テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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ロベリアという女の望みは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「…急に何言い出すんだよ。

 停戦中とはいえマテオとダレイオスの決着はまだついてねぇだろうが。

 どちらかが敗北するまで戦争が続くのは当然だ。」

 

 

 ロベリアが発した言葉に今まで疑問を持たずに生きてきた。生まれた瞬間から既にマテオとダレイオスは戦ってきた。マテオが国として建国したのは二、三百年前だがマテオの大陸に最初の避難民が逃げてきてからは千年前にも遡る。最早マテオとダレイオスが戦うのは当然のことだと思っていた。

 

 

ロベリア「どうして決着をつけなくちゃいけないの?

 二つの国は地図で見ても海を挟んで別々の土地じゃない。

 争う必要がどこにあるの?」

 

 

ラーゲッツ「そりゃお前ダレイオスから仕掛けて来たんだからダレイオスの上の連中に言えよ。

 俺達マテオはお前等ダレイオスに侵略されないように応戦してきただけだ。

 今は俺達の方が優勢だしこっちから戦争を止める理由がねぇよ。」

 

 

ロベリア「何なのそれ?

 私はマテオから戦争を吹っ掛けてきたって教えられてきたけど?

 マテオの初代王家のエルフがダレイオスの人達の中から選りすぐりの人材を集めて洗脳してダレイオスを支配しようとしてるって。」

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「それこそ洗脳教育だ。

 マテオのエルフ達はマテオ王家とバルツィエ、ゴールデン、カタストロフの家が自分達が生み出したにも関わらず冷遇扱いされるハーフエルフを見兼ねて一部の共感した奴等を引き連れてマテオに逃げてきたんだ。

 それをしつこく追っ掛けてきて奴隷にしてこようと攻めてきてんのがダレイオスだ。

 九の部族達も自分達が他の部族と戦って数を減らすよりもどうでいい奴隷達が死んででも敵の数を減らしてくれれば大助かりなんだろうしな。

 ダレイオス連中の本命は俺達じゃなくて他の部族を蹴落とすことだ。

 自分達の部族から犠牲は出したく無いって思うのが普通だろ?

 戦いに巻き込まれてんのはこっちの方だぜ。」

 

 

ロベリア「嘘………?

 それ本当のことなの?」

 

 

ラーゲッツ「エルフとハーフエルフ。

 このフレーズだけでどっちが先に生まれたか分かるだろ?

 戦いの歴史を始めたのはエルフの方なんだよ。

 エルフの差別意識がマテオとダレイオスの戦争を生んだ。

 それに嫌気が指してマテオへと避難したのが俺達の先祖だ。

 お前が教えられてきたのは歪められた歴史だ。

 俺達マテオは身を守ってきただけだ。」

 

 

 歴史とは必ずしも正確に後世に伝わるとは限らない。正しく伝えてしまった場合戦いに不要な正義感を持つ物が内輪を乱す可能性がある。そうした者が出てしまうと一団としての士気が崩れ敵に付け入る隙を見せてしまう。思想を統一するためには後続に偽りの情報を流して敵を敵と認識させておく必要がある。こういった話はどこにでもよくある話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「………それじゃあやっぱり私達って生まれや育ちだけで戦わされてきたってこと………?

 マテオとダレイオスがこれ以上戦い会う意味なんてあるの?

 何でそこまでして戦おうとするの?

 ………自分達と違うから………?」

 

 

ラーゲッツ「…違う違わないなんて話はもうどうだってよくなってるんだよ。

 始めは世界樹カーラーンを巡って争いをしだしたみたいだけどな。

 その世界樹さえも大戦中に消失した。

 だが世界樹は消えたが世界樹を奪い合った記憶は消えはしない。

 一度敵と定めたら後はひたすら敵のままだ。

 何か大きく状況が動かない限りそれが続く。

 …今は俺達マテオだけに標的を絞ってお前達は仲良くしてるようだごな。」

 

 

ロベリア「…全然仲良くなんてないよ。

 同盟なんて表だけの話で裏では今も九つの部族はいがみ合ってる………。

 自分達以外は信用することなんて出来ないんだよ………。」

 

 

ラーゲッツ「そこはお前達ダレイオスの連中が純血に拘るからだ。

 マテオで医学的に調べた結果の上では九の部族のエルフ共はな。

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 どの系統の魔術が得意かなんて些細な誤差でしかねぇ。

 それをずっと認められねぇ阿呆共が古腐った価値観に縛り付けられてほどこうとしねぇからお前達はいつまで経っても一緒になれねぇ。

 俺達マテオ側もそんな奴等と仲良くなんて出来やしねぇよ。」

 

 

ロベリア「………………私………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マテオに行ってみたいな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「………お前がマテオに………?

 ………何でだよ。」

 

 

 ロベリアから思っても見なかった言葉が飛び出しラーゲッツは驚く。

 

 

ロベリア「マテオって今ではもうダレイオスとも遜色無い………ううんダレイオスよりも凄く発展して来てるんでしょ?

 マテオは行ったことはないけどあのレアバードっていう乗り物とか見てたらダレイオスなんよりもずっと先を進んでる。

 それってマテオの人達が手を取り合って協力してきたおかげでしょ?

 マテオがダレイオスよりも後に作られた国だってことは知ってる。

 マテオが出来た時はダレイオスよりもずっとずっと人口だって少なかった筈なのに今では同じかそれ以上に人がいることも。

 それってダレイオスみたいに人と人の垣根が無いからそんなふうに慣れたんでしょ?

 それって素敵なことだと思うの。

 私もそんな人達がいるところに行ってみたいな………。」

 

 

 ラーゲッツは目を見開きロベリアを見詰めた。ダレイオスのエルフでマテオに憧れを抱くような者がいたことが信じられなかった。

 

 

ラーゲッツ「…夢を抱き過ぎだ。

 マテオもそう誉められたもんじゃねぇよ。

 お前が想像するようなもんは所詮空想だ。

 マテオはマテオで汚いところは汚いもんだ。

 お前がマテオに行ったところでガッカリするだけだぞ。」

 

 

ロベリア「………それでもね。

 私はマテオに行きたい………。

 マテオに住んでみたい………。

 マテオならきっとうちのような………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()………!」

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