テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
緑園都市リトビア 夜 残り期日六日
カオス達がリトビアに到着する頃また日付が変わりかけている時間帯だった。これまでは一日一日が過ぎるのに焦りを感じていたがヴェノムの主を全て倒した今では以前よりも日々が過ぎ去っていくのに余裕を持てるようになった。
カオス「…街の明かりが消えてる………。
もう街の人達が寝静まってる時間ですね………。」
レイディー「これじゃあ聞き込みが出来るのは明日になるな。
仕方ねぇから今日は適当な宿を見付けて聞き込みは明日にするか。」
タレス「そうするしかなさそうですね。
この街の宿ならボクが知ってるんで案内しますよ。」
アローネ「お願いします。
では明日からミストの生存者の捜索ですね。」
カオス達はタレスが知る宿へと向かった。幸い宿は日付が変わる寸前までは受付が出来るらしく明かりが灯っていた。
おじいさん「いらっしゃませ。
本日は何名様がお泊まりになられますか?」
宿に入ると宿の支配人と思わしき初老の男性が迎えてくれた。
ウインドラ「七人だ。」
おじいさん「七名様ですね。
お部屋の区分はどう致しましょう?
同室の部屋がありますがお使いになられますか?」
ウインドラ「…いや全員個室で頼む。」
おじいさん「シングルですとお部屋の値段が少々高くなってしまいますが宜しいでしょうか?」
ウインドラ「構わない。
一人一部屋で使わせてもらう。」
おじいさん「連日お使いになりますか?
それでしたらお部屋の方は明日の朝皆様がお部屋を出られた後にクリーニングを手配しますが。」
ウインドラ「とりあえず一泊だけにしておこう。
明日までここでの用事が終わらなかった時は再度またここに来る。
支払いは今でいいか?」
おじいさん「はい、
では七名様で合計三万五千ガルドとなります。」
ウインドラ「………やはり少々値段が張るな………。」
淡々とウインドラが受付を終わらせて皆の元に戻ってくる。
レイディー「よぉ、
悪いな宿代奢ってもらってよぉ。」
ウインドラ「このくらい大した額じゃない。
部屋も個室でとった。
明日は結構大変な一日になりそうだ。
ここも他の都程ではないがそれなりに広い街だからな。
手分けしたとしてもまた一日時間を費やすことになるだろう。
移動続きで疲労も溜まってることだし休める施設があるならここで十分に鋭気を養っておくべきだろう。」
個室にしたのはウインドラの配慮だった。七人もの人数がいれば常にお互いの目があって気苦労する場面が絶えない。一人になりたい時にも中々なれない今の現状ではこうしてなるべくこういった時間を作るのも悪くはないだろう。
アローネ「それでは明日は各々起床した人から街で情報を収集することにしましょうか。」
カオス「ミシガンはまだ休んでていいよ。
情報集めの報は俺達でやっとくから。」
ミシガン「…ううん、
私もやる。
ミストのことは私も関係者だから私がカオス達に任せて休んでる訳にはいかないもの。」
アローネがミシガンを休ませるつもりでそれぞれ別行動をとる提案を出したがミシガンはそれには乗らなかった。故郷が滅ぼされていても立ってもいられないミシガンは自分も捜索に加わる旨を告げる。
レイディー「…まぁ何でもいい。
お前がやるってんならそれを止めることは出来ねぇ。
坊やと擬きとゴリラの三人がミスト出身なんだ。
生存者がお前達の知り合いなら一発で探し当てられるだろ。
アタシ達も聞き込みするよりかはお前達に動いてもらった方が助かる。
後は明日の進行次第だな。
おい支配人。
アタシの部屋はどこだ?」
早々にレイディーが自分の部屋へと向かおうと受付の男性に声をかけた。
おじいさん「少々お待ちを。
今係りの者に案内させますので。
この方達をお部屋へご案内しろ。」
カオス・ミシガン・ウインドラ「「「ん?」」」
男性が別の部屋で待機していた人物を呼ぶ。それに返事をするのが聞こえて部屋から一人の若い男が出てきた。
カオス達はその人物の顔を見て驚いた。
レイディー「おう案内人。
長旅で足腰がキツいんだ。
一番いい部屋を頼む。」
ザック「では二階の突き当たりの角部屋をご用意します。
お手荷物はこちらの方でお運びしましょうか?」
レイディー「じゃあ頼………………なんかお前どっかで見たことある顔だな………?」
ザック「はい?
私は最近此方に来たばかりでどこかでお会いしましたでしょう…………………か………?
………ってあ”あああああああああ!!
アンタは確かミストでミシガンを「こらッザック!!」ヒィィッ!?」
おじいさん「お客様に向かってアンタなんて呼ぶんじゃない!
失礼だろうが!
申し訳ありませんお客様!
この者は田舎から出てきたばかりの研修でしてまだ言葉遣いや礼儀もままならない身なんです!
御宿泊中に何かご迷惑をおかけしましたら直ぐにお言いつけ下さい!
即刻こんな穀潰しは叩き出しますので!」
ザック「待ってくれコリーさん!?
俺ここを追い出されたら他に行く宛が………!?」
おじいさん「たわけ!
お前みたいな物覚えが悪くてミスばっかりする田舎者を雇っておくのも一苦労なんだよ!
何度注意すれば仕事を覚えられるんだ!?
今度何かしでかしたら追い出すって昨日言ったばかりだよな!?
私もそろそろお前の面倒をみるのも限界「「「ザック!」」」」
その宿で働いていたのはミスト出身のザックだった。
ザック「………へ………?
………ミシガン………にカオス………!?
………とどちら様………?」
おじいさん「ザックのことをお知りなんですか………?
コイツはここから東にあった村から来た奴なんですがそこは何か不幸があったようでして………。」
レイディー「………支配人………、
アンタ最高だぜ。
アンタがこの男をここで雇っててくれたおかげでアタシ達がここに来た目的をいきなり果たすことが出来たぜ。
今ならアタシからこの宿にチップを出してやりてぇくらいだ。」
おじいさん「はっ………はぁ………?」
リトビアに到着し宿泊するために見付けた宿でミストの住人だったザックを発見した。彼がここにいるということは彼からミストについての情報を得られる筈だ。カオス達は支配人に訳を話してザックからミストの話を聞くことにした………。