テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
グラース国道の道中再び漆黒の翼と対峙した三人は即座にこれを打ち倒す。
一方、これから向かう王都では…。
王都 孤児院
「こんにちは。」
「こんにちは、あら?
貴方は………。」
「お久し振りです。
カタスティア教皇。」
「確かうちのダリントンの部下の………
そう、ウインドラね。
お久し振りねぇ。」
「教皇もお元気そうでなによりです。」
「それはどうも。
今日はどうなさったの?」
「はい、
先日から隊長が行方不明でして、
それでここに参っていないか確認で。」
「ダリントンが行方不明?
ここには来てないようだけど…
遠征か何かではないの?」
「いえ、団長にもお訊きしたのですがそのような使令は出してないと。」
「そう…、
あの子のことだから何も心配は要らないと思うけど…。
ダリントンはうちの孤児院でもやんちゃッ子だったから、そのうち帰ってくるわよ。」
「隊長はよく行方不明になることはありましたが…
誰にも何も言わずにいなくなって数日、
流石に心配になってきました。
他の隊員にも王都の中を捜索しています。」
「そうなの?
何だか悪いわね。
うちの子のためにそこまでしてもらうなんて…。」
「そんなことはありません。
隊長は立派な方ですから。
私も騎士に着任前はなにかとお世話になりました。」
「いつの日だったか貴方もダリントンに連れられてここへ一度来たのよね。
懐かしいわぁ。」
「もう十年は経ちますからね。」
「もうそんなに?
貴方、ウインドラも大人になったわねぇ…。
昔連れられて来たときはここの子達と同じくらいのまだ小さな子供だったのに…。
最初見たときはダリントンが戦災孤児を連れてきたんだと思ってたけど、まさか騎士志願の子とは思わなかったわ。
今の王都では珍しいものねぇ…。」
「私は騎士になる目的で故郷を捨てて王都へやって来ましたから。」
「故郷を捨ててねぇ…。
貴方が故郷にいたときはアルバートもご存命だったのでしょう?
今でもたまに思い出すの。
アルバートのことを。
惜しい人を亡くしたものねぇ…。」
「………あの時は誰もヴェノムに太刀打ち出来ませんでしたから…。」
「貴方を見てるとどことなく彼の面影があるわねぇ。
剣術が彼のものにそっくりなんですもの。」
「私はアルバート様の弟子でありましたから…。」
「それを抜きにしても似ているわよ。
行動的というかなんというか…。
もし彼に息子がいたのなら貴方のように逞しく育っていたでしょうねぇ…。」
「カタスティア教皇、アルバート様にはご子息はいませんよ。」
「えぇ、分かっているわ。
貴方が言うのならそうなんでしょう?
最近この都でもそんな話が流行っているから。
あの手配書の彼が現れてからは秘かにアルバートが生きていて王都に帰ってくるんじゃないかって皆が噂していますもの。」
「………カオス=バルツィエですか。」
「そう!確かそんな名前だったわね。
彼がアルバートの息子だって聞いたわ!
………そんな盛り上がるような真実はないのでしょうけど…。
貴方はそのカオスさんのことを何かご存知ない?」
「いえ自分とは関わりない人物です。
ましてやダレイオスの手先などとは。」
「それもそうよね。
御免なさいね?
私も昔はアルバートファンクラブに入っていたからついそんな期待しちゃったわ。」
「教皇はアルバート様の御友人だったのでは?」
「そうよ?
友人兼アルバートのファンだったの。
彼はホントに凄かったのよ?
御使いを頼んだら直ぐに終わらせて帰ってきてね。
神木を持ってきてほしかったんだけど神木が生っている場所はギガントモンスターの生息地で危険な場所だったの。
そんなところへ彼と今の王様が二人で向かってついでにそのギガントモンスターも一匹倒して来たのよ。
あの時代は何もかもが上手くいってたわ。
彼があのまま王様になっていれば…。」
「………」
「今のバルツィエは………ちょっと怖いじゃない?
アルバートさえ生きていてもらえたらあの時代も終わりを迎えることもなかったのに…。」
「教皇はアルバート様に御執心だったようですね。」
「そりゃそうよ。
アルバートがいた頃は男女問わずファンが大勢いたのよ。
それこそストーカーがたくさんいて、
初代ファンクラブの会長なんて正にそれだったわ。」
「まぁ、里でも人に好かれる方でしたからね。」
「フフフッ私もその一人だったけどね。」
「教皇!?」
「冗談よ。
悪いわねなんだか長い話になっちゃって。
ダリントンを捜しているのでしょう?
私のところに来たら私から連絡するわよ。」
「有り難う御座います。」
「いいのよ、
大事な息子達の大切な部下なんですもの。
貴方も私の子供みたいなものよ。」
カタスセンセー!
ゴハンノジカンダヨー!
「あら?
丁度子供達から呼ばれちゃったわね。
じゃあ話の途中だけど失礼するわね。」
「いえ、お忙しい中お時間いただき感謝いたします。」
「また今度ゆっくりお話しましょう?
それじゃあね。」
「是非とも。」ペコッ
王都 バルツィエ邸
「「「「「お帰りなさいませラーゲッツ様。」」」」」
「おう、お疲れさん。
今俺だけか?」
「先程テナール執事がお見えになりました。」
「セバスチャンが?
そういやフェデールの野郎が一人でいたな。
いつも外出するときはつるんでんのに。」
「フェデール様とは先程まで御一緒だったそうですよ。」
「そうか、じゃあちっと挨拶してくっか。」
「よう、セバスチャン。」ガチャッ
「これはこれはラーゲッツ男爵。
お帰りなさいませ。」
「何処行ってたんだ?
ラーゲッツ?」
「ユーラスしかいねぇのか?
他の連中は?」
「他の方々はフェデール侯爵が任務をお与えになられました。」
「だからいねぇのか。」
「で何処行ってたんだ?」
「セバスチャン、なんか腹にいれられるもん作ってくれよ。
歩き疲れて死にそうなんだ。」
「畏まりました。
しばしお待ちを。」カツカツカツ…
ガンッ!
「………三回も言わせるなよラーゲッツ男爵さんよぉ…。」
「机壊すんじゃねぇよ。
セバスチャンが片付けるの大変だろうが、
ユーラス子爵殿ぉ?」
「テメェが質問にさっさと答えねぇからだろうが。」
「お前に言って何になるってんだ?
あぁん!!?」
「そのくれェ教えてくれたっていいんじゃねぇのか?
恥さらし男爵が!」
「んだとゴラァ!!?
今、虫の居所が悪ぃって察してくんねぇかなぁ!?」
「知るか!
お前の御機嫌なんか窺うほどのもんでもねぇだろぅが!」
「表出な!
階級が上でも実力は俺の方が上だってこと教えてやるよ!」
「お前なんぞにいちいち教えてもらわなくてもいいっつーの!
ってか間違ってんぞ?
階級も実力も俺の方が上だろうが。」
「…そうかよ。
だったらここで「騒がしいぞ!」」
「屋敷の中で暴れるなうつけ共。」
「おう、お帰り!」
「早いなアレックス
今日は。」
「貴様らを放っておくとこの屋敷が壊されかねん。」
「何言ってんだよ。
それくらい俺達も弁えてるって。
な?」
「………今こいつここで暴れようとしたぜ?」
「おい!!
ふざけたことぬかすんじゃねぇよ!!?
お前が挑発してきたからだろうが!」
「俺は何処行ってたか聞いてただけだぜ?
それなのにコイツが一人でキレだしてよ。
…ったく辞めてほしいわぁ。
ケンカもバルツィエも人生も。」
「ほらな!?
こんな感じでウゼェんだよコイツが!!」
「ウゼェのはお前の全てだよ。
みんなそう思ってるぞ?」
「そうやっていねぇヤツらを巻き込むなよ!
根暗野郎!!」
「………分かった。
貴様ら二人を屑ればいいのだな?」
「待て待て!?」
「どう聞いても悪いのはラーゲッツだろ!?
俺は関係ねぇ!」
「どの口がそれを言うんだ!!?」
「静まれ!!!」
「「!?」」ビクッ
「公爵様。」ガチャッ
「セバスチャンか…何用だ?」
「フェデール侯爵からご報告が御座います。
つい先日イクアダの砦にてニコライト男爵が決闘にて打ち負かされました。
相手は例の手配書の冒険者でございます。」
「あぁん?
ニコライト?
何処の誰だそれ?」
「ニコライト男爵は遠縁のバルツィエの血筋の方です。」
「お前も昔会ったことあるだろうが。
何忘れてんだよ。」
「そうだっけか?
うちってひい祖父さんひい祖母さん以上は地方に飛んでくから覚えてらんねーよ。
ってか何代前まで生きてんだよ?」
「戦場に飽きたら引退して角地の統治にまわるんだよ。
それぐらい覚えとけ。
今んとこ五代前くらいは生きてる筈だぞ?」
「そんなもんだっけか?」
「ヴェノムが現れてからはバルツィエでも対応に苦戦したって話だからな。
ヴェノムが出る前は十代前辺りまでは生きてたようだぞ?」
「ハッ!
長生きなこって。」
「今はそんなことを復習する話ではない。
してセバスチャン。
フェデールはどうだと?」
「はっ…。
侯爵はその冒険者一行が反逆者の一味で間違いないとのことです。
先日侯爵が直々に調査なさった件からしても時期的には調度…。」
「実力はどうだったんだ?
強かったのか?」
「子供とはいえバルツィエの者を打ち倒す程の手練れ。
申し分ないほどのものはお持ちかと。」
「ハンッ!
つってもガキを殺した程度だろ?
俺達と渡り合えるかはまた別の話「いいえ、」」
「ニコライト男爵は生きておられます。」
「どう言うことだ?」
「奴等は一人でも多く俺達の戦力を削りたい筈だろ?
何故殺さなかった?」
「子供を殺すのを躊躇った。
もしくは殺してしまっては民衆に悪印象を与えてしまうのではないかと判断したのだろうと侯爵が。」
「あぁ………だろうな。」
「あめぇ考えの奴か。
殺しとけるうちに殺しときゃいいのにな。」
「………イクアダから帰還する際も一行は真っ直ぐ王都へと向かっているご様子。
侯爵は一行が着き次第、例の式を挙げるとのことです。」
「分かった………。」
「例の式?
聞かされてねぇぞ?」
「何が始まるんだ?
セバスチャン。」
「侯爵の言い付けですので私の口からはなんとも。」
「ケッ!
秘密主義が…。
アレックスは知ってるのか?」
「俺も聞かされてねぇぞ?
何が始まるか教えてくれよアレックス。」
「………
反逆者共の一掃だ。」