テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ラーゲッツ「一日二日で人が死ぬかよ。
俺はそこまでヤワじゃねぇよ。」
ロベリア「何言ってるの!
ダレイオスじゃ八十年前からヴェノムが徘徊してて危険なんだよ?
一日二日で人が死んでも何も不思議じゃないんだよ?
ここもいつヴェノムに襲われるか………。」
ラーゲッツ「………にしては俺がここに来て一日経ったがヴェノムの姿を見ねぇな………。
他のところを上空から見て回ったがここはそんなにヴェノムがいねぇ気がするな………。
何かあんのか?」
ロベリア「あぁそれはね。
…自慢にならないけど私達フリンク族って他の部族よりもマナが少ないからヴェノムが他の部族のところに行っちゃうの。
フリューゲルの隣には九の部族でも二番目にマナが高いとされるブルカーンと三番目のアインワルドがいるからそっちの方に流れて行っちゃうんだよ。」
ラーゲッツ「そうなのか?
そう考えると案外力が無い方が得するのかもな。
バルツィエも昔から………。」
ロベリア「昔から?」
ラーゲッツ「………だから何で俺のところに来るんだよ!?
お前の要望には応えられないって昨日言っただろうが!」
つい話に乗っかって受け答えしてしまったがロベリアがここへ来た目的は分かっている。ラーゲッツがマテオへと帰還する際にそれに同行するつもりなのだ。
ロベリア「私があの程度で断念すると思う?
そんなに諦めが良い方じゃないの私は。」
ラーゲッツ「…口で言って分からねぇなら実力行使しか手はねぇんだがな………。」
ロベリア「実力行使って何するの?」
ラーゲッツ「そんなもん………………。」
ロベリア「………」
ラーゲッツ「………………女なんかに手は上げねぇよ。
俺の気が短くならない内にフリューゲルに帰りやがれ。
お前もそう何度もこんなところに来てたら家のもんが心配するだろ?」
ロベリア「………
ラーゲッツ「ブッ!?」
ロベリアがラーゲッツが言わないようにしていたことを平気で口にする。まさか自分からそんなことを言い出すとは思っていなかった。
ラーゲッツ「ばっ、馬鹿か!?
何言ってんだテメェ!!
女が自分からそういうこと言うんじゃねぇ!!」
ロベリア「えぇ~?
でも昨日ツッゲーラが言ってたことじゃん?
襲うとか襲われるかとかさぁ。」
ラーゲッツ「俺は………物の喩えで言っただけだ。
不用意に敵に近付くもんじゃねぇよ。
恩を売ったつもりかもしれねぇがそんなこと気にしない奴だったらどうするんだ。
お前襲われて逃げ帰られるだけだぞ。」
ロベリア「自分からそう言う辺りツッゲーラは大丈夫そうだね。
ツッゲーラはそういうことしないって信じてるよ。」
ラーゲッツ「…何でそこまで信用されてんだよ………。
昨日今日会ったばかりの仲だぞ俺達。」
ロベリア「………直感なんだけどね。
ツッゲーラはそういうことしそうにないなぁって………、
それかそういうこと
ラーゲッツ「あぁ?
何だよそれ。」
ロベリア「昔何かあったの?」
ラーゲッツ「…どうしてそれをお前に話さねぇといけねぇんだ?」
ロベリア「やっぱり何かあったんだ………。」
ラーゲッツ「……!?」
ロベリアと話をするとどうにも言うつもりが無いことまで話をしてしまいそうになる。このままロベリアと話を続けていれば失言しかしないと思ったラーゲッツは無言で立ち上がり小屋を出ようとする。
ロベリア「どこに行くの?」
ラーゲッツ「…通信機を探しに行くんだよ。
まだ見つけ出せてねぇからな。」
ロベリア「それなら私も行くよ。
二人の方が早く見つけ出せるしね。」
ラーゲッツ「ついてこなくていい!
俺一人で探す!」
強く言い放ちラーゲッツは一人でレアバードが墜落した場所へと向かった。
ロベリア「あっ!
ちょっとまってよ!
ツッゲーラ!!」
ラーゲッツ「(………ツッゲーラ?
誰のことだよ………?
………俺のことだったな………。)」
……………………………………………………………………
ロベリア「ねぇ通信機ってどんな形なの?」
ラーゲッツ「……ハァ………。
手帳と同じぐらいのやつだ。」
ロベリア「手帳?
両手ぐらいの大きさ?」
ここまで面倒見がいいロベリアがラーゲッツと一緒になって通信機を探そうとすることは分かっていた。いくら一人になろうとしても彼女はついてきてしまう。出来る限り無視しようとはしているがそれでもめげずにロベリアは構ってくる。一宿一飯………食事に関しては何か出されたりはしてないが寝床を用意されたのは事実だ。そう邪見に扱うのは気が引ける。
ラーゲッツ「………」
ロベリア「ねぇツッゲーラ。」
ラーゲッツ「………」
ロベリア「ツッゲーラ?」
ラーゲッツ「………」
ロベリア「ツッゲーラったら!」
ラーゲッツ「………」
ロベリア「ツッゲーラ「だぁぁぁぁ!!うるせぇ!!分からねぇんならじっとしてろ!」」
しつこく呼ばれてラーゲッツはロベリアを怒鳴る。
ロベリア「何よ!?
人がせっかく一緒に探してあげてるんじゃない!」
ラーゲッツ「そんなこと誰が頼んだ!?
俺は一人で探したいんだよ!!
お前はそこら辺で休憩でもしてろ!」
ロベリア「何をそんなに怒ってるの?
一人で探すよりか二人で探した方がいいじゃない!」
ラーゲッツ「余計なお世話だ!
俺に借りを作ろうったってそうはいかねぇぞ!
通信機だけは俺が一人で見つけてやる!
お前の出る幕はねぇ!!」
ロベリア「本当に一人で見付けられるの?
この森結構広いよ?
あのレアバードだってどの辺りから落ちてここまで来たのかツッゲーラ分かるの?」
ラーゲッツ「そんなもん分からなくても通信機はいつかは見つかるっての!
不時着するまでは通信機は肌身離さず持ってたんだしな!」
ロベリア「………壊れてたりしない?」
ラーゲッツ「………!?
それは………。」
ロベリアの指摘に息を呑んだ。通信機さえ見付かればマテオに帰れると思っていたがもし不時着の影響で通信機まで故障していたらもうどうすることも出来ない。
ラーゲッツ「………」
ロベリア「………………あのさぁ………、
ご飯とか食べてないでしょ?
私お弁当持ってきてるから一緒に食べよ?
イライラしてるのって多分お腹空いてるからだよ。」
……とうとう一飯も御相伴に預かることとなってしまった。ますますロベリアには頭が上がらなくなることにラーゲッツの不安がどんどん大きくなっていった………。