったので更に時間を要した。
その状況はフェデールにとっては思惑通りだった。下の者を触発すれば負けじと上の者も追い付かれまいと自分を鍛える。そんな構図が出来上がればバルツィエの主戦力は益々上がっていく。フェデールが敵視する相手へ戦いを挑むにはまだまだ力が足りない。フェデールが危険視する敵は世界の総力を持ってしても勝てるかどうか分からない相手がなのだ。まだ相手が自分達を
フェデールはラーゲッツの可能性に賭けてみることしたのだ。
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八十年後
ラーゲッツがランドールを完全には越えられないまま八十年の時が過ぎた。ラーゲッツはあれから女性と付き合うこともなく修練を続けていた。
そんな時ダレイオスで変化が起きた。
フェデール「ラーゲッツ、
お前にダレイオス偵察の任務を与える。」
ラーゲッツ「俺がダレイオスに………?」
ある時フェデールがラーゲッツの部屋を来てダレイオス向かうように指示してきた。
ラーゲッツ「……ってーと
フェデール「あぁ、
先日ダレイオスの西にある都で謎の魔力の反応があった。
それを調べて来てほしいんだ。」
ラーゲッツ「謎の魔力の反応ねぇ………。
そういうことならバルツィエの誰かが行くしかねぇよな。」
フェデール「そうだ。
俺達以外の誰かに向かわせても
ラーゲッツ「片道切符か。
この状勢じゃあダレイオスの奴等よりもヴェノムの方が心配だからな。」
マテオでは八十年前のアルバートが消息を絶った辺りからヴェノムが出現し始めて各地で被害が相次いでいるが今のところはそこまで恐ろしいものではない。それがダレイオスとなるとどこにいてもヴェノムに襲われる脅威に晒される。彼方の国はヴェノム対策が八十年前からまるで進展しておらず今もヴェノムの被害を抑えることに手を焼いているのだ。
ラーゲッツ「それで今回は俺の他に誰が行くんだよ?
ユーラスかダインか?」
敵地に足を踏み入れる際は最低でも二人一組で行くことが義務付けられている。片方に何かあったとしてももう片方が情報を持ち帰るためだ。他にも二人の方が視野が広がったり戦闘でも互いをフォローして身を守りやすい。今回のダレイオス訪問もそうなるとラーゲッツは思っていた。
フェデール「いや………、
ユーラスもダインも別の任務を与えている。
ランドールもグライドも同じだ。
皆忙がしいんだよ。」
ラーゲッツ「は?
じゃあ俺の他に誰がダレイオスに向かうんだよ?
残ってるのはお前かアレックスくらいだがアレックスは大公として動くことは出来ねぇだろうし騎士団長のお前も騎士団を離れるなんて無理だろ?
マテオならまだ話は別だろうが………。」
ラーゲッツが考え付く限りダレイオスに向かえるバルツィエは自分以外にはいない。しかしそうなるともう一人が誰なのかが分からない。もしかすると先代達の中から代わりを補充要員として派遣するのかと思っていたらフェデールが予想外の返答を下してきた。
フェデール「今回のダレイオス派遣はラーゲッツ………、
ラーゲッツ「……………は?」
フェデール「それじゃあ準備が出来次第出発してくれ。
レアバードの方は此方で調整したものを用意しておく。
だいたい半年以内に戻ってきてくれればいいか「おい待て!」」
ラーゲッツ「俺が一人でダレイオスに行くのか!?
そんなんが上の連中が認めるかよ!?
アレックスだってそんな無茶なことは言わねぇだろ!?」
フェデール「そこは大丈夫さ。
この話は既に決定したことだ。
先代達もアレックスも容認している。」
ラーゲッツ「先代達が容認………!?
アレックスも………。」
急遽ダレイオスへと一人向かうこととなったラーゲッツ。ラーゲッツは普通では考えられない任務の内容に愕然としてしまう。何故ならこの任務はこれまでの前例を振り返ってみても死亡率が高くなる任務だからだ。
ラーゲッツ「(何でダレイオスに一人で向かわなくちゃいけねぇんだ………!?
ダレイオスにはその謎の魔力を持った奴だけじゃねぇ!
ヴェノムだってサムライだっているんだぞ!?
いくら飛行手段としてレアバードを使うって言ってもずっと飛び続けることは不可能だ。
マナが枯渇しないように地上に降りなきゃならなくなる。
それは敵に囲まれたも同然の状況に陥ることは目に見えているだろ!?
………それなのにこんな仕事が回ってきたってことは上の奴等は………、
俺のことを
………俺は上の連中に不要だって判決を下されたってのか………。)」
ラーゲッツはこの任務の裏には自身を切り捨てるために先代達からの死刑宣告をダレイオスを送るという形で下された指令だと思い絶望した………。