テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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勝てぬと分かっていても挑まなければならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『憎しみでもなくあの星屑のためでもなくお主を突き動かしているものは何だ?

 何がお主をそうまで駆り立てるのじゃ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「言ったろ。

 俺にはそんな感情はない。

 おじいちゃんが死んだあの日から俺の心は死んでしまったんだ。

 お前に罪を被せでもしなければ精神を保てないほどに俺は不安定なんだ。

 俺自身に()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『なら何故だ?

 何の意思も無いと言うのであれば黙ってあの星屑が儂に砕かれるのを見ておればよかろう?

 お主の行動は儂にあの星屑を破壊させまいとしているように見えるぞ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「そうだね。

 それでも何でかお前と戦わなくちゃいけない気がするんだ。

 このアローネが残してくれた羽衣からアローネやタレス、ミシガン、ウインドラ、カーヤ、レイディーさんの想いが流れ込んでくるようで………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺じゃない皆の心が俺をお前と戦わせようとしてくるんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『………不愉快じゃな。

 貴様のような半端な覚悟しか持ち合わせんような輩が儂に楯突こうとするでない。

 自らの意思を持たぬ者が儂の意向を妨げるな。

 お主には分からぬのじゃ。

 ヴェノムを放置すれば後にどのような世界に移り変わるか。

 お主等星の子に精霊と呼ばれる儂等は遥か昔に()()()()()()()()()()()()()()()

 この宇宙では質量を持たなかった儂等精霊は延々と同じ景色ばかりを眺め続けて心を濁していった。

 変わることの無い世界は時間そのものが止まって感じられた。

 儂はあの移ろわぬ時の世界に戻るのだけは御免被る。

 あの星屑デリス=カーラーンを野放しにすることは出来ぬ。

 よって儂はあの星屑を粉々に砕く。

 お主はそこで静かに星屑が滅ぶのを見ていればよい。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「悪いけどそれは出来ない。

 お前が言うようにヴェノムは凄く危険なウイルスだってことは分かるけど俺の星はまだ砕かせることなんて出来ない。

 あそこにはまだ沢山の人達が住んでるんだ。

 お前にも事情があるのは分かるけど俺達の星はまだ終わりじゃない。

 そんなにヴェノムのことを心配するんなら俺達でヴェノムを無くす。

 ヴェノムをデリス=カーラーンから無くしてやる。

 だから星を砕くのはまだ待ってくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『待てぬな。

 すぐにでも砕いてやろう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「どうしてもやるのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『勿論じゃ。

 それがこの銀河のためじゃ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………それなら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱりこうするしかないよね。」スチャ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『お前さんのような者はこれまで見たことがないな。

 勝てぬと知りながらも果敢に立ち向かってくるその姿。

 その内にあるのは仲間達の想いだけで己の覚悟はどこにも無い。

 他者に同調することでしか他者と接することが出来図に流されて儂の前に立つ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「ぶっちゃけて言うと俺ってアローネ達にただついていってるだけだったからね。

 俺が何かしたかったんじゃないよ。

 俺の周りにいた人が()()()()()()()()()()

 だったら俺もそんなふうに振る舞うしかないよね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスにとっては物心がついた時から周りの者達とは条件が違った。そのため祖父の言葉に従って生きていくしかなかった。その祖父ですら自分とは異なる生き方をしてきたため祖父がいなくなってからはそれとなく罪悪感を背負っているようにミストの者達に見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 カオスはどこまでも普通になりたかった。普通の者がどのように感じどのように物事を考えて発言をするかひたすら模倣し自分を作っていった。成長する過程で少しずつ価値観は変わっていったが根幹は何も変化はない。カオスの意思は常に他人に委ねられている。

 

 

カオス「もし俺が最初にアローネに出会っていなかったら………。

 フェデールやラーゲッツみたいなのと最初に会ってたら俺もあんなふうに平気で人を傷付けるようになってたんじゃないかな?

 俺にとっては誰が隣にいても良かったんだ。

 俺がどんな道を進むかを示してくれたらどんな道でも進んでいける。

 俺はこの通り自分ってものが無いからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポロポロ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『何を泣くことがある?

 お主にとってのあの者等はただの模範に過ぎぬ者達であったのだろう?

 彼等の存在など人の子等の社会に溶け込むためだけの鏡にしか思うておらんかったお主が何故涙を流す。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「そうなんどけどさ………。

 ………そうだったんだけどさ………。

 たった半年の間だったけど………ウインドラとミシガンとは十年の付き合いだったけどそんな時間を過ごしている内にどうしてだかあの皆のことが好き………みたいに思えてきてたんだ………。

 一緒にいただけなのにそれだけで好きになるってまるで猫や犬みたいなんだけどさ……… 。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『…儂がお主に負わせた十五年前の古傷が癒えてきておるようじゃな。

 お主は儂等精霊から本来の人の心というものを取り戻そうとしておる。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「そうなの………かな?

 自分じゃ実感湧かないけど………。

 ………確かにそうなのかも………。

 なんかだんだん人らしくなってきた気はするよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスウェル『儂に刃向かうのは儂が憑依したことによって生じた精霊と人との精神の歪みから立ち直ってきたからか。

 お主は人の心を取り戻しつつあるのじゃ。

 無などではなく有。

 その握られた剣からはお主の溢れんばかりの気勢を感じるぞ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「…俺は未だに他人の心が分からない。

 人は誰かを蔑んだり貶めたりするものだと思ってた。

 でも中には純粋に人に優しく出来る人もいる。

 他人のために何かをしようとする人だっている。

 死ぬ時までその意思を貫いて死ぬ人だっている。

 ………そういう人の意思を………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このまま星ごと終わりにはしたくない。

 俺は死んでいったあの人達のためにお前と戦うよマクスウェル。」

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