テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都へ来た目的を果たすため三人は情報収集のために
図書館へと向かう。
そこで一人の少年を見つけ…。
王都レサリナス 北東部 図書館
「マナを感じない………?」
「うん、………やっぱり感じないな。
もしかしてあの子…!」
「マナ欠損症………でしょうか。」
「そうだと思う。
どうしてこんなところに………。」
「都会は人が多く集まるところです。
人が多いのならそういった方も多くなりますよ。」
「でもマナ欠損症は治る病気なんだよね?」
「えぇ、大分前に治療法は見つかった筈ですが…。」
「じゃあ、あの子はどうしてそのままにしてるんだ?」
「恐らく治療するのにお金が必要なのかと…。」
「お金が?
親はお金を出してくれないのかな…。」
「ご両親もお金を工面なさっているのではないでしょうか?
治療法があるといってもお金は相当かかりますから。」
「………お金かぁ。
皆で助け合いって出来ないのかなぁ。」
「人が皆、善人というわけではないですから誰かの為に何かをするのは余程の方でないとあり得ません。
むしろ蹴落とそうとする方も。
………この街のような大都会ではそれが顕著に表れます。」
「競争社会ってやつ?」
「えぇ、
ですから対価なくしては人のために動くということはそうそうないのですよ。」
「………なんだか都会って冷たいところなんだね。
街の景色は明るくて暖かそうなのに。」
「そういった理想を求めて都会に来る方は大勢いますよ。
そして都会に来て落胆する方も。」
「………」
「都会と言っても所詮は人の住む街。
全てが万能には出来てないのです。
あの子のように治療したくてもできない子も沢山……?
カオス?」
「ねぇ君?
一人で来たの?」
「…え…?。」
「カオス!?」
「君ってマナ欠損症?
ご両親は一緒じゃないのかな?」
「え、…あ、あの?」
「カオス、急すぎますよ!
スミマセン、連れのものがご迷惑をお掛けして…。」
「……うぅ、」
「ほら怯えさせてしまったではないですか!」
「あっと、ゴメンよ!?
別に俺達怪しいものじゃないんだ。
ちょっと一人でいる君が気になってね。」
「………そのぉ…。」
「御名前お聞きしてもよろしいでしょうか?
私はアロー………コホン、
私はアルキメデス、こちらはサタンと申します。
私達は旅人なのです。
こちらがギルドカードです。」
「…?
ぼくはダニエル。
ぼくに何のよう?」
「貴方のその症状が気になりまして声をお掛けしたのですよ。」
「ぼくの………?」
「そうそう。
君が一人で本を読んでたからさ。
それでご両親は今どうしてるのかなぁって。」
「………」
「あ、別に深いことを聞くつもりはないんだ!
ほんの興味本意って言うか…「お母さん達は…」」
「お母さん達はもういないよ………。」
「お母さん達がいない?」
「それは………!」
「お母さん達は………死んじゃった。」
「死んだ!?
どうして!?」
「図書館ではお静かに!!」
「「す、スミマセン~!」」
「………」
「………ちょっと場所変えようか。」
王都レサリナス 北東部 図書館前
ザワザワザワザワザワザ………
「うわ!?
人がこんなに沢山…。」
「丁度お昼頃ですから都会ですとこれくらいが普通ですよ?」
「そういえばアロー…、アルキメデスは都会にいたんだったね。」
「えぇ、ですからこうした風景には馴れています。」
「なるほど、
………それでダニエル君だったね。
さっきの話聞いてもいいかな。」
「…いいよ。
バルツィエの話は誰かに聞いてもらいたかったし。」
「え?バルツィエ?」
「ご両親がバルツィエと関係が………こういった話をお聞きしても大丈夫なのでしょうか?」
「………ぼくの家、実は………
元貴族なんだ。」
「元貴族!?」
「貴方が…!?」
「そうなんだ。
て言ってもぼくがもっと小さかったときに貴族じゃなくなって家も取り壊されてこうして一人になったんだ…。」
「一人って………ダニエル君はどこに住んでるの?」
「ここから街の出口の方に行ったら孤児院があってそこで皆で暮らしてるの。」
「孤児院?」
「事情があってご両親と離れ離れになった子供達が預けられる施設ですね。
でもどうして?」
「ぼくのお父さんは騎士のお仕事をしてたんだけど…
何か悪いことをしたとかで連れてかれちゃったんだ。
お母さんも貴族だったんだけどそのせいで両方の家がなくなってお母さんも何処かにいっちゃって…。
多分二人とももう…。
いつの間にか孤児院に住むことになってるし…。」
「(ハードな話だな…。)」
「それとバルツィエがどう繋がるのですか?」
「お父さんを捕まえていったのはバルツィエの人なんだ。
お父さんは絶対悪いことなんてしてないのに…。
他のお家もバルツィエが次々に…。
数えるだけでも十はあるよ。」
「いくらなんでもそんなに多くの家が不正を働くなど…。」
「そうだよ。
バルツィエのやつらは言うことを聞かない人達を無理矢理捕まえてるんだ。
あいつらが一番悪いのに。
あいつらが王様になったからなんでもかんでもやりたい放題なんだ。
バルツィエがお父さんを捕まえてなければぼくはまだ家にだっていれたんだ。
バルツィエが「ダニエル!」」
「図書館の前で騒いでは回りの方にご迷惑ですよダニエル。」
「先生…。」
「そろそろ食事の時間なので帰りますよ?」
「………はい。」
「スミマセン、うちのダニエルが何か失礼なことを…。」
「いえ、全然そんなことないですよ。
話しかけたのは俺達からですし。」
「そうですよ。
私達は何も迷惑だなんて思ってませんから。」
「有り難うございます。
…それで貴殿方は?」
「俺はカ…サタン、こっちがアルキメデスです。
図書館の中で調べものをしてたらダニエル君が一人でいたのでちょっと気になって…。」
「はぁ…?」
「ダニエル君って…魔力欠損症ですよね?」
「!」
「…その通りです。
ダニエルは精神的なものから来る後天性のもので…。」
「治せないんですか?」
「治るかどうかは…。
なにぶん孤児院も寄付で成り立っているものでして、お金もそう裕福な方ではなく…。
こういったものにも余り詳しくなくて…。」
「いいんだよ…
どうせぼくなんか治らなくたって…。」
「こら!
貴方はどうしてそう卑屈なの!
心配してくれている方に向かって!
スミマセン!
後で言って聞かせるので。」
「構いませんよ。
俺達も不躾だったと思いますし。」
「子供の頃は何かと多感ですから。
こういう時期も御座いますよ。」
「…そう言っていただけると助かります。
申し遅れました。
私はメルザと申します。
この子のいる孤児院で働いているものです。」
「…メルザさん。
その孤児院って今からでも行っていいですか?」
「構いませんが…。」
「カオス…?」
「ちょっと気になるんだ。
ダニエル君もだけどこの王都でどのくらいバルツィエの被害にあってる子がいるのか。」
「一重にバルツィエの……という訳ではありませんが、
関係している子は数多くおりますよ。」
「そうですね、
ここまでお話を聞いてしまっては何かお力添え出来ることがあるかもしれませんね。
私も行ってみます。」
「そうと決まればさっそく行こうか。」
「分かりました。
それではこちらです。」
「うんじゃあ…。」
「ちょっと待ってください!
タレスがまだ寝てますよ!?」
「………そうだった。」