テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ランドール「何が精霊だよ!
親父達の代には痴呆しかいねぇのかよ!」
ガスッ!
ランドールが壁を蹴りつける。彼の正格と立場上自分よりも上に逆らうことはしない。が、不満が全くないという訳ではない。彼等に従って自身が得をするか損をするかで文句を言うこともある。それでも最後には自ら折れる。下手に噛み付いて面倒なことにでもなれば余計な仕事を押し付けられることが分かっているからだ。特に気に入れられるでも気に触るのでもなくなるべく自分にしていたいのだ。
そこに来てラーゲッツが自身を追い抜く話が持ち上がっている。現在の自分が座る椅子からずれ落ちるようなことにでもなれば今よりも多くの雑用仕事を任される可能性が高い。そんなことは許容出来ない。
ランドール「………何でフェデールはそんなにラーゲッツの野郎に固執するんだ!
アイツが上に上がったところで他の奴等がやる気になったりでもすると思ってんのか!?
俺は今の自分を変えるつもりはねぇぞ!!
………どうにかしてラーゲッツをその気にさせねぇようにしねぇとな………。
フェデールが言っていたのはラーゲッツがダレイオスでの任務を無事に果たせたらって言ってたな。
………だったらアイツが
アイツが任務を果たすことが出来なかったらラーゲッツ昇格の話を潰すことが出来る。
そうと決まりゃ俺が行かなきゃいけねぇところは
ランドールは黒い笑みを浮かべながらレアバードが収容されている倉庫にまで足を運んだ………。
王都レサリナス 貧民街
ラーゲッツ「………何で俺はこんなところにいるんだ………?」
街の中をフラフラとしていたらいつの間にか貧民街へと来ていた。普段このような場所に用も無いので足を踏み入れたことが無く自分がどの辺りをにいるのか分からなくなってしまった。
ラーゲッツ「………まぁレサリナスの街の中だしそう慌てることもねぇか。
暫くここら辺でゆっくりとしとくか………。
夕飯までには帰ればいいしな………。」
今は知り合いの誰とも会いたくない気分だった。追放と言う口実の追放処分が下り今知り合い会ってしまえば苛立ちをぶつけてしまいそうになる。
ラーゲッツ「(何で俺がこんな目に遇うんだよ………。
フェデールに比べて確かに俺には伸びしろが足りねぇのは分かる。
フェデールは子供の内にランドール達を越えることが出来た。
それなのに俺は八十年経っても未だにアイツ等を越えられないでいる。
アイツ等もアイツ等で力を伸ばしてるんだ。
そう簡単に越えられねぇのは当然だ。
それでも俺はこの八十年余所見することなく頑張って来た………。
それなのに俺は上にとって不要ってことか。
………フェデールはそれなりに気に入られてるしフェデールがこんな指令を出すとは思えねぇ。
やっぱり上の連中が出した判決例なんだろうな………。)」
一人で考えれば考えるほど真実とはかけ離れた答えしか導き出せないラーゲッツ。実際にはフェデールがこの任務をラーゲッツに与えたのは彼にチャンスを与えるためだ。バルツィエの上の者達だけでは単独派遣という無駄死にするだけの任務を与えたりすることは無い。序列最下位といえど戦力としては数に数えられる。アルバート一人の欠員はかなりの損失で今のフェデール達世代が中々結婚に前向きではないためバルツィエもそう易々と犠牲を出す訳にはいかない。それでもフェデールに強く推されて結局はフェデールの案を通してしまった。フェデールの提案はフェデール自身何のメリットもなく最悪アルバートが抜けて実質序列二位にまで繰り上がった彼の立場が落ちることもあり得るのだ。
ラーゲッツ「………何でフェデールはこんな作戦止めてくれなかったんだよ………。
アイツにとって俺は一体………「止めてください!」!」
物思いに耽っていると突然近くで女性の悲鳴が上がる。
女「こっ、こんなところで何をするんですか!?
人を呼びますよ!?」
男1「へっ!
人を呼んでどうするんだよ?
どうせ呼んでも無駄だよ。」
男2「憲兵がここまで来ることはねぇよ。
ここへは騎士の連中も見回りにはこねぇ。」
男3「もうよぉ?
逃げたり出来ねぇんだから尾前も楽しむことだけ考えればいいんだよ。
お前を助けたりする奴なんて誰もいねぇんだからなぁ。」
女「だっ、誰か助け「人がムチャクシャしてる時に胸糞悪ぃことしてんじゃねぇよ!」…!?」
ドゴッ!
男1「ぐぁっ!?」
ラーゲッツは高速で男の一人に近付き蹴り飛ばす。
男2「!
テメェ!」
男3「俺達の邪魔すんじゃ「あ”あ”?」ひっ………。」
男2「こっ、こいつ………ラーゲッツだ!!?」
男3「ラーゲッツ!?
バルツィエが何でこんなところに……!?」
ラーゲッツ「とっとと失せろ!
小汚ないハイエナ共がッ!」
男2・男3「「ヒッヒィアアアアアア!!!?」」タタタッ…!
男1「まっ………待て………俺を置いていくな………!」
ラーゲッツを見て竦み上がった男達は一目散に退散していく。残されたのはラーゲッツと襲われていた女性だけになった。
女「………!!」ブルブル…
ラーゲッツ「………」
女の衣服は至るところを破られ肌の露出箇所が酷かった。柄の悪い男達に絡まれ一生物のトラウマが植え付けられたことだろう。それなりに整った顔立ちをしているせいで不幸な目に遇ってしまったものだとラーゲッツは同情する。現在は自分も不幸な任務を与えられているのだが………、
女「………やっ、」
ラーゲッツ「あ?」
女「………やっ、止めて………。
乱暴なことはしないで………下さい………。」
女は今度はラーゲッツに襲われると勘違いしてしまいラーゲッツにそんなことを言ってきた。
ラーゲッツ「俺をあんな連中と一緒にすんじゃねぇよ。
俺はお前なんか襲ったりしねぇよ。」
女「でっ、でもバルツィエの家の人達は平気で街の人達を………。」
ラーゲッツ「そういう奴も家にはいるがな。
俺はそんなことしねぇよ。
………それよりもお前こんなところで一人でいるとまたさっきみたいな目に遇うぞ。
早く帰んな。」
女「!
………はっ、はい!」タタタッ…
女はお礼も言わずに去っていった。ラーゲッツ自身過去のリリスの件もあってあまり女性と関わり合いになりたくなかった。
ラーゲッツ「………相変わらずアルバートがいなくなった後の家の評判は悪いままだな………。
………まぁもうそんなの俺には関係なくなるか………。」
結果的に人助けをしたラーゲッツだったが彼にとっては鬱憤を男達にぶつけただけだった。女が何も言わずに去っても特に気にすることはなかった。
レイディー「(………アイツにも意外な一面に遭遇しちまったな………。
アルバートがいなくなった後のバルツィエは腐りきったもんだと思ってたがまだそうでもない奴がいたのか………。)」