テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 翌日
ロベリア「えっほえっほ………。」
ラーゲッツ「………」
ロベリア「フゥ……フゥ………あと少し………。」
ラーゲッツ「………」
ロベリア「………よし、
今日のノルマ達成~「達成じゃねぇよ!」」
ラーゲッツ「何でまだ走り込みを続けてんだ!?
お前が今までやって来たことは昨日無駄なことだったって散々言ったろ!?
もうお前が走る意味はねぇんだ!
そんなランニングなんかやってもどうしようもねぇよ!」
ロベリアが毎日走り続けていたのはバルツィエの秘術飛葉翻歩を体得するためだ。バルツィエにとっては歩行術、戦闘等で使われるが戦闘が苦手なロベリアには護身術として身に付けさせようとしていた。
しかしフリンク族ということもあってかロベリアの内包するマナはそれに耐えうるだけの器がなく仮に使えるようになったとしても一度使っただけでマナが枯渇する恐れがある。マナが枯渇してしまえばその場から動けなくなりかえって危ない状況を作り出してしまう。ロベリアには実用的なものではなかったのだ。
ロベリア「無駄ってことはないでしょ?
こうして走ってるだけでも体を動かせて気持ちいいしいいダイエットにもなるんだから。」
ラーゲッツ「主旨が変わってるだろ!
お前が走り始めたのはそんな理由じゃなかっただろうが!
お前はどうしてもマテオに行きたかったんじゃねぇのか!?
お前はマテオに行ってマテオのことを知りたかったんじゃねぇのか!?
お前がマテオに行くためには自分の身は最低でも自分で守れるだけの力が必要なんだよ!
なのにお前にそんな力が無いことも確かめずにただひたすら走らせて疲れさせて挙げ句無理だったなんて話あるかよ!
お前がやってきた三ヶ月は全くの無意味で無価値なものだったんだぞ!?
それをそんな未練がましく走り続けて何の意味があるんだよ!?
そんな行き場のねぇ頑張りなんか捨てちまえよ!
お前がこれ以上走り続けたってどうにもならねぇんだ!
お前にマテオは過酷すぎるんだ!
マテオに行こうだなんてもう思ったりするな!」
ラーゲッツは現実をロベリアに突き付ける。ロベリアは膠着しているとはいえ今のマテオとダレイオスの敵対関係を改善したいのだ。マテオに行ってマテオの文化を見聞きしそれをダレイオスに伝える。長年マテオとダレイオスは争い続けてきた。始めに戦争を仕掛けてきたのはダレイオスだが今となってはそれもマテオの猛烈な反撃を受けて状勢はマテオの方が優位に立っている。マテオとしてはバルツィエの方針だがダレイオスとの戦争には出来るだけ犠牲を払わずに勝ちを修める方向だ。どちらとも互いに敗北を宣言したりはしないのならマテオはダレイオスが降伏するまで待ち続けるだろう。
ロベリア「行くよ私は。
絶対にマテオに行く。
私はマテオに行くことを諦めたりはしないよ。」
しかしロベリアは夢を諦めようとはしなかった。
ラーゲッツ「どうしてだよ!?
お前がマテオに来たって野垂れ死ぬのが関の山だ!
どうせ死ぬことが分かってんならマテオになんか行くことはねぇ!
お前は俺と会う前の生活に戻るべきなんだ!
その方がお前もマテオで不幸な目にあったりせずにすむ!
別に何かが変わる訳じゃねぇんだ!
お前だって死にたくなんかねえだろ!?」
ロベリア「うん~?
そうだね~。
死にたくはないかなぁ~。」
ラーゲッツ「だったらこのままダレイオスで平穏に暮らせ!
ダレイオスからお前は出る「もし私が死にそうになったら………。」」
ロベリア「私が危なくなったらツッゲーラが守ってよ。」
ラーゲッツ「………俺が………だと………?」
ロベリア「うん。
私がマテオに行って危なくなってもツッゲーラが一緒なら安全だよ。
ツッゲーラが守ってくれるなら私ダレイオスから出てマテオに渡ることが出来るよ。」
ラーゲッツ「なっ、何で俺がそんなこと………。」
ロベリア「駄目なの?」
ラーゲッツ「駄目って………。
お前は………マテオで俺と行動するつもりなのか………?」
ロベリア「え?
勿論そうなるでしょ?
私ツッゲーラに連れていってもらうんだし。」
ラーゲッツ「おっ、
俺にはそこまでする義理はねぇだろ。
お前に傷を治してもらいはしたがマテオまで連れていくだけでも十分だろ。
そこから先のことなんて俺にお前に付き合う時間は………、
………ってかマテオにはお前は連れてけねぇって………。」
危険だから連れていくのを断念させようとしたらロベリアはラーゲッツに護身を頼んできた。
ロベリア「ならその義理はまだ果たされてないよね?
飛葉翻歩だって習得するのが厳しいならツッゲーラはまだ私に何もしてくれてないでしょ?」
ラーゲッツ「そっ、
そうだがそれでお前をマテオに連れてくのは………。
第一俺がお前を守りきれる保証は立てられねぇ………。
俺だけでお前を守ってやることは……………………。
…………!?」スッ…
時間は十秒にも満たなかったことだろう。それでも
ラーゲッツ「…………お前………。」
ロベリア「えへへ、
これでもまだ私を危険から守ってくれない?
こんなに長く一緒にいても私とツッゲーラの仲ってその程度なの?」
ラーゲッツ「…その程度の仲って俺達はまだ出会ってから三ヶ月で………。
って軽々しくこんなことするなよ………。
こういうのは深い関係になった奴とだなぁ………。」
ロベリア「………私にとってはツッゲーラと過ごしたこの三ヶ月は今までの人生を振り返っても一番楽しい時間だった。
村の皆とは違ってツッゲーラは私を一人の人として見てくれた。
………私にとってはツッゲーラは特別な人だよ。」
ラーゲッツ「………………
お前は俺を………?」
ロベリア「なんかツッゲーラを見てると私に似てるって思うんだ………。
ツッゲーラも私と一緒にいてそう感じなかった?
私達同じなんだよ。
私達は
私はフリューゲルに自分がいられる場がないの。
ラーゲッツ「………俺は………。」
ロベリア「私はマテオって言ってもレサリナスとかじゃなくていいんだよ。
マテオならどこへでもいい。
大きな争い事とかが無ければ私はマテオで生きていきたい。
ツッゲーラと一緒ならどこへでも………。」
この日は初めて二人で夜を明かした。この日から二人の仲は大分近付いていった………。