テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
イクアダにてニコライトから深傷を負わされるがそれを乗り越えてカオスは降参させる。
降参したニコライトはプライドを傷つけられ追い討ちをかけるがそれをカオスは…。
要塞都市イクアダ 北門
「カオス、今貴方はあの子の技を………?」
「飛葉翻歩って言ってたね。
昔おじいちゃんと剣術の稽古してたときにおじいちゃんが使ってたのを見たことがあったんだ。
あの時はどうやってるのか知らなかったけどニコライトが調子に乗って教えてくれたから直ぐに真似できたよ。
もういつでも使えるさ。」
「見ただけで使えるものなのでしょうか?」
「俺もよく分からない。
難しそうな技ではあったけど、何故だか不思議と体に馴染みやすかったんだ。
ニコライトもあれだけ見せてくれたからね。」
「………カオスは相手の体術を盗めるのですね。」
「流石にモンスターとかは無理だけどね。
人の形をしていたらなんとかなりそうだよ。」ツー
「!?それよりもカオス血が………!?」
「え?あ、本当だ。
またたくさん出たな。
タレスにやられたときよりも出てるね。」
「平気なのですか?」
「………ちょっとギリギリかも。
このリングがなかったら終わってたな。」
「リング………?」
「カストルにいたときに漆黒の四人がくれたんだ。
フォースリングっていって物理ダメージを減らしてくれるマジックアイテムらしいよ。」
「それのおかげでカオスは無事だったのですね。」
「そうそう、このリングもらったときは手配書のことでいっぱいいっぱいだったからすっかり装備してたの忘れてたよ。
そうだこのリフレクトリングとフェアリィリングはアローネが装備した方がいいよ。」
「リフレクトリングとフェアリィリングですか?」
「片方は属性攻撃を、もう片方はマナの消費を削減してくれるアイテムなんだ。
二つとも俺よりもアローネの方が効率的だしね。
魔術を使うからマナも俺達よりも多く減るだろうし後衛だから魔術から狙われやすいだろうし。」
「そう言うことでしたら私がいただきますが………。
カオスは直ぐに治療を!」
「助かるよ。」
「ニコライトは………」
「大丈夫だよ、気絶させただけだから。」
「そうですか。
とてもお強い子でしたね。」
「あぁ、今までの中でも一番強い強敵だった。
戦いで死にかけるなんて十年ぶりだな。」
「これがバルツィエの………
いえ、子供ですからこのニコライトよりもさらに強い方々がバルツィエには………。」
「そうなるのかな。
お兄ちゃん達がいるようだし。」
「このまま王都に向かってもいいのでしょうか………。」
「………今はその話は後回しだよ。
人は少ないようだけどこのニコライトを見たら騎士が直ぐにでも飛んでくる。
タレスも気絶してるし戦いになったらヤバイ。
イクアダが見えなくなるくらいには離れよう。」
「そうですね。
分かりました。」
「俺もタレスを担ぐよ。
反対側の肩を
「…」
………!!?」バッ
「カオス?どうなさいました?」
「………今誰かに見られていたような………?」
「先程の戦闘で都市の中にいる何方かが此方を窺っておいでなのではないでしょうか?」
「………そうかもね。」
「そんなことよりもタレスを早く安全なところへ
まだ治療は途中ですから。」
「…そうしよう。」
要塞都市イクアダ 北門上部
「ニコライトの奴やられたんだなぁ、アイツらに。」
「宜しいのですか?」
「ん?何がだい?
セバスチャン。」
「あの三人のうちの二人は手配書のカオス=バルツィエとアローネ=リム・クラウディアとお見受けします。
追手を放った方が宜しいのではないでしょうか。」
「何言ってるんだよ。
ここは要塞都市でその領主様がこの北門を人払いさせたから俺達しかいないんだろ?
領主様が直々に賊を捕らえに行ったんだ。
邪魔しちゃ悪いって。」
「ですがニコライト男爵は。」
「あぁ、やられちまったな。
城主としての判断がまだまだってこったな。
こんなときのことを考えてねぇ。
でもいいんじゃないか?
こういう経験も後々必要だろうしな。
いい薬になったと思うぜ?
今まで負け知らずのバルツィエが初めての敗北でどう変わるかが今後の期待だな。
プライドが粉々だろうぜ。」
「幼いとはいえバルツィエの騎士を討つ程の手練れ。
疲弊している今が捕らえるチャンスかと。」
「余計なことすんなって。
俺達は運よくこの都を訪れて運よく面白いものを見学出来たんだ。
これ以上望むと運がいつひっくり返るか分かったもんじゃねぇ。
………フッ、まぁオーギワンのボヤ騒ぎを聞き付けてもしやと思って張っていた甲斐があったからそれでいいじゃないか。」
「畏まりました。
それでは賊はこのまま野放しということで。」
「安心しなって、どうせアイツら王都に向かってるからそこでブラムと落ち合うつもりなんだろう。
亀車で先回りしちまえば問題ないだろ。」
「彼等は王都へ進行しているのですか?
しかし王都は…。」
「彼処は俺達バルツィエの巣窟だ。
一度罪人が入ったら二度と出られねぇよ。
そうとは知らずにノコノコと入り込もうとしてるアイツらは………フフフ。
それにしてもあの身のこなし、
間違いなくバルツィエの………アルバートの子供だな。」
「これからどうなさるおつもりですか?
フェデール侯爵。」
「もうこの都での用事は済ませた。
後は帰るしかないだろ?
俺もお前も。
さっさと亀車手配してこい。」
「御意に…。」カツカツカツ
「(アイツのあの瞬時にマネして見せる技量………。
詰め込めばとてつもない化け物が出来上がるかもな。
………その機会が来ることを楽しみに待つとするか。)」
グラース国道
「………う、ううん?」
「お?
起きた?
タレス?」
「………ここは?」
「イクアダから北に歩いてったところだよ。」
「イクアダ………?
………!
ボクは…!?」
「安心してください。
ニコライトはカオスが倒しました。」
「あのニコライトを………?」
「えぇ。」
「それよりもタレス、ちょっと地図見てくれない?
どこ歩いてるのか全然分からないんだ。」
「………待ってください、今…。」ゴソゴソ
「………タレス………地図が。」
「スミマセン、
ボクの血がついてて見えにくいですね。」
「先程は非常時でしたので仕方ありませんよ!
タレスが無事生きてたことが救いです。」
「………それについてはどうして………?
こんなに血が出てたのに…。」
「私の治療魔術とカオスの機転で助かりました。」
「カオスさんの………?」
「これだよ。」
「これは………リトビアでの。」
「あぁ、いい思い出だったからとっておいたんどけど使うなら今しかないって思ってね。
使わせてもらったよ。
ライフボトル。」
「……。」
「いやぁ~、これがなかったらどうしようかって困ってたよ。
気絶してるからアップルグミは食べられないし傷口はアローネの魔術とパラディンマントで塞いだけどタレスの体温がどんどん下がっていって焦ったしで。」
「それでこのマントが……。」
「まだ病み上がりですからそれで体温が下がるのを防げますよ。
一応血は一度洗い落としましたが完全に綺麗にはとれませんでした………。」
「いえ、今回はボクがまた足を引っ張ってしまったようで申し訳ありません。」
「何言ってるんだよ。
さっきのアイツはみんなしてヤバかったじゃないか。
足を引っ張る引っ張らないじゃないぞ。」
「お守りすると言っておきながらいつも守られてばかりでボクは………。
今回もカオスさんがあのニコライトを倒したようですし。」
「俺とニコライトは相性が良かっただけだよ。
今回のはただそれだけだって。」
「ニコライトと相性がいい………?」
「といっても油断したところに一発入れて気絶させただけなんだけど。
子供だったから簡単に気を失ったし。」
「子供とはいえバルツィエを………。」
「次も上手くいくかは分からないからね。
俺がやったのはこんな………」ヒュッ!
「「!?」」
「後ろから当てたくらいなんだよ?」
「え!?今のはボクがやられた……!?」
「飛葉翻歩って技だよ。」
「どうしてカオスさんが使えるんですか!?」
「なんか真似してみたら出来るかなぁ~てさ。
思った以上に使いやすいんだよこれが。
足の裏にマナを集中させてさ。
スッ!って。」
「足の裏に………?」
「簡単でしょ?」
「………無理ですよ。」
「私も風属性の技らしいのでやってはみましたが体のバランスが上手くとれずに転んでしまいます。」
「そっかぁ、みんな使えたら楽しそうだったのになぁ。」
「よくこんな技を真似できましたね。」
「………ちょっと昔のことを思い出してさ。」
「昔?」
「そう、
この技を見た瞬間昔にやってた剣術の稽古の時を………。」