テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ゲダイアン跡地
ラーゲッツ「………なんてことはなさそうだな。
ダレイオスとのマテオとの抗争はダレイオス陣営の九の部族がそれぞれどの部族がこの世界を治めるに相応しい部族なのかという拘りから始まった。九の部族はどこも自身の部族こそが他の部族よりも優れ他の部族より上位の存在であることを訴え認めさせようと争いを続けた。それが拡大して古代のカーラーン大戦に繋がり不毛な戦いは現代まで引き継がれる。戦いが長く続けば戦いに嫌気が差して戦場から逃げ出す者達も出てくる。それがマテオの国民達の祖先だ。マテオの建国以前は九の部族から離れた各部族の者達が力を合わせて一つの街を作ったがそれに目を付けたダレイオスの部族達が街ごと奪い自分達の支配下に置き戦場で使用するための武器や魔道具を作らせようとしてきた。それに対抗するためマテオ、バルツィエ、ゴールデン、カタストロフの初代の家々が立ち向かいダレイオスの部族達を退けてきた。そうして守られてきたマテオはやがて部族同士の血など関係なく子孫を作りダレイオスの者達が嫌う混血のみの国となった。ダレイオスの者達からはハーフエルフなどと見下されているがマテオの住民達からしてみれば純血に拘り争いをいつまでも続けることが無意味なのだ。争いを止めれば互いの長所と長所を掛け合わせて今よりももっと先の力や技術を得ることが出来る。マテオはそうして発展してきたのだ。現状もマテオとダレイオスではマテオが優勢なのがその証拠である。
ラーゲッツ「奴等の混血嫌いは根が深いな………。
カタストロフ公爵が仲裁のためにダレイオスに建てたカーラーン教会も奴等にとっては目障りでしかなかったってことだ。
何か新しい魔術でも開発しようとしてその実験台にカーラーン教会にぶっぱなそうとしたが予想以上に威力が高過ぎて結果街もろとも吹き飛ばした………ってところか?」
ダレイオスにカーラーン教会が設置されている背景は何度もマテオに干渉してくるダレイオスの部族達の矛を収めさせるためにカタスティア=クレベル・カタストロフ公爵が交渉した成果だ。一応はマテオの公爵の位は与えられてはいるが彼女はマテオとダレイオスの戦争に加担せず中立を貫き両陣営の架け橋になるように働いている。公爵が必死にダレイオスの部族に語りかけたおかげで九の部族達は一度は槍を収めたが今度はその全てがマテオへと向けられる形となった。これについてはマテオが力を付けすぎたことも原因だがそういう流れに差し向けたのはカタストロフ公爵の働きが大いに関係している。マテオ側からしてみたら九に分裂した相手よりも一つに纏まっていた方が話しがしやすくなるため良い方向へと持っていけたと当初は喜んだがダレイオス側は変わらずマテオの属国化を要求してくる。とても受け入れられる要求ではなくマテオとダレイオスの確執は二百年以上経とうとも残り続けたままだ。
ラーゲッツ「(………そんなに血が違うことが駄目なのかよ。
カーラーン教会の奴等はお前達ダレイオスから見れば俺達と同じ血が流れているエルフだ。
ハーフエルフが嫌いなら何でお前達はハーフエルフを産んだ?
殺したい程嫌うんなら始めからハーフエルフを産むんじゃねぇよ………。)」
ラーゲッツはダレイオスのエルフ達の理不尽さに怒りを抱く。この世に生まれるのに子は親を選べない。カーラーン教会に身を寄せているハーフエルフ達の大半はダレイオスのエルフ達が産んで直ぐに捨てた者をカタストロフ公爵が引き取っていると聞く。公爵自身は
ラーゲッツ「………一先ずは任務は完了か………?
フェデールにでも報告入れとくか。」
ラーゲッツは通信機でフェデールに連絡することにした。
……………………………………………………………………
フェデール『………そうか。
西の都市がそんなことに………。』
ラーゲッツ「この惨状じゃあもう砦どころか人が住めるような環境じゃねぇな。
恐らくこれをやった奴も死んでるだろうぜ。
こんな大破壊は人が扱える限界を越えてる。
この爆発にマナを全部吸い付くされて消滅したか廃人になってそこら辺でくたばってるかだな。」
フェデール『………その可能性が濃厚だな。
何にしてもお勤めご苦労様。
ダレイオスでは何か問題が発生したりしなかったか?
ダレイオスの奴等と衝突したりとかは………?』
ラーゲッツ「いや………。
特に何も無かったな。
結構街の近く飛んでたんだけどな。」
フェデール『お前を警戒して通したんじゃないのか?』
ラーゲッツ「………どうもそうみたいだな。
何故か異様に警戒されてるみたいだ。
これまでとは警戒レベルが段違いだ。
こんなことは今まで無かった。
ダレイオスにそこまで警戒されるようなことはマテオはしてない筈だよな?」
フェデール『此方側は………ヴェノムが出現してからは偵察くらいで何か仕掛けたりとかはしてないが………。』
ラーゲッツ「………お前が知らないんなら何も無いんだなよな………?」
フェデール『アレックスにも確認してみるが俺達からは何もしてないよ。
単に何か持ち帰られると不味い情報でも握ってたんじゃないか?』
ラーゲッツ「と言うと………?」
フェデール『その西の都市の破壊を実行に移した魔術とかさ。
もしそんなものがあればお前にそれを持ち帰られるとヤバイだろ?』
ラーゲッツ「いやいやだから術者はここで………。」
フェデール『術式はまだ生きてるってことも考えられないか?』
ラーゲッツ「!?
街一つ消す術がまだ残ってるって言うのかよ!?
そりゃヤベェじゃねぇか!?」
フェデール『別に俺達にはそこまで驚異を感じる程のことでもないだろ?
そんな術があったとして使われる場所はダレイオスでだ。
ダレイオスとの戦争が始まってから一度としてダレイオスの奴等がマテオの地を踏んだことがあったか?』
ラーゲッツ「そりゃ………ねぇけどよ。」
フェデール『もう少しすればあの
どんなに威力を増大させようともヴェノムの力を手にさえすればそんな魔術も効果を為さない。
ダレイオスに付け入る隙は無いよ。』
ラーゲッツ「それは………しかしよぉ………?」
フェデール『………とにかくこの件に関しての調査は終了だ。
ラーゲッツは怪我しない内に戻っておいでよ。
帰ってきたらお前に良い報告があるからさ。』
ラーゲッツ「俺に良い報告………?
何だよそれ。」
フェデール『それはお前が帰ってきてからのお楽しみさ。
無事に帰り着くまでが任務だよ。』
ラーゲッツ「…勿体振りやがって………。
何のことか帰ったら聞き出してやるぜ。
それと鈴の件もな。」
フェデール『あぁ、
約束だからね。
必ず話すよ。
だからお前は早く帰ってきな。』
ラーゲッツ「………そうだな。
早めに帰るとするぜ。」ピッ、
ラーゲッツはマテオへと帰還しようとレアバードを起動させる。何か悪いことでも起こるのではないかと不安があったが何事もなく目的地に辿り着き無事任務を終えた。このまま何も無くマテオへと帰れるのだとラーゲッツは思った。