テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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不可能は不可能にしかならず

リスベルン山 三ヶ月後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「最近なんか山を登ってくるのも楽になってきた気がするよ。

 これもツッゲーラとの特訓のおかげだね。」

 

 

ラーゲッツ「お前が毎日断念することなく走り込みを続けてきた成果だろうが。

 俺は横で眺めてただけだ。」

 

 

ロベリア「そう?

 そう言われるとそうなのかも。」

 

 

ラーゲッツ「調子に乗るなよ。

 事実そうなだけでこれで満足しちゃ先には進めねぇぞ。

 飛葉翻歩を体得出来るだけの足腰は身に付いてきたとして実際に飛葉翻歩を使うとなると結構コツと消費するマナの量を加減しなくちゃならねぇ。

 俺達バルツィエは走行手段として用いているがこの技は本来敵の攻撃を避ける技だ。

 一瞬だけ足の裏にマナを集めて爆発させるようにして地面を滑るんだ。」

 

 

ロベリア「足の裏を爆発!?

 足が吹き飛んじゃうでしょ!?」

 

 

ラーゲッツ「例えでそう言ってるだけだ。

 本当に爆発させたりする訳ねぇだろ。

 それが出来たとして技として確立したりなんかするかよ。」

 

 

ロベリア「そっ、そうだよね………。

 あぁビックリした。」

 

 

ラーゲッツ「ビックリしたのはこっちだってぇの。

 何で言葉をそのまま受け取るんだよ。」

 

 

 ロベリアとの特訓を開始してからもうじき三ヶ月が経過する。ロベリアはその間ラーゲッツの言い付けに従い順調に体力をつけてきていた。

 

 

ラーゲッツ「今のお前なら飛葉翻歩に耐えられるだけの筋力はついてるだろうな。

 試しにちょっと見本を見せてやる。」

 

 

ロベリア「見本?」

 

 

ラーゲッツ「飛葉翻歩は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな感じに流れるように進むんだよ。」シュッ!

 

 

 ラーゲッツは一瞬でロベリアの背後へと回った。

 

 

ロベリア「うわわッ!?

 いつの間に!?」

 

 

ラーゲッツ「どうだ?

 今のが飛葉翻歩だ。

 参考になったか?」

 

 

ロベリア「もう一回!

 もう一回だけ見せて!

 早すぎて何が何だか分からなかったよ。」

 

 

ラーゲッツ「よし、

 じゃあ今度は少し離れて遠くからどんなふうにマナを流動させてるか見ときな。」

 

 

 ラーゲッツはロベリアから距離をとりロベリアから見えるように真横を向いて走り出す体勢をとる。

 

 

ラーゲッツ「いいか?

 見るのは足元のマナの流れだからな?

 俺がどんなマナの使い方してるかよく観察するんだ。」

 

 

ロベリア「うん見てる。

 ツッゲーラがどんな感じで地面を滑って移動してるのか私確認するよ。」

 

 

 ロベリアは真剣な表情でラーゲッツの次の行動を待つ。ラーゲッツの一挙手一投足を見逃さないというような気迫を感じさせるような眼差しだ。

 

 

ラーゲッツ「………おし、

 それじゃあ………ッフ!!」シュッ!

 

 

ロベリア「!」

 

 

 ロベリアが見易いように今度は少しだけスピードを遅めて滑る。横を見ればロベリアも自分の動きを追って視線を向けてきていた。

 

 

ロベリア「………凄い………。

 私もあんなふうに風のように駆け抜けてみたい………。」

 

 

ラーゲッツ「どうだった?

 どんな感覚で俺が走ってるか掴めたか?」

 

 

ロベリア「ツッゲーラが言った通りツッゲーラの足から沢山のマナが吹き出てるのが見えたよ!

 私もツッゲーラと同じようにマナを出せればいいんだよね? 」

 

 

ラーゲッツ「理屈の上ではそうだな。

 だがこの技を発動するには見た目よりも複雑なマナの操作性が必要とされる。

 ただマナを放出すればいいってだけじゃねぇ。

 自分の動体視力に見あった速度やマナの残存を考慮して使わねぇといけねぇ。

 マナを使い過ぎれば一気にスタミナが切れるし慣れねぇ内から速力を出しすぎるのも危険だ。

 早く走れるってことはその分何かに衝突でもすれば負う怪我も尋常じゃねぇ。

 加減が大切なんだこの技は。」

 

 

 ラーゲッツは一つ一つ飛葉翻歩についての教わってきた注意事項を説明する。本来は敵に原理を見抜かれて使用されるのは仕方ないが敵である筈のロベリアに原理を細かく教える行為は軍事機密違反ともとれる行為だ。しかしラーゲッツがそれを教えようと思ったのはロベリアがマテオと戦うためにマテオに向かうのではなくマテオを知るためにマテオに渡りマテオの文化を学んでくるというからだ。三ヶ月の間に彼女にはそもそもマテオと戦えるだけの戦闘能力が無いことは知っている。彼女一人になら技術を提供したとして何の問題にもならない、ラーゲッツはそう思った。

 

 

 

 

 

 

ロベリア「足の裏かぁ………。

 こんな感じかな?」

 

 

ラーゲッツ「おいおい込めるのは力じゃなくてマナを意識するんだぞ?

 マナを足の裏から吐き出すような感じで地面との摩擦面をだな………。

 マナを爪先に集中させろ。」

 

 

ロベリア「え………?

 今やってるけど………。」

 

 

ラーゲッツ「何を言ってるんだ。

 何もマナを感じ………………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロベリアに指導しようと近付くと微かにだがロベリアのマナが足元に集まっているのが分かった。

 

 

 そのマナの総量はとても飛葉翻歩を使えるだけの量に満たない微弱なマナであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「これでも全力で集中させてるんだよ?

 後はこれで滑るように移動できればいいの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「…これが全力だと…………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラーゲッツから見てもロベリアのマナは長時間飛葉翻歩を使用し続けるのは厳しい程までに少なかった。敵から逃走するために習得させようとしていたがこれではかえって疲労し動けなくなってしまいそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「どうしたの?

 そんな険しい顔して。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーゲッツ「………悪い。

 俺の確認不足によるミスだ。

 お前に飛葉翻歩を習得するのは無理があったみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………すまない。」

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