テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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迫り来る最期の刻

グラース国道 残り期日一日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

ウインドラ「…とうとう精霊王マクスウェルが宣告していた期日が明日にまで迫ってきたな………。」

 

 

タレス「今日か明日か……それでこの世界がどうなってしまうかハッキリしますね。」

 

 

アローネ「ヴェノムを振り撒きし者ヴェノムの主は既に全て討伐及び無力化しています。

 恐れることは何も無いとは思いますが………。」

 

 

レイディー「本当に今日か明日かのどっちかなのか?

 アタシは実際にアイツが宣言するところは見てないんだがどうなんだ?」

 

 

カオス「………今日か明日のどっちかで正しいと思います。

 俺が今から半年前にアイツからそう言われた時に日付も確認しましたから。」

 

 

アローネ「カオスがセレンシーアインでそのように受けた際の日のことは私も覚えております。

 あの日から半年………つまり今週以内に星の運命が決まることでしょう………。」

 

 

ウインドラ「…デリス=カーラーンのことについて何も言及が無かったからここまでフェデールを追ってきたがフェデールに会うよりも先にこの星がどうなるかが気になるな………。」

 

 

カーヤ「………デリス=カーラーン無くなっちゃうの………?

 カーヤが生きてるから………?」

 

 

メーメー『オレトゴシュジンガイキテタラマズイノカ?』

 

 

レイディー「別に生きててもいいんじゃねぇか?

 少なくとも今のお前達にはヴェノムは感染なんかしてねぇんだ。

 星がどうなるかはまだ誰にも分からねぇ。

 お前達が消えたところでそんなもん精霊の気分次第で決まることさ。」

 

 

ミシガン「…デリス=カーラーンがどうなるかよりも私はフェデールのところに行きたい………。

 フェデールのところに行ってどうしてミストを焼いたのか問い詰めたい………。」

 

 

カオス「ミシガン………。」

 

 

ミシガン「どうしてミストが焼き払われなくちゃいけなかったのか………どうしてミストの皆が殺されなくちゃいけなかったのか………。

 星が砕かれるよりも先にミストが消された理由を聞き出せずに終わるなんて嫌だよ………。」

 

 

 オーギワン港をそっと脱出してからカオス達は東の陸路を辿りマテオ北部までやって来た。ペース的にレサリナスに到着するよりも先に精霊王マクスウェルの課した期日が迫ってきていた。この分ではレサリナス到着までに星が存続するか消滅するかの命運が決する。そうなればここまで来た意味さえも霧散してしまう。

 

 

レイディー「………何も言ってこない奴を気にしてても何も始まらねぇ。

 とにかく開戦前にフェデールを見つけ出して奴等バルツィエがひた隠しにしている情報を吐かせるんだ。

 それがどんな有力な情報かは判断がつかねぇ。

 世界の敵は精霊とバルツィエだけなのか………精霊とバルツィエ以外にも他にアタシ達の敵になりうる奴が存在するのか、まずはそれを知らねぇとな。」

 

 

ウインドラ「そしてそのバルツィエが掴んでいる敵が何を目的にしているかも聞き出さねばな。

 今のところそんな奴がいたとして何かをしようとしている様子は伺えんが………。」

 

 

アローネ「ラタトスクが感知したというシルフとイフリートのことも捨て置けません。

 イフリートに至っては十六年前にダレイオスのゲダイアンを滅したという過去の事件があります。

 彼等が敵視しているのはアルターでお聞きしたシャーマンということも考えられます。

 バルツィエのような強者が恐れるとすればカオスやクララさんのような精霊の力を得たシャーマンくらいしか他に候補が見当たりません。」

 

 

カオス「………何にしても立ち止まってることは出来ないね。

 何も知らないままじゃ何をすればいいのかも分からない。

 フェデールが全ての鍵を握ってるならアイツのいるレサリナスを目指さなくちゃ次には進めないよ。」

 

 

レイディー「…もしもの場合を考えてレサリナスに突入するのはマクスウェルの予告した日付を過ぎた後にした方がいいな。

 レサリナスに入ってからまたあのシーモスの時みたいに人格が変わったりなんかしたら街の中にいる連中も驚くだろうよ。」

 

 

タレス「そうなると予定の日が過ぎる瞬間まではボク達はこのグラース国道で野宿することになりますね。」

 

 

アローネ「最悪の形を想定すればその方が不要な混乱は避けられますね。

 精霊の力の強大さを思えば人込みの中にいては身動きが取りづらくなるでしょうし自由に動ける広い場所でなら精霊が出現した際にも対処しやすくなります。」

 

 

ウインドラ「目標としてはレサリナスからそう遠く離れず一時間………いや数時間歩いた辺りの付近に潜伏するのが妥当だな。

 レサリナスに突入する前にバルツィエやバルツィエに与する者達に見付かるのは面倒だ。

 フェデールに近付く際は此方から奴を発見して接近するのがベストだ。」

 

 

カオス「それで決まりだね。

 それなら今日はそんなに遠くまでは移動しないでよさそうだね。

 ミシガンもそれでいいよね?」

 

 

ミシガン「…大丈夫それくらいならなんとか………。」

 

 

レイディー「レサリナスに突入するのは明後日だ。

 明日さえ乗り越えることが出来たら外壁の警備の様子を見て侵入出来そうな経路を探すぞ。

 それまではこのグラース国道のモンスター達が襲ってこなさそうな場所でも見付けてそこで夜を待つことにする。

 異議は無いな?」

 

 

 レイディーの確認に皆頷く。一刻も早くフェデールに合間見えたいところだが精霊の出方次第ではフェデールどころではなくなる。カオス達はその後レサリナスを視界に捉えた原っぱで夜営の準備をして夜を越した………。


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