テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
フリンク族の住む
ナトル「ロベリア。」
ロベリア「ん?
何お父さん?」
ナトル「お前………ここ最近どこに行ってるんだ?」
ロベリア「え”!?
なっ、何!?
何でそんなこと聞くの!?」
ナトル「そりゃ娘が毎日毎日行き先も告げずに村の外へと外出していたら父として気になるのは当然だろう。
お前は一体何の村の外に何しに行ってるんだ?」
ロベリア「それはその………。」
ラーゲッツと出会ってから一ヶ月。とうとう父親のナトルから自分がどこへ外出しているのか訊かれてしまう。
ナトル「村の中にいろとは言わん。暗くならない内に帰って来てはいるからこれまでは何も注意せずにいたがまさか領の外に出向いているのではないだろうな?
だとしたらお前の外出を認める訳にはいかんな。
今は敵ではないとはいえ他の領地に足を踏み入れるのは危険だ。
一人で領の外へと出ていけば他の部族の者達に何をされることやら………。」
ロベリア「だっ、大丈夫だってばお父さん!
そこのところはちゃんと分かってるから!
私別に領の外に行ってる訳じゃないから!」
ナトル「ではどこに行ってるのだお前は?」
ロベリア「あぁ………うん、
リスベルン山だよ。」
ナトル「リスベルン山?
………リスベルン山に何をしに行ってるんだ?」
ロベリア「単なる気分転換だよ。
最近なんか村の空気が悪いから………。」
ナトル「………確かにな………。
もう一月も経つというのにな。
西の都ゲダイアンがバルツィエに爆撃されてから次はどこを狙われているか皆気が気でないのだろうな。」
ロベリア「ほぇ?
バルツィエ?」
ナトル「お前にも話したじゃないか。
一ヶ月前に突然バルツィエがゲダイアンを攻撃したんだ。
バルツィエの攻撃によってゲダイアンは修復不可能なまでに被害を受けた。
ゲダイアンにいた同胞達は数は少なかったがそれでも犠牲を払ってしまった。
私達もこれ以上不必要な犠牲を出したくはない。
いつまたバルツィエがダレイオスのどこかを爆撃するか分からないんだ。
村が安全とは言えんが少なくともモンスターによる被害だけは回避できる。
私達は弱い存在だ。
リスベルン山に行くにしても一人では危ない。
誰か他に人を連れていきなさい。
フラットなら一声でお前についてきてくれるだろう。」
ロベリア「えぇ………フラットォ?。」
ナトル「フラットでは何か不満か?
お前の
ロベリア「婚約者じゃなくて許嫁でしょう?
お父さん達が私が生まれて物心がつく前に勝手に決めたことじゃない。
私は誰かに決められた結婚なんてしたくはないわ。」
ナトル「フラットの何がいけないと言うのだ?
年も近いしフラットもお前に気があるようだ。
彼も両親の後を継いで私の補佐をしてくれている。
中々優秀で婿としては申し分ないぞ。」
ロベリア「…それはこのフリューゲルの内だけでの話でしょ?
案外フラットなんかよりももっと優秀な人が他にいるかもしれないよ?」
ナトル「フラットより?
誰か他に候補がいるのか?
どこの村の者だそれは?」
ロベリア「………」
ナトル「私の知るところではフリンク領内でお前に見合うのはフラットくらいしかいないぞ?
お前の旦那になるということは次の族長にもなるのだ。
であればそれなりに他の部属とも話が出来る者でなくてはならん。
フラットは子供の時から親の背中を見て育ちそういった場での礼儀も弁えている。
彼ならお前を幸せに「ふざけないで!」」
ロベリア「私が誰と結婚するかは私が決める!
私の幸せを勝手に決めないで!
お父さんが押し付けてくる人達って皆有能だとか無能だとかそういう決められ方で選んだ人だけじゃない!
そんな人と一緒になっても結局お父さんみたいに古びた考えで自分から改革を起こそうとする勇気も無い意気地無しになるのが目に見えてる!
私は全く同じ日々を過ごし続けるのなんて真っ平ごめんだわ。」
話を無理矢理フラットと結び付けようとする父にロベリアは激昂し反発する。ロベリアがフリューゲルでの生活で気に入らないのはこのように父に何もかもを決められてしまうことだ。族長という仕事柄人に命令することに慣れた父は自分の考えこそが正しいと思いがちだ。自分が正しいと思えばひたすらそれに真っ直ぐ突き進む。
ナトル「しかしなぁ………。
お前だっていつかはそういう相手と一緒になるのだろう?
私の娘であるお前の相手となると人は選ばんといかん。
なにせフリンクの未来を任せられる相手でなくてはならんからな。
誰でもいいという訳にはいかんのだ。
上手く部族を纏めあげられる者でなくては部族は崩壊してしまうのだ。
そうならないようにするにはお前の相手は私の眼鏡に敵う相手でなくてはな。」
ロベリア「私の意思は聞いてくれないの!?
私が相手を選んじゃいけないの!?
私のことなのに!!」
ナトル「ロベリア………、
お前にもいつか分かるときが来る。
部族の長というものは部族を率いる立場として皆にあれこれと命令したり出来るがそれはこの役職の者が粉骨砕身で皆に尽くすからだ。
私達は恋などというものにうつつを抜かしていることは出来んのだ。
常に不安定な大地に立たされている私達が生き残るにはより優秀な者を上に据えておく必要がある。
私はフラット以上の相手でないとお前の交際を認めんぞ。
もしそんな相手がいるのであれば連れてきなさい。
私がその相手が長に相応しいか確かめて「勝手にすれば!」。」
ロベリア「そうやっていつまでも同じ歴史を辿ってるだけの人生なんて何の意味があるの!?
お母さんもそうなんで選ばれて寂しい思いさせてたじゃない!
最期までお父さんはお母さんを不幸にさせて………!
私は絶対にそんなふうにはならない!
私は私の好きに生きるから!」タタタッ!
ナトル「自由なんてものは若い内にだけ見れるものだ。
大人になればなるほど周りのことを考えなくてはならない。
………私達力無き者が生き残るにはそうするしないんだよロベリア。」