テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオス「………」
レイディー「どうするよ?
これから奴に会いに行ってから情報と引き換えに仲間になれって言われたら。
マテオとダレイオスどっちに付くよ?
マテオに付けばミストの件は案外お前が言えば見逃してもらえるかもしれねぇぜ?
バルツィエもお前ぐらい力のある奴の言葉なら無視できないだろ。
その代わり治安の悪さはこれまでと変わらねぇがな。
ダレイオスにつけば「俺がマテオに付くわけないじゃないですか。」」
カオス「バルツィエがレサリナスで好き勝手に暴れてる姿は俺も見ました。
バルツィエが今のままダレイオスまで倒してしまえばもっとバルツィエに苦しめられる人達が出てくる。
この戦争バルツィエが勝つことだけは許してはいけないんです。
フェデールに何かを言われたとしても俺がバルツィエ側につくことはありません。」
レイディー「………そうだな。
それでいい。
ハッキリしてんじゃねぇか。」
レイディーはカオスの返事に満足したように頷く。口は悪いが彼女はこういう時両者どちらについた時のメリットデメリットを提示してくれる。それによって自身の意思の揺らぎを固められる。自分がどちら側につくべきなのかを。
ミシガン「それじゃあマテオに戻るとしてまたダレイオスの東側に行かなくちゃならないんだよねぇ………。
道のりが遠いなぁ………。」
ミシガンがボソッとそんなことを言った。
アローネ「はい?
何故ダレイオスの東側に?」
ミシガン「え?
だってマテオに戻るんでしょ?
だったら来た道を引き返すってことになるんじゃないの?」
マテオに戻るとだけ聞けばそう考えてしまうのも無理は無いだろう。ミシガンの中ではマテオに戻る方法は船しか思い付かなかったらしい。
ウインドラ「ミシガン、
俺達は船でマテオに帰ることはないんだぞ。
レアバードで空から帰るんだ。」
ミシガン「え!?
レアバードで!?」
タレス「はい、
それもわざわざ東側からマテオに行かずともこのまま西に向かって海に出て飛ぶんです。
文字通り世界を一周する感じですね。」
カオス「でもレアバードって今アローネとカーヤとレイディーさんの三つしかないけど………。
乗れたとしても六人までだよね?
それでどうやって………?」
レイディー「まぁ確かに長時間レアバードで飛行し続けるのはキツイな。
マナも相当消費するし一回で渡りきるのは無理だ。
人数も定員オーバーで途中の海で墜落するのは確実だな。」
ミシガン「じゃあレアバードじゃ無理なんじゃ「って思うだろ?」ん?」
レイディー「だったらバルツィエはどうやってレアバードでダレイオスまで来たんだよって話になるよな?
そこは奴等と同じことをするんだ。
奴等は海の真ん中で氷を張って休憩しながらダレイオスに飛んで来てるんだよ。
だからバルツィエはシーモス海道が無くなってもダレイオスまで渡ってこれた。
シーモスが無くなるまではあの海道を途中まで歩いて来てからレアバードで飛んで行ってたようだがな。」
ミシガン「あぁ!
そういうこと?」
レイディーの説明に頷くミシガン。今のカオス達にはレイディーという氷の使い手がいる。カオスも氷の魔術は使えるがカオスが使うと海全体が凍り付いて海洋生物が死滅してしまいかねない。レイディーが入ればカオスの代わりに氷の魔術を使ってマテオへと戻ることが出来るだろう。
レイディー「一度に全員を乗せるのは無理だが何度かに分けて往復して運べば全員マテオへと渡りきれるだろうよ。
操縦するのにもマナを使うから猿か娘のどっちかアタシを後ろに乗っけろ。
良さそうなポイントでアタシが海面に足場を作る。
それでいいな?」
アローネ「えぇ、
それで構いません。」
タレス「レイディーさんが作る足場ですけど潮の海域に流されて行方が分からなくなったりしませんか?」
レイディー「それについては共鳴使える奴がアタシの居場所を探れよ。
アタシが海のどの辺りにいるのかそれで分かるだろ?
あの辺りの海流は確か
時間かけてたらどんどんマテオから遠ざかるぜ。」
ウインドラ「うむ………、
ではマテオに渡るとしたら南部の方になりそうだな………。
おおよその到着予定地は………。」
現在地から海流を計算して緩やかなカーブを描くように地図をなぞっていくとカオス達が漂流して辿り着く場所はある村を指した。
カオス「………ここ………、
ミストのすぐ近くだね………。」
ゲダイアンの西側から海を越えた先にはミストの村があった。
ウインドラ「………そうだな。
ミストが一番近くにある村か………。」
レイディー「よりによってミストかよ。
レサリナスから一番遠いじゃねぇか。」
カオスとウインドラからすればミストは少し近寄りがたい場所ではある。カオスは過去の事件でミストの住人達とは仲が悪くウインドラについてはダレニモ言わずに村を飛び出した身だからだ。
ミシガン「あっ!
だったらちょっとミストに寄っていってもいいかな?」
そんな二人の様子も知らずにミシガンがそんな提案をしてくる。
タレス「何かミストに用事でもあるんですか?」
ミシガン「………私さぁ。
カオス達を追って急にいなくなったりしたからさ。
お父さん達が心配してないかなぁって………。」
レイディー「そういやお前村の連中に何も言わずに飛び出して来てたんだったな。」
ミシガン「うん、
だから一度私がいなくなってお父さん達がどうしてるか見てきたいの。」
アローネ「村に入るとなるとミシガンはそのまま御実家から出られなくなってしまうのではありませんか?」
タレス「家出した娘をまた旅に送り出したりはしないでしょうしね。」
ミシガン「あ!?
そっか!
どうしよう………。
とうしたらいいと思う?」
ミシガンは村のことを知る二人に訊く。
カオス「どうしたらって………。」
ウインドラ「俺達は関係者ではあるがな………。
それを俺達に聞くのは違うだろ………。」
ミシガン「えぇ?
でもさぁ。
カオス達は気にならないの?
こんなに長くミストを離れてたんだから皆が元気かどうか。」
カオス・ウインドラ「「………」」
レイディー「村に入らなけりゃいいだけのことだろ?
村の外から中の様子を観察するだけならお前も連れ戻されずに済むだろうがよ。」
中々良案が出ない三人にレイディーが機転を利かせて進言しレイディーの意見を採用することで話が纏まった。
しかし結果的にはカオス達はミストの中にまで足を踏み入れることとなるのであった………。