テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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当たり前の人になりたくて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『最期に何か言い残すことはないか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………何も………。

 あったとしてそれを誰に伝えるんだよ?

 お前はあのデリス=カーラーンもぶっ壊す予定なんだろ?

 だったら遺言なんて残しても誰にも伝わらないじゃないか。」

 

 

 誰に聞かせるでもない言葉を言い残したところで意味はなどないだろう。デリス=カーラーンに生きる全ての生命が死に絶えるなら何も言い残すことなどない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『………あい分かった。

 それでは()()()()()()

 瞬く間に終わりにしてやろう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァァァ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 精霊が手のひらに光を集中させるとその光はだんだんと色を黒く変色させていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『ブラックホール………この渦に飲まれればお主の体は圧縮され人の目には見えぬほどに凝縮される。

 お主を消した後は今いるこの星屑もこの銀河から消さねばならぬのでな。

 この術で幕引きとしよう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「ブラックホール………。

 そんなものまで作り出せるのか………。」

 

 

 名前は聞いたことはある。宇宙のどこかにある重力が星の何百倍もある空間で太陽系の中心にあるのではないかと噂される空間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「(………本当に終わりなんだな………。

 俺一人じゃどうやったってコイツには敵わないし他に誰もコイツと戦える人なんていない………。

 ………タレスもミシガンもウインドラもカーヤもレイディーさんもコイツに消されて………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………アローネも………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒラ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………?」

 

 

 カオスが身動ぎした拍子に何かがカオスから落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『最期の情けで死ぬ時はお主に選ばせてやろう。

 お主が自らこの穴へ飛び込むのじゃ。

 お主が飛び込むまでは待っておってやる。

 ここであの星屑が儂の降らせた石ころで崩壊する様を眺めておってもいいぞ?

 この穴の中へ入るのはそれからでも善い。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスの体から落ちたのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アローネのエルブンシンボルと羽衣だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「これ………お義兄さんの………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アローネが御守りのように大事にしていた義兄の片身のエルブンシンボルとセレンシーアインでオーレッドに渡された羽衣………。その二つが合わさってカオスを降り注ぐ隕石から守ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「(………どうして俺なんかを守ったんだよ………。

 俺なんか守るくらいなら自分の身を守れよ………。

 アローネは生きなくちゃいけなかっただろ………。

 俺と違ってアローネにはやらなくちゃいけないことがあったのに………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシュンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『む?

 ………お主………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何故立ち上がる?

 何故剣を構えるのじゃ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは気が付くとアローネの羽衣を剣の形に変えてマクスウェルに向き合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「何でだろうな………。

 こうしなきゃいけないって体が疼くんだ。

 体が無意識にお前を倒せって訴えかけてくるんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『儂への復讐か?

 お主の仲間達への弔いのためか?

 それともあの星屑を儂の手から守るためか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「さぁね………。

 俺にもよく分からない………。

 どうして自分がまた剣を握っているのか………。

 どうして勝てないと分かっているのにお前にまた向かっていこうとするのか………。

 無駄だと分かっていながらとうしてまたお前に立ち向かっていく勇気が湧いてくるのか………。

 

 

 ………多分違うな。

 これは勇気なんかじゃない。

 勇気ですらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただの悪足掻きだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『悪足掻きとな………?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………誰もいない………。

 今だからこそ言えるんだけど俺は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初からお前のことを恨んでなんていなかった………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「お前と一緒だった十五年………。

 子供の時の頃は魔術が使えない俺はザックや他の子達に苛められてはいたけどウインドラやミシガンが傍にいてくれたからそこまで不自由は感じなかった………。

 

 

 

 

 

 

 村がヴェノムに襲われてからの十年はおじいちゃんが死んじゃって正直あの村に居続けることが辛かった。

 だからあの村から離れられて良かった………。

 俺が生きているのもお前が俺の中にいてくれたからだってことも本当は理解してたんだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本当はずっとお前には感謝してた………。

 お前がいなかったら今日までの俺はあり得なかったから………。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 俺はアンタを悪者にすることで自分は何も悪くないって自分に言い聞かせ続けてきた。

 ………ごめん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『お前さんがそれを気にすることはない。

 建前とは言え儂はお主に恨みを抱かせるようなことをしてきたのだからな。』

 

 

 カオスの謝罪をマクスウェルは軽く受け流す。カオスの本心を前から知っていたかのようだった。

 

 

 

 

 

 

カオス「(………そっか………。

 ずっと繋がってたんだもんな…………。

 俺が本当はどう思ってたかぐらいはお見通しか………。)」

 

 

マクスウェル『それで今更剣など持ってどうするんじゃ?

 お主一人では儂には勝てぬぞ?』

 

 

カオス「勝つかどうかなんてどうだっていいさ。

 俺にはアローネ達のように大きな目標も何もない。

 俺にはあの世界の命運を握るようなうつわなんかじゃないんだ。

 俺にはもう何も残ってないんだ。

 ミストのことだってどうだっていいって思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………けど見てみたいんだ。

 俺には掲げることの出来ない目標や夢を持つアローネ達がこの先どんなふうな未来を歩んでいくのか………。

 ()()()()()()()()()()アローネ達が果たしたかった夢や希望がどんな未来になっていくのかこの目で見てみたかった。

 どんな将来が皆に訪れるか見てみたかったんだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから俺はお前と戦うよ。

 アローネ達が果たせなかった夢の先にあるものを俺が叶えて見せる。

 アローネ達はいなくなっちゃったけどあいつらの代わりに俺があいつらの希望を引き継ぐんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『………まるでお主は()()じゃな。

 人になりたくて人のように生きようとする人形じゃ。

 

 

 儂がお主の中に入り込んでからここまで壊れてしまっていたとはな………。

 お主には随分と苦しい人生を歩ませてきたようじゃ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早く終わりにしてやらねばな。

 お主の物語を………。』

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