テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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少し打ち解けて

リスベルン山 山小屋 二日目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「(…昨日から俺が普通に暮らせそうな場所を探してみたがマテオにそんなところがあるとは思えねぇ。

 ってか先ずどうやってバルツィエに知られずにマテオに帰るかが問題だ。

 マテオとダレイオスの大陸が繋がってるのは北部のシーモス海道のみ。

 陸伝いじゃシーモス砦にいるマテオの騎士団とダレイオス側にいるアイネフーレが通せん簿してやがる。

 シーモスからじゃマテオに戻れないのは明確。

 ならダレイオス東南のミーア族から船を奪ってひっそりとマテオの南側に………?

 いやだが………。)」

 

 

 一度考えたらそれの実行に向けて本気で計画を練。ラーゲッツにとってはそれほどまでにレサリナスでの生活が窮屈に感じていた。生まれた瞬間から大人になってその後までの全てを決められた人生など牢獄でしかなかった。抜け出せるならこの時を置いて他にはないとそう思った。

 

 

ラーゲッツ「もし俺が住むんだとしたらマテオの南側だ………。

 南側は例のあの村のように他にもまだ見付かってない村がある筈だ。

 そこさえ見付けりゃ後はマテオの状勢を教えて騎士団に見付からないようにさせる。

 それが出来たら俺はそこの住人としてのんびりと………。

 ………それを実行に移すには早い段階で船を手に入れるしかねぇ。

 俺がレサリナスで死亡扱いを受けるのを待ってたらそういった村も発見されちまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………早めにここを出ねぇとな。」ガチャッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「お早う。

 通信機見付かった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人でバルツィエからの脱走を企ててると昨日と同じ様にロベリアが小屋に入ってきた。

 

 

ラーゲッツ「………お前また来たのか?

 そんなに暇なのか?

 何度もここに来てもお前が面白いと思うようなもんはねぇぞ。」

 

 

ロベリア「そんなことはどうでもいいんだよ。

 私はここに来たいから来てるだけだし。」

 

 

ラーゲッツ「…そりゃお前の勝手だが俺は特にお前に用はねぇ。

 お前の相手なんてしてられねぇんだよ。」

 

 

ロベリア「それで通信機は見付かった?

 マテオへはいつ帰れそうなの?」

 

 

ラーゲッツ「あぁ通信機なら………………。」

 

 

 ここでラーゲッツはロベリアがしつこくマテオへ同行させろと要求してきており自分とロベリアでは絶対的に目的地が正反対であることを思い出した。

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「(コイツ…………、

 コイツが行きたいのはレサリナスみたいな栄えた場所だろう。

 辺境に連れてってもダレイオスとそんなに変わらねぇしな。

 コイツはレアバードでマテオに行きたいようだが俺は船でこっそりとマテオに渡りたいんだ。

 コイツを連れていくことは出来ねぇ………。

 ………なら………。)通信機は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………まだ見付かってねぇよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「え!?

 見付かってない!?

 嘘………!?」

 

 

ラーゲッツ「何をそんなに驚いてんだよ?

 一人で探しても見付からないって言ってたのはお前だろうが。」

 

 

ロベリア「あ…!

 そっ、そうなんだけど………。」

 

 

ラーゲッツ「またこれから探す予定だ。

 今日は昨日よりももっと遠くの場所まで探そうと思ってる。

 つまらねぇ手間作業になるからお前は帰って「私も探す!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「一日探して見付からないってマズイでしょ!?

 もしかしたらモンスターとかがどこかに持っていってるかもしれないし早く見つけないと無くしちゃうよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「急にどうしたんだアイツ?

 あんなに慌てて………そんなに俺が本部に連絡出来なくなるのが惜しいのか?」

 

 

 ロベリアは外に駆け出していったが彼女がいくら探したとしても通信機は見付かる筈がない。

 

 

ラーゲッツ「………通信機ならもうここにあるんだがなぁ………。」

 

 

 部屋の中にある引き出しを開けて中にある通信機の有無を確認する。通信機はある。この中にあるのならモンスターなどに持っていかれることはない。

 

 

ラーゲッツ「通信機が見つからなければアイツもその内飽きて諦めるだろう。

 それまでの辛抱だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 期待に胸膨らませてるところ悪いが俺はお前を連れてく訳にはいかねぇんだよ。」

 

 

 ラーゲッツは引き出しを閉めてロベリアの後を追った。ロベリアには通信機が既に手元にあることをラーゲッツは伝えない。彼女が根を上げるまでラーゲッツは自分も通信機を探すフリをすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「………ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「………どこ………?

 どこに行っちゃったの………?

 昨日はここに置いて帰ったのに………。」

 

 

 ロベリアに追い付くと彼女はラーゲッツが昨日通信機を見付けた付近を探していた。

 

 

ラーゲッツ「そこには無かったぞ?

 昨日俺がこの辺りをくまなく探したからな。」

 

 

ロベリア「それいつの話!?」

 

 

ラーゲッツ「は………?

 ………お前が帰ってから大分経って暗くなりだした辺りだったな………。」

 

 

ロベリア「………じゃあ私が帰ってツッゲーラがここを探しに来るまでに動物かモンスターが通信機を………。」

 

 

ラーゲッツ「んん?

 お前もしかして通信機発見してたのか?」

 

 

ロベリア「え………!?

 それは………。」

 

 

ラーゲッツ「何でそれを俺に教えなかったんだ。

 見付けた時点で俺に報告してくれりゃよかったじゃねぇか。」

 

 

ロベリア「だっ、だって………えっとぉ………!

 

 

 ………そっ、そう!

 あれが通信機だって分からなかったんだもん!

 仕方ないでしょ!?」

 

 

ラーゲッツ「仕方ないって………おい………。」

 

 

ロベリア「どっ、どうしよう………。

 ここに無いってことはもうどこにあるのか分からないよね………?

 この辺りに住んでる動物かモンスターが通信機持ってちゃったんだと思う………。」

 

 

ラーゲッツ「そうだなぁ………。

 まいったなぁこりゃあ………。」

 

 

 心の中では全然まいってなどいなかった。通信機は無事に見付けてあるのだ。

 

 

 しかしロベリアは通信機が他の生物に持ち運ばれたと勘違いしていた。ラーゲッツにとっては好機だった。このまま通信機が紛失してマテオに連絡が取れなくなったことにすればロベリアも断念して………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「………私のせいだ………。

 私が素直に通信機を見付けたって言っておけば………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロベリアの落ち込み様を見てラーゲッツは心が痛くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「私が………私のせいでツッゲーラがマテオに「ちょっと待ってろ。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラーゲッツはロベリアをその場に残して山小屋へと戻っていく。

 

 

ロベリア「………?」

 

 

 ロベリアはラーゲッツが失望して去っていったのだと思った。

 

 

 

 しかし暫くしてラーゲッツが戻ってくると………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「………!

 それ………!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「………昨日の内に実は見付かってたんだよ。

 本当は見付かったことは言うつもりはなかったんだけどな。

 これで互いに黙ってたことをおあいこにしようや。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラーゲッツはロベリアに通信機を持ってきて見せた。するとロベリアはほっとしたような顔をして笑顔を綻ばせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「あぁ~!

 よかった~!

 無くしたかと思って心配しちゃったじゃない!

 これでツッゲーラもレサリナスに帰れるんだねぇ~!」

 

 

 にこやかに笑う彼女を見てラーゲッツは心の奥底がだんだん暖まっていく感覚を覚える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「(………なんだよコイツ………。

 自分じゃなくて俺の心配してやがったのか………。

 よくもまぁそこまで他人のことに構ってやれるなぁ………。

 お人好しすぎるぜ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………でもコイツの暗い顔をしてるのはなんか嫌だったな………。

 

 

 ………どうしたんだ俺?

 何でこんなことを………。)」

 

 

 ラーゲッツの中でロベリアに対する思いが少しだけ変わったのを不思議に思いながらこの日は二人は別れたのだった………。

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