テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
捨てられた村旧ミスト 夜 残り期日七日
レイディーの考えていた通り旧ミストに被害という被害は無かった。ミストの村のように物が焼かれていたということもなくカオスとアローネが旅立つ前と変わらずその場所にあった。今は空いている部屋でミシガンを休ませている。
ウインドラ「………何故ミストがあんなことに………。」
タレス「徹底的にやられてましたね………。
あれじゃあ村にいた人達は全滅でしょう………。」
アローネ「私達がレサリナスを脱出してダレイオスでヴェノムの主と戦っているこの半年の間にミストがあの様になってしまったようですね。
一体何の目的があってミストをあの様に灰塵に処する理由があるのでしょうか………?」
レイディー「計画的犯行ではあるだろうな。
あんなに周到に村の柵の中だけを焼いたとなると何度も現場に足を踏み入れて焼き払うポイントを確認していた筈だ。
あれを実行した時期がいつのことだかは焼死体からは識別できんが最低でも
カーヤ「一ヶ月………っていうとカーヤ達ユミルの森にいた辺り………?」
レイディー「いや………もっと前かもしれん。
ダレイオスからじゃマテオがどんな様子だったか分かりゃしねぇしな。
誰がアレをやったかは知らんが
カオス「………皆………死んだんですね………。
ミストの皆が………。」
ポロポロ………、
瞳から雫が流れる。
ウインドラ「カオス………?
………泣いているのか………?」
カオスの事情を知っているウインドラが意外そうな顔をする。カオスが村人達との間に蟠りが生じミストには怒り以外の感情は無いものだと思っていたようだ。
カオス「…自分でも不思議な気分なんだ………。
あそこにいた人達は皆嫌いな人達ばかりだったけどそれでも長くミストを離れてるといつかまたあそこに戻りたかったって気持ちが湧いてきてさ………。
………俺にとってもあそこはやっぱり生まれ育った故郷だったんだよ………。」
ウインドラ「………そうだな………。
あそこは俺達にとっては欠けがえの無かった故郷だ………。
それがどうして………。」
カオスとウインドラは自らミストを出た。カオスは村人達とのいさかいによって、ウインドラは自分の意思でミストを捨てた。しかしいつかはまたミストに帰ってくると思っていた。その機会がもう永遠に失われてしまった。ミストはもう村という形を保てなくなるほどに焼かれていたのだから。
アローネ「………明日もう一度私達だけでミストに向かいます。
カオスとウインドラはミシガンについていてあげてください。
私達でミストを襲った犯人の手掛かりを探ってみます。」
タレス「時間が経って犯人の痕跡が消えているかもしれませんがいちおうやれるだけのことはやってみます。」
レイディー「まぁつっても
分からねぇのは
カオス「………お願いします。」
ウインドラ「……世話になる。
俺達もミストをあんな惨状にした奴が分からないままなのは気分が良くないからな………。」
カオス達は一先ず旧ミストで一晩を明かしカオス、ミシガン、ウインドラを残して他のメンバーでミストへ調査に向かう方針で決定する。
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捨てられた村旧ミスト 残り期日六日
ウインドラ「レイディー殿達はミストに向かったようだな。」
カオス「みたいだね。
………ミシガンの方は?」
ウインドラ「…まだショックから立ち直ってはいないな。
昨日の今日でそう現実を受け止めるのは難しいだろう。
………かくいう俺も未だに昨日のことが信じられなくてな………。
………カオス………やはり昨日俺が目にしたものは真実だったのだろろうか………?
俺は幻を見たのではないよな?」
カオス「………幻だったらよかったんだけどね………。
皆が同じ景色を見たんならそういうことなんだと思うよ。」
ウインドラ「………そうか………。
ではあのミストは現実だったのだな………。
………俺達の故郷があんなことになってしまうとは………。」
カオス「………そうだね。」
ウインドラ「………俺は将来ミストを守りたくて騎士になろうと決意して村を飛び出した………。
十年前のあの様な悲劇を繰り返さないためにも俺は強い力を求めて騎士となって再びミストに戻る日を由芽に見ていた………。
………そんな日はもう訪れることは無いんだな………。
何故ミストがあんな姿になってしまったんだ………。」
ミシガン程では無いがウインドラもかなり心に傷を負っていた。カオスでさえもショックなのだからウインドラも当然そうなるだろう。
ウインドラ「………カオス………、
…やはりミストをやったのは
ウインドラが言うアイツ等とはバルツィエのことだ。バルツィエはウインドラが言うにはミストが見付かった時からミストを占領するという話が持ち上がっていたらしい。バルツィエにはミストを襲う動機があるのだ。
だがまだ確実な物証が出た訳ではない。
カオス「…まだ誰がやったかは分からないよ………。
バルツィエがやったのかどうかも疑わしいんだ………。
ミストが襲われたのを知ったのも昨日のことだしそれにバルツィエじゃないかもしれないし………。」
バルツィエのことを知れば知るほど彼等はそこまで極悪な人種はないことが分かってくる。死亡したユーラスやまだ生存しているランドールはどうかは不明だが少なくともダインやダインが言うフェデールは好んで人殺しをするような人物では無いようだが………。
ウインドラ「………もしミストをやった奴が分かったらお前ならどうするんだカオス。」
カオス「俺………?」
ウインドラ「もし犯人が分かれば俺はそいつに対してどんな行動を興すか分からない………。
………お前ならどうする?」
カオス「俺は………。」
ウインドラの質問は質問というよりは確認だ。カオスが何と答えるか分かっていながらもそれを確かめずにはいられなかったのだろう。
………やがてカオスはウインドラにこう答えた。
カオス「俺がこの手でそいつを殺すよ。
捕まえて罪を償わせるとかそんな甘いことは言わない。
ミストの人達は正直そんなに好きじゃなかったけどそれでも罪の無い人を殺していい訳が無いんだ。
犯人が俺の前に現れたら俺が必ずそいつを………。」
カオスの意思は固かった。犯人を突き止めることが出来たら喩え世界の裏側に逃げようとも追い掛けて仕止めるつもりであった。ウインドラもカオスの返事を聞き一緒に犯人を討つことを決める。
………がカオスはミストを炎上させて犯人を突き止めはしたが殺すことは出来なかった………。
犯人が