テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 イクアダにてバルツィエの子供ニコライトを退けた三人は王都へと急ぐ。

 それを亀車にて見張る影が…。


消えた友の行方

グラース国道

 

 

 

「魔神拳!…あだっ!?手がぁッ!!?」ザザッ!

 

 

 

「ジュゥゥゥ………」バシュッ

 

 

 

「今のが最後のようですね。」

 

 

 

「お疲れさまでした。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス、先程は何故素手で魔神剣を?」

 

「飛葉翻歩が真似できたから魔神拳も真似できるかなって、思ったんだよ。

 いきなりは無理だったか。」

 

「衝撃波は出てましたよ。」

 

「自分にもダメージが入るならまだ練習しないとね。」

 

「魔神剣が撃てるのならそもそも必要ないのでは…?」

 

「カオスは人の技術を見ただけで使いこなせるのですね。」

 

「見るだけじゃないよ。

 そういう技があって原理を知れば出来るってだけだよ。

 相手の筋肉の動きを見て次にどう動くか観察すれば先読み出来るでしょ?

 その応用だよ。」

 

「筋肉の動き…?」

 

「剣士や格闘家なら初撃は予測できますがそれは…」

 

「?

 俺達だけだったのかな?

 ウインドラと特訓してたときはおじいちゃんの動きを再現しようと頑張ってたけど。」

 

「ウインドラ?」

 

「何方ですか?」

 

「俺が小さいときにおじいちゃんと一緒に稽古つけてもらってた友達だよ。

 二人でよく木刀で練習しててさ。

 もう随分会ってないなぁ。」

 

「と言うことはその方もミストの人なのですね?」

 

「そうだねぇ、今頃どうしてるのかなぁ…。」

 

「ミストにいらっしゃるのではないですか?

 もしかしたら私もあの時お世話になっていればお会いできたのでしょうか。」

 

「いや、あの村にはもういないよ?」

 

「あの村にはいない?

 何処かへ引っ越したのですか?」

 

「違うんだ、ウインドラは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 失踪したんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失踪!?

 何があったのですか?」

 

「俺もよく分からない。

 十年前にがミストを飛び出してからしばらくして騎士がやって来てそれから急にいなくなったらしいんだ。」

 

「それではその騎士に付いていって………?」

 

「村の人達はもしかしたら森に出てヴェノムに感染したかもしれないって話にはなってたらしいよ。

 ミシガンがそう言ってたから。

 ………でもアイツも俺と一緒で騎士になりたいって言ってたから生きてるのなら今頃………。」

 

「………これから向かう王都にいるかもしれないですね。」

 

「そうであってくれると嬉しいけど、

 騎士はあっちこっちの街にいるみたいだからそんな都合いい話はないだろうね。

 下手したら会わずに何処かの街で通りすぎてたかも。」

 

「心配ですか?」

 

「そりゃあね。

 もう会わなくなって大分たつけど生きてくれているなら何処かで頑張ってくれていると嬉しいし、

 そうでなかったら俺がこの十年の間に知らないうちにミストの森で………。」

 

「カオス………。」

 

「時期的にも失踪と騎士団の到着と被るんですよね?

 ご家族は騎士団に聞いたりしなかったんですか?」

 

「ウインドラの家族はお父さんがいだけど、そのお父さんも十年前にヴェノムに………。

 村の皆は家族みたいなものだったけど、捜索にはあまり積極的じゃなかったみたい。

 当時はまだヴェノムが森を彷徨いてたからね。」

 

「天涯孤独………今の私達と同じですね。」

 

「………同じじゃないだろ?

 俺達には俺達がついてるじゃないか。」

 

「………そうでしたね。」

 

「きっとそのウインドラさんも生きてますよ。」

 

「タレス?」

 

「森にヴェノムがいた状況でなんの考えもなく飛び出したりしないでしょう。

 何を思って外に出たのかは知りませんがそのウインドラさんも騎士になりたかったのですよね?

 ではこれから向かう王都に一度は向かう筈ですよ。」

 

「………そうだといいけど。」

 

「ウルゴスについて調べるついでに騎士についても調べればウインドラさんの行方も分かるかも知れませんよ?」

 

「殺生石、ウルゴス、バルツィエ………そしてウインドラさんの捜索。

 これだけ目的があれば解決できるものもありそうですね。」

 

「また一つ難しいものが増えたけどね。」

 

「いいじゃないですか、

 長い旅になりそうですし目的が多ければ達成できるものも増えますよ。」

 

「………俺の事情だからそんな大袈裟なことにしなくてもいいよ。」

 

「いいえ、私達もウインドラさんの捜索をお手伝いしますよ。」

 

「目的地はすぐそこなんですから一つやることが増えても問題ないですよお兄ちゃん。」

 

 

 

「………………いい仲間に出会えて嬉しいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタガタガタッ!!

 

 

 

「ん?」

 

「後ろから何か来ますね。」

 

「追手か…!?」

 

「いえ、違うでしょう。

 あれは………亀車ですね。」

 

「亀車?

 あれが………。

 大きいね。」

 

「ここは国道ですし道を譲りましょう。

 あれは上流階級の人が使っている高級亀車のようです。

 おそらく何処かの豪商が乗っている筈です。」

 

「そっか、じゃあ」サッ

 

「えぇ、」サッ

 

「…」サッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタタタタタタタッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!?」

 

「はぁ~、亀なのに早かったねぇ。」

 

「あれならすぐに街と街を往復出来そうですね。」

 

「今は手配書でどこで俺達がバレるか分からないけどいつか乗ってみたいね。

 ………?

 タレスどうしたの?」

 

 

 

「………今のは………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラース国道 亀車内

 

 

 

「フェデール候のおっしゃる通りでしたね。

 王都へ向かっているようです。」

 

「だろ?

 このまま先回りして来たところを追いかければブラム達に合流する筈さ。」

 

「それでは私が新しい似顔絵の手配を…。」

 

「必要ねぇよ。

 俺が監視しとくからお前は先帰っとけ。」

 

「フェデール候が直々に追跡なさるのですか?」

 

「あぁ、これから暇だしな。

 退屈凌ぎにはもってこいだ。」

 

「ですが彼らのペースですと後数日はかかりますが。」

 

「口説いぞ?

 俺がやるっつったら俺がやるんだ。

 余計な口出しは慎め。」

 

「これは差し出がましい真似をしてしまいました。

 申し訳ありません。」

 

「セバスチャンはニコライトがやられたことだけをふれまわっとけ。

 それが終わったら屋敷に戻ってな。」

 

「よいのですか?

 末席とはいえニコライト様もバルツィエに名を連ねる御方。

 そのようなことを世間に曝すとなればバルツィエの威光に傷が付いてしまわれますぞ?」

 

「構うかよ。

 情報を揉み消した方が後々めんどくさい。

 それよかバルツィエのものを倒す程の奴を王都で潰した方が箔が付きそうなもんだろ。

 この件はこの俺が取り仕切る。

 セバスチャンは俺の言った通りにしてくれ。

 分かったな。」

 

「畏まりました。」

 

「情報ってのは常に最新を得てこそ参謀が活きるんだ。

 最前線で俺が見張ってこそこのエモノを最高に尖らせられる。」

 

「そこを狙って一網打尽にするのですな。」

 

「…そういうこった。

 他の奴等には必要以上のことは話すなよ。

 俺とお前がアイツらの顔を知ってればそれでいい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(とは言ったものの、あのカオスとか言うのが本当にブラムの差し金かは曖昧だ。

 このままセバスチャンが本家に伝えたら最悪尻尾を掴むどころの話じゃなくなるな。

 ………そうなったら少し手助けしてやるか。)」

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