テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
消滅都市ゲダイアン跡地 残り期日八日
レイディー「坊や精霊からの反応は何も無いんだな?」
カオス「今のところは何も………。」
レイディー「………そうか。
まだ期限までには一週間あるしな。
どう転ぶかは判断がつかんか………。」
カオス「そうみたいですね………。」
レイディーの問いにそう返したカオスは何気なくその場に座り込もうとして身近にあった岩に腰掛けようとし手を触れる。
バキッ!
カオス「!?」
ウインドラ「何だ今の音は………?」
タレス「何かが砕けるような音でしたけど………。」
ミシガン「カオスがいる辺りで音が鳴ったよね?
カオスなんかしたの?」
大きく響いた音に他の面々も何かが壊れた音だと耳ざとく聞いていた。
カオス「………なんか俺が石に触った途端石が砕けたんだけど………。」
ウインドラ「石………?」
タレス「そんなに簡単に石が砕けるものでしょうか?」
アローネ「長い時間放置されていたのでこの付近の建物の残骸が脆くなっているのかもしれませんね。
腰かける際は注意して座るのがいいでしょう。」
カオス「いや………多分だけど原因はそれじゃないと思うな………。」
アローネが客観的にカオスが触れた石が砕けた要因は時間経過による風化が原因だと推測するが砕いたカオスの感想は違った。
レイディー「おいお前達。
気軽に今の坊やに近付くなよ。
今坊や軽く握っただけで岩を潰しやがったからな。」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「?」」」」
カオスが岩を破壊する光景を一人レイディーは目撃していた。岩が砕けた理由にレイディーはいち早く気付いたのだ。
カオス「………そうみたい。」
アローネ「どういうことですか………?」
レイディー「あのラーゲッツとの戦闘中アタシも見てたぜ。
坊や自分に支援魔術かけまくっただろ。
シャープネスとバリアーをな。
何も考えずに岩に腰をおろそうとしたんだろうが坊やの力は今ドラゴンをも凌駕するパワーを宿している。
そんな力で何かに触れりゃ触れたもんが一瞬でぶっ壊れるぜ。」
タレス「あの戦闘での支援魔術がまだ機能してるんですか?」
ウインドラ「いつになったら支援魔術が解除されるんだ………?
もうあれから半日は経過してるんだぞ。」
カオス「俺も思い付きでやってみたことだからいつになるかはちょっと………。」
ラーゲッツとの戦いの際はラーゲッツを倒すことだけを考えて魔術を使用したがその後のことは何も考えてはいなかった。まさか力の加減も出来ないほど自身の力が上昇するとは思いもしなかった。
レイディー「フリーズリングはどうだ?
あれにはマナを拡散させる力がある。
フリーズリングを装備すりゃお前にかかった術の効果も解けるんじゃねぇか?」
カオス「!
やってみます!」
レイディーに言われた通り早速フリーズリングを取り出そうと服のポケットに手を入れるカオス。
しかし………、
パキンッ!
カオス「あっ!?」
カオスがポケットに手を入れてからすぐまた何かが割れるような音が鳴る。
レイディー「………その分じゃ指輪すら装備するのも難しそうだな。」
冷静にレイディーがカオスが失敗した事実を述べる。
アローネ「………それほどまでに指や腕の力が上がっているとなると着替えや食事もままなりませんね。
なんとかできないものでしょうか………?」
ミシガン「確かに………。」
ウインドラ「このままじゃ身近な動作で余計なものまで壊しかねないな………。
下手すればカオスともののやり取りも出来ん。
今のところは特に目立った障害は発生してないが………。」
カオス「どっ、どうすればいいんだろう………。」
動けば動くほど自分が触れるものが壊れていくことを想像してカオスは何も出来なくなっていた。
レイディー「アタシ等じゃどうすること出来ねぇ。
今お前にかかってる支援魔術を解除する方法は暫くはお預けだ。
一回クリティアの連中に頼んで術を解く方法が無いか聞くのが一番だろう。」
ミシガン「じゃあそれまではカオスはこのままなんだね………。」
ウインドラ「ラーゲッツとの戦いで剣を壊してしまったようだがそれほどの怪力があるなら戦闘は普通に行えそうだな。」
アローネ「カオスがモンスターと戦う際に怪我を負うことは無さそうですね。」
生活面においては少々不便ではあるがそれ以外ではそう困るものでもなかった。人に怪我をさせたり物を壊したりすることにさえ気を付けておけば支障はないのだ。
レイディー「…それで精霊の件は置いておくにしてこれからの世界の流れだがアタシやお前達がヴェノムの主達を倒したことによってダレイオスはヴェノムから解放されることだろう。
主を警戒して封鎖されていた全ての道路や部族の境界も交通が復活する。
それによってこれから………、
戦争が始まるぞ。」
間接的に濁すでもなくレイディーは結論を述べる。遂にダレイオスはマテオと戦う準備が整った。百年もの間ヴェノムの出現によって停戦状態だった二つの国が衝突するのだ。もうダレイオスが一方的に敗北するということはない。カオス達がダレイオス側についた今マテオに敗北することはあり得ない。
カオス「…戦争が………始まってしまうんですね………。
………今度の戦争はいよいよマテオとダレイオスの長い歴史の戦争が終わるんですよね。」
レイディー「一見マテオとダレイオスの二つの国の戦いだがマテオはバルツィエが牛耳る国の上層部と国民とで軋轢が生じている。
対するダレイオスは九つの部族………三つがほぼ全滅して六つの部族が結集して一つになる。
そこにアタシ等が加わり情勢次第ではマテオの国民達もこの戦列に加勢する。
世界の三分の二が此方側につく訳だ。
敗北する要素がどこにもねぇ。」
数の利ではカオスが与する陣営が優位に立っているのは間違いない。しかしそれでもバルツィエが全員揃った時どうなるかは予測つかない。どちらが勝つにしても互いに傷が深くなるのは確実だ。
アローネ「戦いになる前にバルツィエが降伏するのが被害が甚大にならずに済むのですけど………。」
レイディー「バルツィエが数で圧倒されるのはよくあることだ。
今更数にヒビる連中じゃねぇよ。
そうさせたいなら
カオス「大将………。」
レイディー「今のバルツィエの総大将はアレックスだ。
アレックスを討ちさえすりゃマテオとダレイオスの戦争は終決するんだよ。」